文献情報
文献番号
201712007A
報告書区分
総括
研究課題名
慢性腎臓病CKDの診療体制構築と普及・啓発による医療の向上
課題番号
H29-免疫-指定-005
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
柏原 直樹(学校法人川崎学園 川崎医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 岡田 浩一(埼玉医科大学 医学部)
- 守山 敏樹(大阪大学 キャンパスライフ健康支援センター)
- 南学 正臣(東京大学 大学院医学系研究科)
- 山縣 邦弘(筑波大学 医学医療系)
- 丸山 彰一(名古屋大学 大学院医学系研究科)
- 要 伸也(杏林大学 医学部)
- 伊藤 孝史(島根大学 医学部附属病院)
- 今田 恒夫(山形大学 医学部)
- 旭 浩一(福島県立医科大学 医学部)
- 安田 宜成(名古屋大学 大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(免疫アレルギー疾患等政策研究 免疫アレルギー疾患政策研究分野)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
4,546,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
平成29年より開始される厚生労働省「腎疾患対策検討会」での協議及び報告書作成に資するべく、腎疾患深診療の現況のとりまとめを実施した。CKD対策における、①普及啓発、②地域における医療提供体制の整備、③診療水準の向上、④人材育成、⑤研究開発の推進の5本柱について、過去10年間の取り組み評価、課題抽出を行った。抽出課題に基づき、検討会において今後の取り組みについての方向性が示される予定である。
研究方法
腎疾患の現状を評価し、以下が明らかとなった。
①年齢調整後の透析導入患者数は減少している。②CKD患者においては、循環器系疾患の発症リスクは非常に高く、より多くの死亡に関連している。③糖尿病性腎症対策のみならず、生活習慣病対策や難病対策との連携が必要である。
普及啓発については厚生労働省「慢性腎臓病特別推進事業」として、あるいは慢性腎臓対策協議会が主催するCKDの普及啓発事業が、開催されており、開催都道府県の数は次第に増加している。
医療提供体制に関しては、①かかりつけ医と専門医等への紹介基準、および、健診からかかりつけ医への受診勧奨基準の普及が必要である。②各地において紹介先の周知が必要である。③専門医療機関が不足しているなど、地域の実情に応じた対策が必要である。④好事例を定式化し、経験を共有する必要がある。⑤行政とのさらなる連携が必要である。⑥上記を可能にするために、各地に「司令塔」となるキーパースンを配置する必要がある。
人材育成に関する課題として、①腎臓専門医の不足と偏在・地域格差が存在する。②腎臓専門医以外の専門医やかかりつけ医と、腎臓専門医との連携が必要である。③管理栄養士などメディカルスタッフとの連携も重要である。
研究開発の推進の課題では、①腎領域には複数のデータベースが存在するが、相互の連携、および、他領域との連携がまだ不十分である。②臨床試験のための基盤整備のため、適切なエンドポイントの検討などに取り掛かったが、今後、国際共同試験を含め、更に整備していくべき点が多い。
③一部の腎臓病では治療が開発された。病態解明に基づく新規治療薬の開発が進んでいない。また、病態解明のために行われた基礎研究の知見が、治療薬開発のために実装されていない。事が判明した。今後上記の課題を解決するための方策立案が必要となる。
①年齢調整後の透析導入患者数は減少している。②CKD患者においては、循環器系疾患の発症リスクは非常に高く、より多くの死亡に関連している。③糖尿病性腎症対策のみならず、生活習慣病対策や難病対策との連携が必要である。
普及啓発については厚生労働省「慢性腎臓病特別推進事業」として、あるいは慢性腎臓対策協議会が主催するCKDの普及啓発事業が、開催されており、開催都道府県の数は次第に増加している。
医療提供体制に関しては、①かかりつけ医と専門医等への紹介基準、および、健診からかかりつけ医への受診勧奨基準の普及が必要である。②各地において紹介先の周知が必要である。③専門医療機関が不足しているなど、地域の実情に応じた対策が必要である。④好事例を定式化し、経験を共有する必要がある。⑤行政とのさらなる連携が必要である。⑥上記を可能にするために、各地に「司令塔」となるキーパースンを配置する必要がある。
人材育成に関する課題として、①腎臓専門医の不足と偏在・地域格差が存在する。②腎臓専門医以外の専門医やかかりつけ医と、腎臓専門医との連携が必要である。③管理栄養士などメディカルスタッフとの連携も重要である。
研究開発の推進の課題では、①腎領域には複数のデータベースが存在するが、相互の連携、および、他領域との連携がまだ不十分である。②臨床試験のための基盤整備のため、適切なエンドポイントの検討などに取り掛かったが、今後、国際共同試験を含め、更に整備していくべき点が多い。
③一部の腎臓病では治療が開発された。病態解明に基づく新規治療薬の開発が進んでいない。また、病態解明のために行われた基礎研究の知見が、治療薬開発のために実装されていない。事が判明した。今後上記の課題を解決するための方策立案が必要となる。
結果と考察
今後上記の課題を解決するための方策立案が必要となる。研究成果は、平成29年度から開始された厚生労働省「腎疾患検討会」に資料として提供された。分担研究者の守山、岡田は参考人として同検討会で研究成果を発表した。南学と柏原は構成員として同検討会に参加している。
結論
CKD対策の一層の推進、各地における普及啓発、診療連携体制の構築、人材育成、及びこれらを進捗管理する、各地及び全国レベルの司令塔となる組織の構築が喫緊の課題である。
公開日・更新日
公開日
2018-11-20
更新日
-