歯科医師の養成及び評価に関する総合的研究

文献情報

文献番号
201721017A
報告書区分
総括
研究課題名
歯科医師の養成及び評価に関する総合的研究
課題番号
H28-医療-一般-019
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
一戸 達也(東京歯科大学 歯学部)
研究分担者(所属機関)
  • 西原 達次(九州歯科大学 歯学部)
  • 前田 健康(新潟大学 歯学部)
  • 藤井 規孝(新潟大学 歯学部)
  • 田上 順次(東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科)
  • 荒木 孝二(東京医科歯科大学大学院 統合教育機構)
  • 平田 創一郎(東京歯科大学 歯学部 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
1,154,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究の目的は、歯科医師臨床研修を取り巻く現況を分析し、生涯研修につながる質の高い歯科医師養成体制を考案して歯科医師臨床研修制度の見直しに反映させることである。このために、本研究では2つの項目について調査研究を実施した。
研究方法
1. 新たな歯科医師臨床研修の到達目標(改訂案)の作成とコース構成の見直し
平成28年度の本研究班分担研究報告書「歯科医師臨床研修の到達目標の見直しのための基礎調査」に挙げられた事項を概ね網羅する到達目標とし、本研究班として実施したヒアリング及びワークショップで修正を加えた。また、必修ユニットに加えて、選択ユニットを設置した。
2. 臨床研修指導歯科医の資格要件に関する考察
平成28年度の本研究班分担報告書「指導歯科医講習会で取り上げるテーマに関する基礎調査」に示した「新たな指導歯科医講習会におけるテーマの例示」について、どのような形で講習会を開催すれば指導歯科医が継続的に受講可能かについてヒアリングを行った。
結果と考察
1. 新たな歯科医師臨床研修の到達目標(改訂案)の作成とコース構成の見直し
 必修コースは6ユニットからなり、すべてのユニットが必修である。1 年目の研修期間の50%(6 月)以上75%(9 月)以下の期間研修を行うこととする。必修ユニットとして、(1)基本的診察・検査・診断・治療計画、(2)高頻度治療・応急処置、(3)患者管理、(4)地域医療・地域包括ケア、(5)医療管理、(6)リサーチマインド・問題対応能力の6項目を定めた。選択コースは8ユニットからなり、1 年目の研修期間の25%(3 月)以上50%(6 月)以下の期間研修を行うこととする。当該プログラムにおいて研修可能な「選択ユニット」を提示し、その中から研修医毎に「(8)特別研修」を除き3つ以上を選択することを求める。そして、「歯科医師臨床研修修了後の歯科医師像」として「日常的に高頻度に遭遇する歯科疾患に対する基本的臨床能力を身につけ、多様な患者背景に配慮した歯科保健医療を提供するとともに、生涯研修に真摯に努める。」と定めた。これらの結果、1年目の研修としての内容と生涯研修への連続性の両者を担保するような工夫ができたと考える。
2. 臨床研修指導歯科医の資格要件に関する考察
 指導歯科医の臨床研修指導のための研さんを担保するため、指導歯科医の資格要件として、2年に1回以上、「新たな指導歯科医講習会におけるテーマの例示」(表1)に示されたテーマの講演の受講を義務づけることを提案する。これらの講演が研修管理委員会の際に開催されれば、研修管理委員会への出席で指導歯科医の資格要件を更新することが可能となり、極めて現実的である。その他にも、日本歯科医師会や日本歯科医学会分科会、あるいは大学同窓会を主体とした生涯研修事業においてこのような講習会を実施されることで、継続的な生涯研修の中で重要な役割を果たすことが期待される。
結論
 平成28年度の本研究班の報告書「歯科医師臨床研修の到達目標の見直しのための基礎調査」を元に、『新たな歯科医師臨床研修制度の到達目標(改訂案)』と『新たなコース構成(必修コース・選択コース)(案)』(別添)を作成した。
 指導歯科医の臨床研修指導のための研さんを担保するため、指導歯科医の資格要件として、2年に1回以上、「新たな指導歯科医講習会におけるテーマの例示」示されたテーマの講演の受講を義務化する必要があると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2018-10-24
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2018-10-24
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201721017B
報告書区分
総合
研究課題名
歯科医師の養成及び評価に関する総合的研究
課題番号
H28-医療-一般-019
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
一戸 達也(東京歯科大学 歯学部)
研究分担者(所属機関)
  • 西原 達次(九州歯科大学 歯学部)
  • 前田 健康(新潟大学 歯学部)
  • 藤井 規孝(新潟大学 歯学部)
  • 田上 順次(東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科)
  • 荒木 孝二(東京医科歯科大学大学院 統合教育機構)
  • 平田 創一郎(東京歯科大学 歯学部 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究の目的は、歯科医師臨床研修を取り巻く現況を分析し、生涯研修につながる質の高い歯科医師養成体制を考案して歯科医師臨床研修制度の見直しに反映させることである。このために、平成28年度には歯科医師臨床研修プログラムや指導歯科医講習会の内容、および生涯研修プログラムを網羅的に検索して分析した。平成29年度には新たな歯科医師臨床研修の到達目標(改訂案)の作成とコース構成の見直し、および臨床研修指導歯科医の資格要件に関して調査研究を実施した。
研究方法
平成28年度
1. 歯科医師臨床研修の到達目標の見直しのための基礎調査
 歯科医師臨床研修の到達目標の見直しのための基礎調査として、平成28年度に実施されたすべての歯科医師臨床研修プログラムの到達目標について精査し、プログラム責任者に対してアンケート調査を実施した。
2. 指導歯科医講習会で取り上げるテーマに関する基礎調査
 指導歯科医講習会で取り上げるテーマに関する基礎調査として、平成28年度に開催された指導歯科医講習会の講演の内容について検討し、プログラム責任者講習会を加えた企画責任者に対してアンケート調査を実施した。
3. 生涯研修に関する実態調査
 平成27年度に開催された全国の生涯研修関連事業のうち、日本歯科医師会および本研究の研究代表者および研究分担者の所属機関の各大学同窓会が主体となって実施されたものに加えて、日本歯科医学会専門分科会および認定分科会が実施している生涯研修事業についても調査した。
平成29年度
1. 新たな歯科医師臨床研修の到達目標(改訂案)の作成とコース構成の見直し
 平成28年度の本研究班分担研究報告書「歯科医師臨床研修の到達目標の見直しのための基礎調査」に挙げられた事項を概ね網羅する到達目標とし、本研究班として実施したヒアリング及びワークショップで修正を加えた。また、必修ユニットに加えて、選択ユニットを設置した。
2. 臨床研修指導歯科医の資格要件に関する考察
 平成28年度の本研究班分担報告書「指導歯科医講習会で取り上げるテーマに関する基礎調査」に示した「新たな指導歯科医講習会におけるテーマの例示」について、どのような形で講習会を開催すれば指導歯科医が継続的に受講可能かについてヒアリングを行った。
結果と考察
平成28年度
1. 歯科医師臨床研修の到達目標の見直しのための基礎調査
 周術期、保険診療・診療録記載、全身管理、医療安全・感染予防、問題対応能力の各項目についてはほとんどが既に実施しているか、絶対に実施が必要との回答であった。一方、地域医療、介護保険はあまり実施されておらず、必要性も低い結果であった。半数以上の回答で選択必修コースや選択コースの必要性が指摘された。
2. 指導歯科医講習会で取り上げるテーマに関する基礎調査
 指導歯科医講習会で採用されたテーマは、『新たな歯科医師臨床研修制度』と『医療安全・感染予防』が大半であった。指導歯科医の資質・能力の向上と臨床研修施設における適切な指導体制の確保のために、新規の重要なテーマの定期的な受講による知識のリフレッシュの仕組みの検討する必要がある。
3. 生涯研修に関する実態調査
 各団体が講演、ビデオ、実習など様々な形式で生涯研修事業を実施しており、若手歯科医師を対象としたものも相当数実施されていることが明らかとなった。
平成29年度
1. 新たな歯科医師臨床研修の到達目標(改訂案)の作成とコース構成の見直し
 必修コースは6ユニットからなり、すべてのユニットが必修である。1 年目の研修期間の50%(6 月)以上75%(9 月)以下の期間研修を行うこととする。必修ユニットとして、(1)基本的診察・検査・診断・治療計画、(2)高頻度治療・応急処置、(3)患者管理、(4)地域医療・地域包括ケア、(5)医療管理、(6)リサーチマインド・問題対応能力の6項目を定めた。選択コースは8ユニットからなり、1 年目の研修期間の25%(3 月)以上50%(6 月)以下の期間研修を行うこととする。当該プログラムにおいて研修可能な「選択ユニット」を提示し、その中から研修医毎に「(8)特別研修」を除き3つ以上を選択することを求める。
2. 臨床研修指導歯科医の資格要件に関する考察
 指導歯科医の臨床研修指導のための研さんを担保するため、指導歯科医の資格要件として、2年に1回以上、「新たな指導歯科医講習会におけるテーマの例示」に示されたテーマの講演の受講を義務づけることを提案する。
結論
 1 年目の歯科医師として広く一般的に身につけておくべき到達目標について、卒前教育から生涯研修までの連続性を考慮しつつ必要な見直しを行い、それを踏まえた研修実施体制を再構築する必要がある。また、指導歯科医講習会で扱うテーマやタイムテーブルの見直しが必要である。

公開日・更新日

公開日
2018-10-24
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201721017C

収支報告書

文献番号
201721017Z