皮膚の遺伝関連性希少難治性疾患群の網羅的研究

文献情報

文献番号
201711100A
報告書区分
総括
研究課題名
皮膚の遺伝関連性希少難治性疾患群の網羅的研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-049
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
橋本 隆(大阪市立大学大学院医学研究科 皮膚病態学)
研究分担者(所属機関)
  • 金澤 伸雄(和歌山県立医科大学・医学部 皮膚科)
  • 森脇 真一(大阪医科大学・皮膚科学)
  • 米田 耕造(大阪大谷大学・薬学部 臨床薬理学講座)
  • 古村 南夫(福岡歯科大学・口腔歯学部)
  • 大畑 千佳(久留米大学・医学部 皮膚科学講座)
  • 照井 正(日本大学・医学部 皮膚科学系皮膚科学分野)
  • 鶴田 大輔(大阪市立大学・大学院医学研究科 皮膚病態学)
  • 川上 民裕(聖マリアンナ医科大学・皮膚科)
  • 下村 裕(山口大学・大学院医学系研究科 皮膚科学分野)
  • 中野 創(弘前大学・医学部 皮膚科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
12,126,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の第一の目的は、研究代表者の橋本隆の総括のもと、10名の研究分担者により、皮膚の遺伝関連性希少難治性疾患群、10群、18疾患に関して、それぞれの疾患の最終的な診断基準・重症度分類を作成することである。第二の目的は、全国の施設へのアンケート等による疫学調査およびその解析を継続することである。第三の目的は、各疾患に関するレジストリとレポジトリの作成である。第四の目的は、各疾患について、診療ガイドラインを策定し、その診療ガイドラインを和文・英文論文として発表しホームページで公開することである。さらにそれ以外の目的として、研究対象の遺伝性皮膚疾患の遺伝子診断を行い、さらに診断技術の向上と病態解明の手掛かりとする。そして本研究班で行われたいろいろな臨床研究の成果を多数の和文および英文論文として発表して、国内外に発信する。さらに市民公開講座などの開催および患者会への支援などにより、一般市民・医療関係者への社会啓発も進める。
 研究対象疾患群は、自己炎症性皮膚疾患群、6疾患、コケイン症候群、掌蹠角化症・掌蹠角化症症候群、家族性良性慢性天疱瘡(ヘイリーヘイリー病)・ダリエ病、自己免疫性水疱症の一つとしてジューリング疱疹状皮膚炎、家族性化膿性汗腺炎、ゴーリン症候群・カウデン症候群、スタージ・ウェーバー症候群、遺伝性毛髪疾患群および疣贅状表皮発育異常症の18疾患である。これらの疾患は、その病態は不明であり、疫学研究も不十分であり、治療法も確立していない。そのため、これらの皮膚難病の臨床研究を進めることは厚生労働行政に貢献できる。
研究方法
本年度は、本研究班が対象としている疾患の診断基準・重症度分類に関して作業を進めた。また、本研究班が対象とする多くの疾患について疫学調査、特に両親のQOLの調査を施行した。また、レジストリとレポジトリの検討を開始した。さらに、それぞれの疾患の状況に応じて、診療ガイドラインの作成を進めた。さらに、本研究班の研究成果および関連疾患の研究成果について、多くの学会報告、和文・英文論文として発表した。この間、多くの疾患について、その疾患と関連する研究班および関連学会と連携して研究を進めた。また、さまざまな社会への啓発活動も行った。また、本研究班の研究成果の検討のための班会議を2回行った。
結果と考察
結果:本年度は、本研究班が対象としている疾患について診断基準・重症度分類についての作業を進めた。新たに対象疾患に追加した掌蹠角化症症候群および疣贅状表皮増殖異常症については新規に診断基準・重症度分類の試案の作成を開始した。疫学研究に関しては、家族性良性慢性天疱瘡については、その重症化因子を検討し、コケイン症候群については、新たに患者および患者の家族のQOLの調査を行った。いくつかの疾患について、レジストリとレポジトリの作成ないし作成法の検討を開始した。診療ガイドライン作成に関しては、自己炎症性皮膚疾患、コケイン症候群、スタージ・ウェーバー症候群について、診療ガイドライン作成を完了ないし作業中の状態である。本研究班の研究成果の検討のための班会議を2回行った。社会への啓発としては、コケイン症候群については、コケイン症候群家族会を中心として啓発活動を継続し、家族性良性慢性天疱瘡については、患者あるいは医療施設からの質問に適宜、返答した。
 考察:本研究で進めた指定難病における最終の診断基準・重症度分類を厚生労働行政のために使用する。患者の疫学研究の結果は、それぞれの疾患の病態研究と治療法開発に使用するとともに、今後の厚生労働行政のために活用する。レジストリとレポジトリの作成とその情報は、今後、それぞれの疾患について、さまざまな厚生労働行政の施行に使用する。また、これらのレジストリとレポジトリの情報はデータシェアリングとして、希望する研究者に提供し、将来のさまざまな研究につなげる。
結論
診断基準・重症度分類の作成・改定については、それぞれの疾患について、必要な作業を多なうことができた。アンケート等による疫学調査およびその解析を継続および患者の家族のQOLの調査を施行できた。各疾患に関するレジストリとレポジトリの作成については、一部の疾患で作成と充実を行った。今後、さらに疾患を増やし、その内容も充実する予定である。診療ガイドラインを策定も、複数の疾患で施行し、その一部は、最終の診療ガイドラインを作成した。また、いろいろなタイプの遺伝子診断を行った。そして本研究班で行われたいろいろな臨床研究の成果を多数の和文および英文論文として発表し、国内外に発信した。さらに、患者会への支援など、一般市民・医療関係者への社会啓発も進めた。

公開日・更新日

公開日
2018-05-30
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2018-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201711100Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
15,763,000円
(2)補助金確定額
15,536,000円
差引額 [(1)-(2)]
227,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,809,976円
人件費・謝金 5,734,633円
旅費 1,684,140円
その他 1,670,486円
間接経費 3,637,000円
合計 15,536,235円

備考

備考
227,000円 返還

公開日・更新日

公開日
2019-03-25
更新日
-