歯科技工業の多様な業務モデルに関する研究

文献情報

文献番号
201721019A
報告書区分
総括
研究課題名
歯科技工業の多様な業務モデルに関する研究
課題番号
H29-医療-一般-002
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
赤川 安正(昭和大学 学長室)
研究分担者(所属機関)
  • 佐藤 裕二(昭和大学 歯学部)
  • 田地 豪(広島大学 大学院医歯薬保健学研究科)
  • 小畑 真(北海道医療大学 歯学部)
  • 堀口 逸子(慶應義塾大学 医学部)
  • 下平 修(昭和大学 歯学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究費
1,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 歯科技工士を取り巻く労働環境は厳しさを増しており、加えて、歯科技工士の高齢化や歯科技工士学校養成所の定員割れが続いて若手歯科技工士の参入が乏しくなり、将来的に歯科技工業の担い手である歯科技工士の不足が予測されている。このような問題を解決するためには、歯科技工業の労働実態を正確に把握し、その労働環境を構成する要素ごとに論点を整理し、労働環境の改善を図ることが急務であると考える。本研究の目的は、歯科技工業の実態を正確に把握して、労働環境等の改善に資する提言や多様な業務モデルを導入するためのマニュアルを作成することにある。
研究方法
 歯科技工所や歯科技工士に対する質問票調査を実施し、調査結果を分析することにより、歯科技工士の労働実態を明らかにし、労働環境等の改善に資する歯科技工業に関する提言やマニュアル作成を行う計画を立案した。歯科技工所については、自治体のホームページに公開されている歯科技工所を対象とし、全国を6ブロックに分けたうえで、各ブロックで対象の多い都道府県の歯科技工所、合計4,009施設を調査対象とした。また、歯科医療機関については、日本歯科医師会の会員の中から無作為に抽出した750施設を調査対象とした。さらに、歯科技工士については、対象の歯科技工所や歯科医療機関に勤務する歯科技工士を調査対象とした。
結果と考察
 歯科技工所から429通、歯科医療機関から576通、歯科技工士(歯科技工所勤務)から319通、歯科技工士(歯科医療機関勤務)から167通の回答を得た。質問票調査のデータ集計(単純集計)を平成29年度末までに行った。
 労働環境改善への取り組み内容としては、「作業環境の不具合がないようにする」が71.3%で最も多く、次いで「作業環境に関する新しい情報を入手する」が29.8%、「従業員の意見を積極的に取り入れる」が19.1%であった。また、歯科技工業務の効率化への取り組み内容としては、「特定の補てつ物等のみの受注を行っている」が39.4%で最も多く、次いで「補てつ物等の種類に応じて担当制としている」が26.3%、「新しい機器を導入している」が24.9%であった。補てつ物等の製作における業務形態としては、「全患者を1人で担当」する形態が最も多く、「患者毎に分担」や「作業工程毎に分担」は少なかった。また、直近3年間での補てつ物等の製作個数の変化は、補てつ物によって異なり、クラウンブリッジは減少傾向であったが、CAD/ CAM冠は増加傾向であった。有床義歯はやや減少傾向、インプラント上部構造や矯正装置はあまり変化がなかった。補てつ物等の製作受託に関して歯科医療機関と契約書を取り交わしている歯科技工所は8.1%にすぎなかった(歯科医療機関への調査では15.2%)。職務内容に対する意識では、「社会の人々は、私の仕事を尊敬するに値する仕事だと思っている」の質問と「私は仕事をしていて着実な人生設計がたてられる」の質問において、否定的意見が多かった。
結論
 歯科技工所や歯科技工士のみならず歯科医療機関も対象として質問票調査を行った。これにより、歯科技工業の業務形態や就労環境等の現状を把握することができた。また、歯科技工所と歯科医療機関との契約についても調査したことにより、歯科技工業への歯科医療機関の関わりを考えるきっかけになるものと考える。さらに、歯科技工士の職務内容に対する意識を調査したことは目新しく、歯科技工業を支える歯科技工士の労働環境の改善につながるものと期待する。この報告書は初年度のものである。質問票の回収から報告書をまとめるまでの時間が限られており、結果は単純集計に限った。いくつか数値に異常値とみなされるものがあること、詳細な解析が必要なこと、などから、最終年度となる次年度では、データを十分精査してクロス集計や分析を実行し、必要に応じて追加調査も行い、それらの結果を総括したい。これらを通じて、歯科技工業のさらなる発展のための提言・マニュアルの作成を目指す予定である。

公開日・更新日

公開日
2018-08-16
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2018-10-11
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201721019Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
1,500,000円
(2)補助金確定額
1,500,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 28,727円
人件費・謝金 0円
旅費 456,990円
その他 814,283円
間接経費 200,000円
合計 1,500,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2018-08-16
更新日
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