文献情報
文献番号
201721025A
報告書区分
総括
研究課題名
大規模医療データを利用した医療ICT利用の効果検証に関する研究
課題番号
H29-医療-一般-008
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
石川 ベンジャミン光一(国立研究開発法人国立がん研究センター 社会と健康研究センター)
研究分担者(所属機関)
- 小林 大介(神戸大学 大学院医学研究科)
- 渡邊 亮(神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部)
- 佐藤 大介(国立保健医療科学院 医療・福祉サービス研究部)
- 松居 宏樹(東京大学大学院 医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究費
5,300,000円
研究者交替、所属機関変更
研究分担者:渡邊 亮
東京医科大学(平成29年4月1日~8月31日)→神奈川県立保健福祉大学(平成29年9月1日以降)
研究分担者:小林 大介
名古屋大学(平成29年4月1日~11月30日)→神戸大学(平成29年12月1日以降)
研究報告書(概要版)
研究目的
我が国では医療分野における様々なICT利用が広まっているものの、その現実的な効果を定量的に把握する研究には乏しい状況にある。本研究では、DPCデータやNDBデータといった大規模医療データに基づいて医療の改善に関する指標を算出した上で、地域連携やICT技術の利用との関連性を検討することにより、医療ICT化の現実的な効果について定量的に把握することを目的として検討を行った。
研究方法
本研究では大きく分けて次の3つのステップで研究を行う。①大腿骨骨折などの傷病について入院日数や再入院率などの指標について検討を行い、それらの指標と施設内・地域内でのICT技術の利用状況との関連性から効果検証の枠組みと利用する指標の候補を作成する。②得られた候補について経年的な比較に基づく効果の検証などを行なって、評価指標の選定を行う。③ICT化の適切な評価と今後の普及策についての提言について検討するとともに、将来に向けたICT化の効果推計等を行う。このうち初年度においては①を中心として検討を行う。
結果と考察
本研究は2年計画の研究であり、初年度となる平成29年度においては、ICT利用の効果検証の方法論について、現状の大規模医療データベースを利用する場合の課題と対策をまとめるとともに、既存資料を用いたICT利用の実態を把握するための基礎データの整備、NDBデータに基づく実態把握に向けた集計の申出手続などを行った。こうしたICT利用の実態を体系的に整備する試みはこれまでにないものであり、今後はこうしたデータを用いた効果検証を進める一方で、次年度以降に経年的な比較を含めた効果検証を行うことにより、地域・医療機関についての具体的な評価指標や今後に向けた提言を取りまとめることができるものと考える。
結論
大規模医療データを用いることで、術後入院日数や再入院率等の臨床的な指標を計算して施設別・地域別の状況を把握し、地域連携や医療ICT技術の適用状況との関連性についての検討が可能となる。今後は経年的な比較などを通じて地域・医療機関についての具体的な評価指標を取りまとめると共に、今後のICT化に向けた提言を取りまとめることが期待された。
公開日・更新日
公開日
2020-01-17
更新日
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