文献情報
文献番号
201712005A
報告書区分
総括
研究課題名
アレルギー疾患対策に必要とされる大規模疫学調査に関する研究
課題番号
H29-免疫-指定-003
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
赤澤 晃(東京都立小児総合医療センター アレルギー科)
研究分担者(所属機関)
- 小田嶋 博(国立病院機構 福岡病院)
- 斎藤 博久(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター研究所)
- 足立 雄一(富山大学医学部大学院医学薬学研究部)
- 海老澤 元宏(国立病院機構 相模原病院臨床研究センターアレルギー疾患研究部)
- 大矢 幸弘(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター生体防御系内科部アレルギー科)
- 秀 道広(広島大学大学院医歯薬保健学研究科小児科)
- 岡田 千春(国立病院機構本部医療部 准教授)
- 今野 哲(北海道大学大学院医学研究院臨床研究センター)
- 福冨 友馬(国立病院機構 相模原病院臨床研究センターアレルギー疾患研究部)
- 大久保 公裕(日本医科大学大学院医学研究科)
- 吉田 幸一(東京都立小児総合医療センターアレルギー科)
- 谷口 正実(国立病院機構 相模原病院臨床研究センター)
- 下条 直樹(千葉大学大学院医学研究院)
- 佐々木 真利(東京都立小児総合医療センターアレルギー科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(免疫アレルギー疾患等政策研究 免疫アレルギー疾患政策研究分野)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
12,856,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
アレルギー疾患対策基本法が施行され、アレルギー疾患対策の総合的な推進のため、医療政策や研究全般の疫学的基礎データの確立が急務である。本調査では、有病率、重症度、治療状況、QoL、症状コントロール状況、アドヒアランス、医療費等を定期的・継続的に調査・解析し、科学的データに基づいた諸施策の策定に貢献する。
本研究班では、これまでの国内での気管支喘息、アレルギー性鼻炎結膜炎、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、その他アレルギー疾患の疫学調査データを収集・解析することでアレルギー疾患の医療政策に活用するととともに、ガイドラインの治療によりどれだけ症状が改善していくのかを疾患コホート調査により検証する。
本研究班では、これまでの国内での気管支喘息、アレルギー性鼻炎結膜炎、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、その他アレルギー疾患の疫学調査データを収集・解析することでアレルギー疾患の医療政策に活用するととともに、ガイドラインの治療によりどれだけ症状が改善していくのかを疾患コホート調査により検証する。
研究方法
定期的な横断的調査
小児喘息、小児アトピー性皮膚炎、小児アレルギー性鼻結膜炎、小児食物アレルギーに関しては、小児アレルギー全国ISAAC調査は、2005、2008、2012,2015年に実施しているので、今後は、2020年で実施を予定し、準備を開始する。
成人喘息は、2006年(訪問調査)、2011年(web調査)、2017年(web調査)に実施しているので今後は、5年間隔で実施予定。成人アトピー性皮膚炎は、2002年(健診)、2010年(web調査)を実施しているので2017年で実施、その後5年間隔で予定する。食物アレルギーweb調査は、2011年-2012年に実施している。調査方法の検討を行い、2018年での実施を予定する。
小児喘息、小児アトピー性皮膚炎、小児アレルギー性鼻結膜炎、小児食物アレルギーに関しては、小児アレルギー全国ISAAC調査は、2005、2008、2012,2015年に実施しているので、今後は、2020年で実施を予定し、準備を開始する。
成人喘息は、2006年(訪問調査)、2011年(web調査)、2017年(web調査)に実施しているので今後は、5年間隔で実施予定。成人アトピー性皮膚炎は、2002年(健診)、2010年(web調査)を実施しているので2017年で実施、その後5年間隔で予定する。食物アレルギーweb調査は、2011年-2012年に実施している。調査方法の検討を行い、2018年での実施を予定する。
結果と考察
小児喘息・アレルギー性鼻炎
2015年に実施した、全国小中学生ISAAC調査結果の分析を実施した。新たに、都道府県別の各疾患期間有症率を算出し、見やすい地図データとして作成した。各疾患で地域差があり、喘鳴は小学生は、西日本で高い傾向、アレルギー性鼻炎は、太平洋側の内陸部で高く、湿疹は、中学生で西日本が低い傾向にあった。
アトピー性皮膚炎
Web調査により、調査を実施した。今回は、診断精度を高めるため、質問項目の追加と写真による重症度評価を行った。結果、「あなたはアトピー性皮膚炎になったことがありますか」という質問によるアトピー性皮膚炎有病率は12%であり、平成24年度の8.4%、平成26年度の12.3%と比較し、大きな変化はなかった。POEMによる重症度の分布は、平成22年の結果と大きな変化はなかったが、皮疹の写真と罹患面積に基づく自己申告による重症度とは必ずしも一致しない症例もあった。
2015年に実施した、全国小中学生ISAAC調査結果の分析を実施した。新たに、都道府県別の各疾患期間有症率を算出し、見やすい地図データとして作成した。各疾患で地域差があり、喘鳴は小学生は、西日本で高い傾向、アレルギー性鼻炎は、太平洋側の内陸部で高く、湿疹は、中学生で西日本が低い傾向にあった。
アトピー性皮膚炎
Web調査により、調査を実施した。今回は、診断精度を高めるため、質問項目の追加と写真による重症度評価を行った。結果、「あなたはアトピー性皮膚炎になったことがありますか」という質問によるアトピー性皮膚炎有病率は12%であり、平成24年度の8.4%、平成26年度の12.3%と比較し、大きな変化はなかった。POEMによる重症度の分布は、平成22年の結果と大きな変化はなかったが、皮疹の写真と罹患面積に基づく自己申告による重症度とは必ずしも一致しない症例もあった。
結論
患者数、治療内容、その予後等、アレルギー疾患の動向を見ていくことは、アレルギー疾患対策基本法の施行においても、大切なデータであることを認識していく必要がある。
公開日・更新日
公開日
2018-11-27
更新日
-