エコチル調査を活用した脳性麻痺発生率等に関する研究

文献情報

文献番号
201721045A
報告書区分
総括
研究課題名
エコチル調査を活用した脳性麻痺発生率等に関する研究
課題番号
H29-医療-指定-005
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
橋本 圭司(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 臓器・運動器病態外科部 リハビリテーション科)
研究分担者(所属機関)
  • 新田 裕史(国立研究開発法人 国立環境研究センター)
  • 目澤 秀俊(国立研究開発法人  国立成育医療研究センター 生体防御系内科部 アレルギー科)
  • 梅原 永能(国立研究開発法人  国立成育医療研究センター 周産期母性診療センター 産科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
2,762,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
エコチル調査を活用し在胎週数別・出生体重別脳性麻痺の発生数や発生原因の分析により当該制度の補償対象となる重度脳性麻痺児数の推計を行う。
研究方法
平成24年~27年に出生したエコチル調査参加児について、1歳児調査票及び3・4・5歳時調査票において「脳性麻痺」との回答を得た事例について、児の分娩機関及び医療機関の診療録等から分娩時のデータ及び現在の肢体不自由の程度等の情報を把握する。
結果と考察
2017年11月28日現在、エコチル調査参加者の中で、2011年出生が9,684人、2012年出生が28,219人、2013年出生が35,587人、2014年出生が26,658人で、全体が100,148人であった。上記参加者の内、質問票にて「脳性麻痺」を選択されていた人数は94人であった。各対象者の出生年は、2011年出生が25人、2012年出生が23人、2013年出生が29人、2014年出生が17人であった。
脳性麻痺発生率は、母数を出生数とすると、対象者全体で0.94人/1000出生、重症対象者で0.69、旧基準対象者で0.63、新基準対象者で0.73、旧基準対象者(重症のみ)で0.43、新基準対象者(重症のみ)で0.52であった。母数を5歳質問票回収数とすると、2011年出生と2012年出生の一部のみとなるが、対象者全体で2.28、重症対象者で1.66、旧基準対象者で1.47、新基準対象者で1.66、旧基準対象者(重症のみ)で0.95、新基準対象者(重症のみ)で1.14であった。母数を3歳質問票回収数とすると、対象者全体で0.93、重症対象者で0.70、旧基準対象者で0.63、新基準対象者で0.75、旧基準対象者(重症のみ)で0.44、新基準対象者(重症のみ)で0.53であった。
先行調査では、沖縄で1988年から2009年までに696例の脳性麻痺が発生し、その発生率は1.9であった。2005年から2009年に絞ると沖縄県で1.6であり、同時期に行われた脳性麻痺発生調査では、栃木県では2.1、三重県では3.0の発生率であった。今回の結果はその範囲が含まれているが低い傾向にある。4歳、5歳時の質問票で脳性麻痺と報告される例は一定数あり、5歳までの情報を収集する必要がある。また、エコチル調査では軽症例が含まれることや分娩
時低酸素状況の評価のための胎児心拍モニタリングがないため、産科医療補償制度と同様に実施することができない点があり、その点の調整の仕方を検討中である。
結論
エコチル調査内で脳性麻痺発生率を算定した。2011年出生と2012出生の一部の5歳までの累計脳性麻痺発生率は2.28程度で、全体の質問票の回収がおおよそ終わった3歳時までの累積脳性麻痺発生率は0.93程度であった。正確な人数を想定するためには、エコチル調査参加者が5歳になるまでのフォローアップが必要である。

公開日・更新日

公開日
2018-05-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2018-05-11
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201721045Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
3,590,000円
(2)補助金確定額
3,590,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 835,966円
人件費・謝金 1,256,576円
旅費 154,480円
その他 514,978円
間接経費 828,000円
合計 3,590,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2018-05-11
更新日
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