文献情報
文献番号
201711101A
報告書区分
総括
研究課題名
ベーチェット病に関する調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H29-難治等(難)-一般-050
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
水木 信久(横浜市立大学 大学院医学研究科 視覚器病態学)
研究分担者(所属機関)
- 石ヶ坪良明(横浜市立大学 大学院医学研究科 幹細胞免疫制御内科学)
- 広畑俊成(北里大学医学部 膠原病・感染内科学)
- 中村晃一郎(埼玉医科大学 皮膚科)
- 後藤浩(東京医科大学 眼科学)
- 久松理一(杏林大学医学部 第3内科学 消化器内科学)
- 岳野光洋(日本医科大学 アレルギー膠原病内科学)
- 井上詠(慶應義塾大学病院 予防医療センター)
- 黒沢美智子(順天堂大学医学部 衛生学)
- 蕪城俊克(東京大学大学院医学系研究科 眼科学)
- 菊地弘敏(帝京大学医学部 内科学講座)
- 田中良哉(産業医科大学医学部 第一内科学講座)
- 南場研一(北海道大学大学院医学研究科 眼科学分野)
- 桐野洋平(横浜市立大学大学院医学研究科 幹細胞免疫制御内科学)
- 山口賢一(聖路加国際病院 リウマチ膠原病センター)
- 河越龍方(横浜市立大学大学院医学研究科 視覚器病態学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
6,533,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究ではベーチェット病(BD)の体系的な疾患概念の確立、疫学統計、また臨床症状、治療法やその効果などに及ぶ臨床実態調査を行い、それに基づいた診断基準、重症度分類、およびMindsの診療ガイドラインに準拠した、国内での診療レベルの向上に寄与する「診療ガイドライン」の作成を主な目的としている。
研究方法
体系としては、眼病変ワーキンググループと内科病変ワーキンググループに分かれて、ガイドラインの準備作成を進めてきた。内科病変のワーキンググループには、昨年度までの、特殊型(腸管、血管、神経)病変、皮膚粘膜病変に加え、H28年度より、小児ベーチェット病の専門医にも参加して頂いた。ほかに、これまで大きく取り扱われなかった副睾丸病変および関節病変についてもH29年より班内でWGを新たに設け、ガイドラインに収載するよう進めている。
内容は、Minds診療ガイドラインに準拠し、診療上重要度の高い医療行為について、エビデンスに基づく医療を、患者と医療者の意思決定を支援するために最適と考える推奨を提示するガイドラインの作成を目指す。BDの場合は、十分な臨床データの蓄積、エビデンスが得られていないのが現状であるため、本ガイドラインではシステマティックレビューは行わないこととした。各項目についてClinical Question(CQ)形式で作成し、一般臨床医が現場ですぐに理解し実践できる実用性の高いガイドラインの完成と、その後の普及を目指している。
最終的には関連学会の承認を得て、学会と本研究班の共著として出版し、海外の臨床研究者とも連携をとり国際的にも協調性のあるガイドラインにする。そして、本ガイドラインによりすべてのBD患者が適切な診断、治療が受けられるようなグローバルスタンダードになるよう目指していく。
また、班としてベーチェット病を専門的に診られる医師の存在する拠点病院の整備および情報発信をしていき、全国のベーチェット病患者が、どの医療施設を受診しても同レベルの診療が受けられる標準化医療も目指している。
ほかに、広く開かれた、情報の発表および共有の場、臨床だけでなく基礎研究成果の発表の場としての学会の整備を進めている。
内容は、Minds診療ガイドラインに準拠し、診療上重要度の高い医療行為について、エビデンスに基づく医療を、患者と医療者の意思決定を支援するために最適と考える推奨を提示するガイドラインの作成を目指す。BDの場合は、十分な臨床データの蓄積、エビデンスが得られていないのが現状であるため、本ガイドラインではシステマティックレビューは行わないこととした。各項目についてClinical Question(CQ)形式で作成し、一般臨床医が現場ですぐに理解し実践できる実用性の高いガイドラインの完成と、その後の普及を目指している。
最終的には関連学会の承認を得て、学会と本研究班の共著として出版し、海外の臨床研究者とも連携をとり国際的にも協調性のあるガイドラインにする。そして、本ガイドラインによりすべてのBD患者が適切な診断、治療が受けられるようなグローバルスタンダードになるよう目指していく。
また、班としてベーチェット病を専門的に診られる医師の存在する拠点病院の整備および情報発信をしていき、全国のベーチェット病患者が、どの医療施設を受診しても同レベルの診療が受けられる標準化医療も目指している。
ほかに、広く開かれた、情報の発表および共有の場、臨床だけでなく基礎研究成果の発表の場としての学会の整備を進めている。
結果と考察
疫学調査では、データベースを用いて、性、発症年齢、主症状、副症状、針反応、HLA-B51の有無について類型化をすることができた。今後は他の因子(HLA-A26の有無、治療薬の違いなど)を加味して解析を行っていく。
今後、希少・難治性疾患患者データベースの新しい患者登録システムがH29年度に入力されH30年度に利用可能とのことなので、準備が整い次第、BD班で作成した「新規臨床調査個人票」を基に全例調査を行い、詳細なBDデータベースの構築を始める。
また、データのレジストリに関して班内で検討し、個人情報に関する問題、および各研究施設における倫理規定の問題が提起され議論になった。今後法整備が進み次第、班として速やかに登録していく予定である。
ガイドライン作成について各ワーキンググループで作成した。推奨度まで決定したグループあるいはまだできていないグループとワーキンググループ間で進捗に違いがあるが、次年度上半期には推奨度について決定し、全体で整合性が取れるよう班全体で検討していく。
診療医や患者への情報公開については、ホームページ上で随時更新した。また患者会での講演や学会開催により、自由に開かれた情報公開および議論の場を設けることができた。日本ベーチェット病学会を組織して、2017年12月1日に第1回日本ベーチェット病学会総会を、第8回日韓ベーチェット病合同会議と共催という形で開催した。臨床研究のみならず基礎研究者にも参加してもらい、発表意見交換をした。日韓ベーチェット病合同会議においては国際基準との整合性がとれるよう調整を行った。
今後、希少・難治性疾患患者データベースの新しい患者登録システムがH29年度に入力されH30年度に利用可能とのことなので、準備が整い次第、BD班で作成した「新規臨床調査個人票」を基に全例調査を行い、詳細なBDデータベースの構築を始める。
また、データのレジストリに関して班内で検討し、個人情報に関する問題、および各研究施設における倫理規定の問題が提起され議論になった。今後法整備が進み次第、班として速やかに登録していく予定である。
ガイドライン作成について各ワーキンググループで作成した。推奨度まで決定したグループあるいはまだできていないグループとワーキンググループ間で進捗に違いがあるが、次年度上半期には推奨度について決定し、全体で整合性が取れるよう班全体で検討していく。
診療医や患者への情報公開については、ホームページ上で随時更新した。また患者会での講演や学会開催により、自由に開かれた情報公開および議論の場を設けることができた。日本ベーチェット病学会を組織して、2017年12月1日に第1回日本ベーチェット病学会総会を、第8回日韓ベーチェット病合同会議と共催という形で開催した。臨床研究のみならず基礎研究者にも参加してもらい、発表意見交換をした。日韓ベーチェット病合同会議においては国際基準との整合性がとれるよう調整を行った。
結論
本研究班の主要な目的である診療ガイドライン作成に関しては、CQの作成から推奨文や解説文の作成、またその推奨度や同意度の決定について、各ワーキンググループ分科会やメール会議などで、十分な議論を行った。研究班の全体会議では、その結果の最終討議をするとともに、ガイドライン作成に関する方向性や指針について確認し、全体の整合性を統合した。H30年度にはパブリックコメントを求めて改定を行い、各関連学会にもその内容について承認を受けていく。その後正式に公開する。
公開日・更新日
公開日
2018-06-05
更新日
-