高度な放射線治療装置等の医療機器の配置及び適切な活用に関する研究

文献情報

文献番号
201721046A
報告書区分
総括
研究課題名
高度な放射線治療装置等の医療機器の配置及び適切な活用に関する研究
課題番号
H29-医療-指定-006
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
本田 浩(九州大学 大学院医学研究院臨床放射線科学)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
2,310,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

概要版(繰越課題)
研究の目的:我が国の医療機器の適正配置においては、OECDの統計等において、CT装置やMRI装置は他の先進国と比較して普及率が高いことが示されており、マスコミの報道や国の検討会でも議論されるなど、国民や政府の関心が高い。これらの装置の普及率が高いことは、我が国のがん生存率の高さの一つの要因との分析がある一方で、医療費高騰につながっているという指摘もある。(※1) 中島らによると、我が国の人口100万人あたりのCT/MRI台数は130台程度であり、諸外国の平均30台と比較し多いが、人口100万人あたりの放射線科医は30人台で、諸外国の平均104人と比較し少ない。(※2)また、全国のCT装置やMRI装置で行われる検査をすべてレポートするためには、放射線科医は現在より少なくとも2.09倍必要であるとの報告もある。(※3)研究代表者の本田は平成27年度厚生労働科学研究費補助金地域医療基盤開発推進研究事業「医療計画の評価と実行性の向上に関する研究」(研究代表者 河原和夫)において、「CT装置及びMRI装置の地域での設置状況と稼働をめぐる問題等に関する研究」を実施し、病床機能報告制度で得られた各医療機関の装置の保有状況、日本医学放射線学会が保有する専門医配置状況、厚生局施設基準データや平成23年医療施設調査等を突合し、全国のCT,MRI装置の総数と分布等を報告した。この報告は、平成28年7月28日開催の「第三回医療計画の見直し等に係る検討会」の資料として活用され、当該検討会では、今後の医療計画における大型医療機器の配置等に関する活発な議論が行われた。また、平成28年12月26日に「医療計画の見直し等に関する検討会」の「意見の取りまとめ」が行われ、この中で、「なお、限られた医療資源を有効活用することは重要であることから、今後も、医療機器等の配置のあり方等については、研究を行うことが必要である。」とされた。これを踏まえ、本研究では、これまでの研究手法を発展させ、調査する装置に核医学検査装置や放射線治療装置を追加し、どの地域の患者が利用しているか等の情報についても検討を行う。これらを踏まえ、医療機器や専門医等の配置のあり方等について、地域における実情を把握し、基本方針策定等に役立てるための考え方を一定程度整理する。
本研究は日本医学放射線学会の全面協力の下、実施する。また、日本画像医療システム工業会(JIRA)や関連学会とも連携し、メーカー保有の情報と日本医学放射線学会や関連学会が保有する情報、国が保有する情報をそれぞれ突合して実施する画期的な手法である。
研究結果の概要:
我が国の医療機器の適正配置においては、OECDの統計等において、CT装置やMRI装置は他の先進国と比較して普及率が高いことが示されており、マスコミの報道や国の検討会でも議論されるなど、国民や政府の関心が高い。今回、平成26年度全国国立大学法人放射線診療部門会議放射線診療業務量調査を用い、CT,MRI装置、被ばく線量管理、核医学装置、放射線治療装置それぞれについて検討した。
また、現在収集可能な各種データが、どのようなデータがあり、どのようなデータが無いのか、それぞれ整理し、次年度以降の調査をどのようにデザインすればよいか検討した。
研究の実施経過:
まず全国国立大学法人放射線診療部門会議放射線診療業務量調査を用いて、国立大学病院の現状について解析を行った。CT,MRI装置、被ばく線量管理、核医学装置、放射線治療装置それぞれについて検討したところ、CT検査は増加傾向で、特に複数躯体部位の撮影が増加していた、MRIでは3テスラ機器への移行が進んでいた。
本調査はアンケート調査であり、来年度以降の調査では調査困難な項目もあるが、本調査の項目を参考に実施することが妥当と思われた。各データに関しては、平成27年度の「医療計画の評価と実効性の向上に関する研究」と同様の手法で調査することが可能と考えられる。
今回の研究を踏まえ、今後さらなる調査を実施し、国民がより安全でより高度な放射線医学を享受できるようにする取り組みをさらに進める必要がある。

公開日・更新日

公開日
2021-11-16
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2021-11-16
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201721046Z