特発性正常圧水頭症の診療ガイドライン作成に関する研究

文献情報

文献番号
201711088A
報告書区分
総括
研究課題名
特発性正常圧水頭症の診療ガイドライン作成に関する研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-037
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
新井 一(順天堂大学医学部脳神経外科)
研究分担者(所属機関)
  • 青木 茂樹(順天堂大学医学部放射線科)
  • 石川 正恒(洛和ヴィライリオス )
  • 数井 裕光(大阪大学キャンパスライフ健康支援センター )
  • 加藤 丈夫(山形大学)
  • 栗山 長門(京都府立医科大学大学院医学研究科地域保健医療疫学教室)
  • 佐々木 真理(岩手医科大学医歯薬総合研究所超高磁場MRI診断・病態研究部門)
  • 伊達 勲(岡山大学大学院脳神経外科学)
  • 松前 光紀(東海大学医学部外科学系脳神経外科学領域)
  • 森 悦朗(公益財団法人日本生命済生会付属日生病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
6,237,000円
研究者交替、所属機関変更
研究分担者 数井 裕光 大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室(平成29年4月1日~12月31日)→大阪大学キャンパスライフ健康支援センター(平成30年1月1日以降)

研究報告書(概要版)

研究目的
超高齢化社会を迎えた我が国では、高齢者において認知障害、歩行障害、排尿障害をきたす原因不明の病態として、特発性正常圧水頭症(iNPH)が注目されている。iNPHは、適切な診断のもとに髄液シャント術を行うと症状の改善をみる疾患ではあるが、健常老化や他の認知症疾患(アルツハイマー病、レビー小体型認知症など)と類似、もしくはこれらを合併していることがあり、日常臨床上、確定診断が依然として困難な場合が少なくない。そのような背景のなか、2004年に本疾患に関する診療ガイドラインが刊行され、2011年にはガイドラインの2版が刊行された。ガイドライン制定後、iNPHの認知度は格段に上がり、髄液シャント術の件数は急速に増加し、その基礎・臨床研究は進展した。2015年には本邦からiNPHに関しては世界初となるランダム化比較試験SINPHONI−2の結果が報告さるに至り、iNPHに対する髄液シャント術の有効性がより確実なものとなった。しかしながら、病因、診断と治療についは未解決の課題が残っており、これを踏まえガイドラインの再改訂すべき時期と判断した。本研究では新たなエビデンスを取り入れたiNPH診療ガイドラインの改訂を行う事を目的とする。
研究方法
2017年にガイドラインの改訂を目的とした研究班が採択され、ガイドライン統括委員会を立ち上げ、班長所属施設にiNPHガイドライン作成事務局を設置した。前回のガイドラインと同様に、日本正常圧水頭症学会と合同による改訂作業を行うこととして、班員以外に学会内から研究協力者を選出した。
結果と考察
7月の班会議にて、iNPHガイドライン作成グループとシステマティクレビューチームを編成し、スコープについて議論し、重要臨床課題と分担を決定した。12月の班会議で、今回の改訂作業は、原則としてMinds2014の方針に従って作成することとなったが、適宣、現状を踏まえた対応を行う方針とし、作成の具体的な方針は班会議での討議により決定して進めることとした。2018年2月システマティクレビューを開始するあたり講習会を開催した。その後、各重要臨床課題に対するクリニカルクエスチョンを作成し、システマティクレビューを開始した。クリニカルクエスチョンは、iNPH診療において、推奨が診療の質を向上させると期待できるものとしたが、iNPHの重要臨床課題の中にはクリニカルクエスチョンの作成には向かない課題があり、その場合は従来の方法で文献検索を行い、エビデンステーブルを作成した。班員及び研究協力者は、Minds2014で推奨されるシステマティクレビューに不慣れなこともあり、システマティクレビューの講習と実習を行った。その為に当初の計画より半年ほどガイドラインの改訂作業が遅れている。
結論
Minds診療ガイドライン作成の手引き2014に沿って、iNPH診療ガイドラインの改訂作業を進め、重要臨床課題よりクリニカルクエスチョンを作成し、システマティクレビューを開始した。

公開日・更新日

公開日
2018-05-30
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2018-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201711088Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
8,108,000円
(2)補助金確定額
8,108,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,277,949円
人件費・謝金 586,053円
旅費 1,634,850円
その他 1,744,877円
間接経費 1,871,000円
合計 8,114,729円

備考

備考
自己資金 6,728円/その他(預金利息) 1円

公開日・更新日

公開日
2019-02-20
更新日
-