日本薬局方・生物試験法の国際調和対応のための調査,研究

文献情報

文献番号
199800640A
報告書区分
総括
研究課題名
日本薬局方・生物試験法の国際調和対応のための調査,研究
課題番号
-
研究年度
平成10(1998)年度
研究代表者(所属機関)
三瀬 勝利(国立医薬品食品衛生研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 小熊恵二(岡山大学)
  • 佐々木次雄(国立感染症研究所)
研究区分
厚生科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬安全総合研究事業
研究開始年度
平成10(1998)年度
研究終了予定年度
平成12(2000)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
現在PDG(Pharmacopoeial Discussion Group)を中心に多くの微生物試験法が国際調和の対象となっている。そのうち特に緊急性の高い試験法の原案策定作業を、内外の識者の意見を聞いたり、諸外国の各局法と比較検討することを通じて、今後改定される薬局方に収載すべく努力をする。また諸外国の薬局方微生物試験法の専門家を我が国に招き、談話会を開き討論することで試験法の国際調和を目指す。
研究方法
1)試験法の国際調和のための情報は、主としてPDG等の場を通じて諸外国の状態や意向を聞く。新設・改訂される予定の試験法に関する国内の意見や批判は、生物試験法委員会を通じて集約される。2)外国人専門家の談話会招へいは日本公定書協会から募集されれている「外国人招へい旅費」に応募してこれに充てる。この方法が不可能な場合は、当該専門家がPDG等の会合で我が国を訪問した時にお願いして談話会を開く。
結果と考察
1)PDGでの討論をふまえ、「無菌試験法」を全面的に書き換えJP Forumに提案した。この「無菌試験法」は新規作成の「無菌医薬品製造区域の微生物評価法」や「最終滅菌医薬品の無菌性保証」と共に、第13改正日本薬局方第二追補に収載される予定である。「無菌試験法」は従来通り一般試験法の項に収載され、後二者は参考情報に収載されるであろう。2)クロストリディア試験法の策定を試み、内外の多くの識者の意見を聞いている。本試験方は「微生物限度試験法」中の一つの試験法となろう。「微生物限度試験法」の全面改定にあわせて、第14改正日本薬局方に収載される予定である。3)「非無菌医薬品の微生物学的品質特性」案について調査を始めた。第14改正日本薬局方の参考情報の項に収載することを目指している。4)国立医薬品食品衛生研究所で、ヨーロッパ連合薬局方のKlaus Haberer博士を招待して「微生物限度試験法」等の国際調和についての談話会を開催した。出席者たちから寄せられた多くの意見を聞くとともに、同博士にヨーロッパ連合薬局方のいくつかの微生物試験法に関する見解を聞いた。また同博士の日本薬局方・微生物試験法に対する意見や批判を聞いた。本談話会は両国の微生物試験法の国際調和に資するものと期待される。今後は米国薬局方の微生物試験法担当者を招へいして、同様の談話会を開催する必要を感じている。
結論
日本薬局方・微生物試験法に関し、国際調和の観点から、以下の研究を行い成果を上げた。1)第13改正日本薬局方第二追補に向けて、大改正される予定の「無菌試験法」と新規収載予定の「最終滅菌医薬品の無菌性保証」と「無菌医薬品製造区域の微生物評価試験法」を纏めた。2)第14改正日本薬局方に向けて、クロストリディア試験の新規収載を含む「微生物限度試験法」の改訂作業に着手した。3)ヨーロッパ薬局方のKlaus Haberer氏を招へいし、微生物試験の国際調和に関する談話会を開催し、日本及びヨーロッパ連合薬局方間の試験法の差異などについて討論し、調和をはかった。

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