文献情報
文献番号
201711090A
報告書区分
総括
研究課題名
小児腎領域の希少・難治性疾患群の診療・研究体制の確立
課題番号
H29-難治等(難)-一般-039
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
石倉 健司(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 器官病態系内科部 腎臓・リウマチ・膠原病科)
研究分担者(所属機関)
- 上村 治(日本赤十字豊田看護大学 専門基礎)
- 服部 元史(東京女子医科大学 医学部東京女子医科大学 医学部)
- 中西 浩一(琉球大学 大学院医学研究科)
- 丸山 彰一(名古屋大学 大学院医学系研究科)
- 濱崎 祐子(東邦大学医学部医学科 腎臓学講座)
- 伊藤 秀一(横浜市立大学 大学院医学研究科 発生成育小児医療学 )
- 森貞 直哉(神戸大学 大学院医学研究科)
- 野津 寛大(神戸大学大学院 大学院医学研究科)
- 張田 豊(東京大学 医学部附属病院)
- 濱田 陸(東京都立小児総合医療センター 腎臓内科)
- 金子 徹治(東京都立小児総合医療センター 臨床試験科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
16,527,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は,小児期に発症する腎領域の指定難病と小児慢性特定疾患を主たる対象として日本小児腎臓病学
会,小児科学会等と連携し,1.全国疫学調査に基づいた診療実態把握,2.エビデンスに基づいた診療ガイ
ドライン等の確立と改定,3.診断基準・重症度分類・診療ガイドライン等のとりまとめと普及を行い,対象疾患
の診療水準の向上と対象疾病の疫学情報,治療情報や研究成果を非専門医,患者及び国民に広く普及・周
知に資する活動を行うことを目的とする.
会,小児科学会等と連携し,1.全国疫学調査に基づいた診療実態把握,2.エビデンスに基づいた診療ガイ
ドライン等の確立と改定,3.診断基準・重症度分類・診療ガイドライン等のとりまとめと普及を行い,対象疾患
の診療水準の向上と対象疾病の疫学情報,治療情報や研究成果を非専門医,患者及び国民に広く普及・周
知に資する活動を行うことを目的とする.
研究方法
1.先天性腎尿路異常 2.先天性ネフローゼ症候群 3.バーター/ギッテルマン症候群 4.エプスタイン症
候群5.アルポート症候群 6.鰓弓耳腎症候群 7.ギャロウェイ-モワト症候群 8.ネイルパテラ症候群 9.特
発性ネフローゼ症候群 10.ネフロン癆 11.ロウ症候群 これらに対して,治療実態,研究開発状況の情報
収集,診療ガイドライン・手引書の作成・妥当性評価,患者・家族向け診療パンフレット等の作成と情報提供用
ウェブサイトの構築,研究協力者,診療医への普及・啓発活動,全国診療体制の確立等を行う.
疫学調査研究として,小児腎領域の難病のうち対象11 疾患について全国施設調査,および,平成22 年度に
厚生労働科学研究費補助金難治克服研究事業で確立し,その後継続してきた小児慢性腎臓病コホートの追
跡予後調査を行う.
候群5.アルポート症候群 6.鰓弓耳腎症候群 7.ギャロウェイ-モワト症候群 8.ネイルパテラ症候群 9.特
発性ネフローゼ症候群 10.ネフロン癆 11.ロウ症候群 これらに対して,治療実態,研究開発状況の情報
収集,診療ガイドライン・手引書の作成・妥当性評価,患者・家族向け診療パンフレット等の作成と情報提供用
ウェブサイトの構築,研究協力者,診療医への普及・啓発活動,全国診療体制の確立等を行う.
疫学調査研究として,小児腎領域の難病のうち対象11 疾患について全国施設調査,および,平成22 年度に
厚生労働科学研究費補助金難治克服研究事業で確立し,その後継続してきた小児慢性腎臓病コホートの追
跡予後調査を行う.
結果と考察
小児腎領域の難病のうち,対象11 疾患に関して,全国377 の医療施設に対してこれら小児腎領域の難病に
対する診療の有無と方針に関して調査を行った.全国疫学調査としては回答率が良好であり,74.6%であっ
た.各疾患の診療実態と症例数を都道府県別に捕捉することができた.
小児慢性腎臓病患者のコホートの追跡予後調査に関して,本年度の回答率は92.8%であった.観察開始から
7 年間の長期予後を明らかにすることができた.
全11 疾患に関する研究成果を患者,医療者双方に対して情報提供する目的で,小児腎領域の難病を対象と
するウェブサイトを構築した.CAKUT,ネフロン癆の2 疾患に関して疾患別の情報提供ページを試験的に作
成した.
各病院から承諾を得た上で難病拠点病院との連携を構築していく予定である.また,症例数が多くエビデンス
も比較的多く確立している疾患であるアルポート症候群や先天性腎尿路異常(CAKUT)に関しては,本研究
あるいはこれまでの本事業の研究で診療ガイドラインが整備されてきた.さらに普及・啓発,患者向けパンフレ
ット,Web による情報公開に務めていく.実際CAKUT に関しては,試験的にWeb を作成した.一方特に希
少でエビデンスの確立していないその他の疾患に関しては,エビデンスに基づいたガイドラインの作成は困難
な中で,より実地医療に基づいた診療ガイドや患者向けのパンフレットの作成,Web の作成をすすめていく.
2010 年から行われている小児慢性腎臓病コホート研究は,開始7 年後の情報を収集し,解析を行った.また
主要な合併症である腎性貧血に関しても,その実態を明らかにした.今後特に末期腎不全進行のリスク因子
に関して明らかにするとともに,成人への移行を見据えて追跡調査を続けていく.
対する診療の有無と方針に関して調査を行った.全国疫学調査としては回答率が良好であり,74.6%であっ
た.各疾患の診療実態と症例数を都道府県別に捕捉することができた.
小児慢性腎臓病患者のコホートの追跡予後調査に関して,本年度の回答率は92.8%であった.観察開始から
7 年間の長期予後を明らかにすることができた.
全11 疾患に関する研究成果を患者,医療者双方に対して情報提供する目的で,小児腎領域の難病を対象と
するウェブサイトを構築した.CAKUT,ネフロン癆の2 疾患に関して疾患別の情報提供ページを試験的に作
成した.
各病院から承諾を得た上で難病拠点病院との連携を構築していく予定である.また,症例数が多くエビデンス
も比較的多く確立している疾患であるアルポート症候群や先天性腎尿路異常(CAKUT)に関しては,本研究
あるいはこれまでの本事業の研究で診療ガイドラインが整備されてきた.さらに普及・啓発,患者向けパンフレ
ット,Web による情報公開に務めていく.実際CAKUT に関しては,試験的にWeb を作成した.一方特に希
少でエビデンスの確立していないその他の疾患に関しては,エビデンスに基づいたガイドラインの作成は困難
な中で,より実地医療に基づいた診療ガイドや患者向けのパンフレットの作成,Web の作成をすすめていく.
2010 年から行われている小児慢性腎臓病コホート研究は,開始7 年後の情報を収集し,解析を行った.また
主要な合併症である腎性貧血に関しても,その実態を明らかにした.今後特に末期腎不全進行のリスク因子
に関して明らかにするとともに,成人への移行を見据えて追跡調査を続けていく.
結論
小児腎領域の全ての指定難病と主要な小児慢特定疾病の全国の分布,診療実態が明らかになった.また全
疾患共通,かつ最大の合併症といえる腎機能障害すなわち小児慢性腎臓病に関しても,小児慢性腎臓病コ
ホート研究により長期の予後が明らかになった.今後特に患者への直接の還元を目指し,患者への情報公開
を続けていく.
疾患共通,かつ最大の合併症といえる腎機能障害すなわち小児慢性腎臓病に関しても,小児慢性腎臓病コ
ホート研究により長期の予後が明らかになった.今後特に患者への直接の還元を目指し,患者への情報公開
を続けていく.
公開日・更新日
公開日
2018-06-25
更新日
-