文献情報
文献番号
201721016A
報告書区分
総括
研究課題名
有効性と安全性を維持した在宅呼吸管理の対面診療間隔決定と機器使用のアドヒランスの向上を目指した遠隔モニタリングモデル構築を目指す検討
課題番号
H28-医療-一般-016
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
陳 和夫(京都大学 大学院医学研究科 呼吸管理睡眠制御学講座)
研究分担者(所属機関)
- 巽 浩一郎(千葉大学 大学院医学研究院 呼吸器内科学)
- 平井 豊博(京都大学 大学院医学研究科 呼吸器内科学)
- 半田 知宏(京都大学 大学院医学研究科 呼吸器内科学)
- 森田 智視(京都大学 大学院医学研究科 医学統計生物情報学)
- 大平 徹郎(国立病院機構西新潟中央病院 呼吸器センター内科)
- 坪井 知正(独立行政法人 国立病院機構南京都病院 呼吸器科)
- 近藤 康博(公立陶生病院 呼吸器・アレルギー疾患内科)
- 富井 啓介(神戸市立医療センター中央市民病院 呼吸器内科)
- 葛西 隆敏(順天堂大学医学部附属順天堂医院 循環器内科・順天堂大学 大学院医学研究科 心血管睡眠呼吸医学講座)
- 桂 秀樹(東京女子医科大学 八千代医療センター 呼吸器内科)
- 千葉 伸太郎(東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科学教室)
- 酒巻 哲夫(群馬大学 医療情報学)
- 黒田 知宏(京都大学 大学院医学研究科 医療情報学)
- 中山 健夫(京都大学 大学院医学研究科 健康情報学・疫学)
- 吉嶺 裕之(社会医療法 春回会井上病院 呼吸器内科)
- 小賀 徹(京都大学 大学院医学研究科 呼吸管理睡眠制御学講座・呼吸器内科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
7,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
平成28年度に引き続き、すでに受診間隔が緩和されているHOT、CPAP診療における現状の診療間隔も把握して、現状の診療間隔を決定している要因を探索する。さらに、医療の 質の向上等が図れるモデルも含めて遠隔医療を行うに当たっての適切な受診間隔をランダム化比較試験(RCT)の実証研究において決定する。遠隔医療開始時における、遠隔医療実施時の在宅呼吸遠隔モニタリング情報環境整備手引き(案)、遠隔モニタリングシステム導入の手引き(案)、遠隔持続陽圧呼吸管理導入の簡易版マニュアル(案)の作成を行う。さらに、平成30年度に行われる保険改定に向けて、呼吸器学会、睡眠学会、呼吸ケア・リハビリテーション及び心不全学会共同提案の「在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2に対する遠隔モニタリング加算」の基盤資料作成に寄与する事を研究目的とした。
研究方法
1)実証研究の実施継続と終了
平成28年度から実施している、医療の 質の向上等が図れるモデルも含めて遠隔医療を行うに当たっての適切な受診間隔をランダム化比較試験(RCT)の実証研究において決定する。
CPAPに関して「遠隔モニタリングシステムを用いたCPAP療法の対面診療間隔の検討」:CPAP療法施行中の睡眠時無呼吸症候群患者を対象に、介入群1(3月ごとの対面診療に遠隔モニタリングを併用)、介入群2(3月ごとの対面診療)、対照群(毎月の対面診療)の3群によるRCTを行う。1日4時間以上のCPAP使用率を主要評価項目とする非劣性試験であり、予定人数は各群150名、計450名、研究期間は6月間である。
2)アンケート調査
日本呼吸器学会認定施設・関連施設 885施設には、CPAP診療とHOT診療の両方のアンケートを、日本睡眠学会認定医療機関 99施設には、CPAP診療のアンケートのみを郵送した。これらを記入後、返送していただき、回収後、データ整理・解析した。
3)マニュアル作成
遠隔医療開始時における、遠隔医療実施時の在宅呼吸遠隔モニタリング情報環境整備手引き(案)、遠隔モニタリングシステム導入の手引き(案)、遠隔持続陽圧呼吸管理導入の簡易版マニュアル(案)の作成を行う。
平成28年度から実施している、医療の 質の向上等が図れるモデルも含めて遠隔医療を行うに当たっての適切な受診間隔をランダム化比較試験(RCT)の実証研究において決定する。
CPAPに関して「遠隔モニタリングシステムを用いたCPAP療法の対面診療間隔の検討」:CPAP療法施行中の睡眠時無呼吸症候群患者を対象に、介入群1(3月ごとの対面診療に遠隔モニタリングを併用)、介入群2(3月ごとの対面診療)、対照群(毎月の対面診療)の3群によるRCTを行う。1日4時間以上のCPAP使用率を主要評価項目とする非劣性試験であり、予定人数は各群150名、計450名、研究期間は6月間である。
2)アンケート調査
日本呼吸器学会認定施設・関連施設 885施設には、CPAP診療とHOT診療の両方のアンケートを、日本睡眠学会認定医療機関 99施設には、CPAP診療のアンケートのみを郵送した。これらを記入後、返送していただき、回収後、データ整理・解析した。
3)マニュアル作成
遠隔医療開始時における、遠隔医療実施時の在宅呼吸遠隔モニタリング情報環境整備手引き(案)、遠隔モニタリングシステム導入の手引き(案)、遠隔持続陽圧呼吸管理導入の簡易版マニュアル(案)の作成を行う。
結果と考察
1) 実証研究結果
2016年11月から2017年6月の期間において、上記施設にて対象患者のスクリーニングを行い、508名の患者より研究参加の同意を得た。2018年2月末において、参加患者全員の研究観察期間が終了した。報告書作成段階で各施設からのデータ集積中であり、報告書作成段階で最新の結果を以下に報告する。介入群1(以下Group1),介入群2(以下Group2),対照群(以下Group3)にそれぞれ168名,170名,170名が割り付けられた。半年間の観察期間を完遂しPer Protocol解析の対象となったのは、Group1,2および3でそれぞれ、152,162,149例であった。Group1,2および3それぞれ77例・83例・78例にての結果では、介入前・介入後それぞれの段階で3群間でのCPAPアドヒアランスに有意な差は認めなかった。観察期間中の診療に対する満足度および理想的な対面診療間隔に関するアンケートでは、遠隔を入れた3か月受診が患者には最も好評であった。
2)アンケート調査結果
日本呼吸器学会認定施設・関連施設2017年308施設(885施設中、回収率34.8%)、日本睡眠学会認定医療機関 2017年65施設(99施設中、回収率65.7%)からアンケート回収があった。CPAP・HOTの本年度の毎月受診は65.4%と88.1%であり、まだ高率に毎月受診が継続されていることが伺えた。
3) マニュアル作成
遠隔医療開始時における、遠隔医療実施時の在宅呼吸遠隔モニタリング情報環境整備手引き(案)、遠隔モニタリングシステム導入の手引き(案)、遠隔持続陽圧呼吸管理導入の簡易版マニュアル(案)の作成が行われた。
1-3)の結果により本邦において在宅呼吸管理遠隔医療がスムーズに行うことが出来る基盤が整ったと考えられた。
2016年11月から2017年6月の期間において、上記施設にて対象患者のスクリーニングを行い、508名の患者より研究参加の同意を得た。2018年2月末において、参加患者全員の研究観察期間が終了した。報告書作成段階で各施設からのデータ集積中であり、報告書作成段階で最新の結果を以下に報告する。介入群1(以下Group1),介入群2(以下Group2),対照群(以下Group3)にそれぞれ168名,170名,170名が割り付けられた。半年間の観察期間を完遂しPer Protocol解析の対象となったのは、Group1,2および3でそれぞれ、152,162,149例であった。Group1,2および3それぞれ77例・83例・78例にての結果では、介入前・介入後それぞれの段階で3群間でのCPAPアドヒアランスに有意な差は認めなかった。観察期間中の診療に対する満足度および理想的な対面診療間隔に関するアンケートでは、遠隔を入れた3か月受診が患者には最も好評であった。
2)アンケート調査結果
日本呼吸器学会認定施設・関連施設2017年308施設(885施設中、回収率34.8%)、日本睡眠学会認定医療機関 2017年65施設(99施設中、回収率65.7%)からアンケート回収があった。CPAP・HOTの本年度の毎月受診は65.4%と88.1%であり、まだ高率に毎月受診が継続されていることが伺えた。
3) マニュアル作成
遠隔医療開始時における、遠隔医療実施時の在宅呼吸遠隔モニタリング情報環境整備手引き(案)、遠隔モニタリングシステム導入の手引き(案)、遠隔持続陽圧呼吸管理導入の簡易版マニュアル(案)の作成が行われた。
1-3)の結果により本邦において在宅呼吸管理遠隔医療がスムーズに行うことが出来る基盤が整ったと考えられた。
結論
CPAPの実証研究の中間結果および全国の日本呼吸器学会認定施設・関連施設、日本睡眠学会認定医療機関 アンケート調査の結果から、遠隔モニタリングの資料を用いての遠隔医療は少なくともCPAPにおいては可能と考えられ、本研究班の元で作成された在宅呼吸遠隔モニタリング情報環境整備手引き(案)、遠隔モニタリングシステム導入の手引き(案)、遠隔持続陽圧呼吸管理導入の簡易版マニュアル(案)の有効利用が期待された。
公開日・更新日
公開日
2021-11-16
更新日
-