ライソゾーム病(ファブリ病含む)に関する調査研究

文献情報

文献番号
201711075A
報告書区分
総括
研究課題名
ライソゾーム病(ファブリ病含む)に関する調査研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-024
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
衞藤 義勝(東京慈恵会医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 酒井 規夫 (大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻)
  • 高橋 勉 (秋田大学大学院医学系研究科小児科学講座・小児内分泌学)
  • 高柳 正樹(帝京平成大学健康医療スポーツ学部看護学科・小児看護学)
  • 辻 省次(東京大学大学院医学系研究科 寄附講座分子神経学講座)
  • 檜垣 克美(鳥取大学・神経生物学)
  • 鈴木 康之 (岐阜大学医学教育開発研究センター・先天代謝異常症 )
  • 奥山 虎之 (国立成育医療研究センター・小児科学、臨床遺伝学)
  • 坪井 一哉 (名古屋セントラル病院ライソゾーム病センター・血液内科、血液内科学)
  • 松田 純子 (川崎医科大学・病態代謝学)
  • 下澤 伸行(岐阜大学生命科学総合研究支援センターゲノム研究分野・先天代謝異常症)
  • 今中 常雄 (広島国際大学薬学部・分子細胞生物学)
  • 小林 博司 (東京慈恵会医科大学・小児科学)
  • 加我 牧子(東京都立東部療育センター・小児神経学 )
  • 横山 和明 (帝京大学薬学部・生化学、分子生物学、細胞生物学)
  • 渡邊 順子(久留米大学GC/MS医学応用研究施設・小児科・小児科学、先天代謝異常症、臨床遺伝学)
  • 石垣 景子 (東京女子医科大学小児科学講座・小児科、小児神経学)
  • 成田 綾 (鳥取大学医学部脳神経小児科・脳神経小児科)
  • 井田 博幸 (東京慈恵会医科大学小児科学講座・小児科)
  • 大橋 十也 (東京慈恵会医科大学・小児科、遺伝子治療 )
  • 小林 正久 (東京慈恵会医科大学・小児科)
  • 福田 冬季子(浜松医科大学・小児科)
  • 中村 公俊 (熊本大学大学院生命科学研究部・小児科学分野)
  • 濱崎 考史(大阪市立大学医学部医学研究科・発達小児医学)
  • 柳澤 比呂子(一般財団法人 脳神経疾患研究所 先端医療研究センター&遺伝病治療研究所)
  • 加藤 剛二(名古屋第一赤十字病院・小児血液学)
  • 矢部 普正(東海大学医学部・小児血液学、先天代謝異常、造血細胞移植)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
18,612,000円
研究者交替、所属機関変更
【所属機関 職名変更】 研究分担者 辻省次 所属機関および職名:東京大学大学院医研究科 寄附講座分子神経学講座 特任教授 平成29年5月16日 旧 特任研究員→ 新 特任教授

研究報告書(概要版)

研究目的
ライソゾーム病、ペルオキシゾーム病、ALD患者の全国調査をし、患者数の把握、患者のQOLの二次調査の調査票を作製した。又、ファブリー病、ゴーシェ病、MPSI 、シスチノーシスの診療ガイドラインを、マインズの手法に従い作成し、難病の診療に貢献する。更にLSD、ALDの拠点病院構想を作成し、難病患者の診療ネットワーク構築をめざす。新生児スクリーニング体制のガイドラインを検討し、今後の早期診断、治療を目指す。LSD、ALDの遺伝子治療を含めた新規治療の啓蒙活動を行う。
研究方法
①ライソゾーム病(LSD)、ペルオキシゾーム病(PD)の患者のADLとQOLを含む2次調査の調査表を作成した。さらに、各ライソゾーム病の我が国における推定患者数を疾患別に統計専門家に調査依頼した。
②ライソゾーム病、ペルオキシゾーム病の診断、治療ガイドラインの作成:前年度に引き続いてファブリ病、ゴーシェ病、ムコ多糖症I型のマインズの手法に基づく診療ガイドラインを作成を検討、次年度に学会承認を得る予定。昨年度完成したポンぺ病ガイドラインに関してはマインズでの掲載が決定した。今年度はシスチノーシスのガイドラインを出版し、学会承認に向けて努力している。
③ライソゾーム病に特化した診断、治療の難病拠点病院体制を患者の意見も含め、全国規模で作成し、拠点病院の役割、遺伝子診断体制の整備など診断、治療体制をライソゾーム病、ALDに特化して検討した。④LSDの新生児スクリーニング対象疾患のガイドライン並びに戦略を作成し、新生児スクリーニングア対象疾患のガイドラインを作成した。
⑤LSD&ALDの遺伝子治療を推進し、遺伝子治療推進体制の基盤作りの為アンケート調査内容を検討した。
結果と考察
①ライソゾーム病、ALDの全国患者2次調査:1次調査の全国調査結果をもとに患者数の推計を行った。全体の数字としては、ライソゾーム病、ペルオキシソーム病については推計報告患者数を得た。
②今回2年間で7疾患(ALD、MPSII、ポンぺ病、ゴーシェ病、ファブリ病、MPSI型、シスチノーシス、の診断、治療のガイドラインをマインズの手法に従い作成し、現在も継続しており、前年度は既に前者3疾患の診療ガイドラインを出版、平成29年度はシスチノーシスの診療ガイドラインを難病専門医の他一般医師にも日常診療に利用できるように作成した。H29-31年度3年間でLSD 7疾患の診療ガイドラインを作成する。2年目、3年目は初年度の疾患ゴーシェ病、ファブリ病、MPS I型のガイドライン完成を目指している。又今後ニーマンピック C 、NCL、MPSIV等の合計前年度合わせて10疾患の診療ガイドラインを作成を目指し、一般医に利用される為に先天代謝異常学会で承認を得、書籍としても出版する予定である。
③ライソゾーム病、ALDの拠点病院構想はライソゾーム病・ペルオキシゾーム病は希少疾患であるが都市部においては診療において患者集約が図れることから分野別拠点病院を設定して早期診断、チーム医療、移行期医療など提供できる体制について議論した。地方においては疾患の希少性から難病支援全国ネットワークと連結した難病拠点病院に関して議論した。
④ライソゾーム病の新生児スクリーニングにしてのガイドラインはライゾーム病・ペルオキシソーム病の中でNBSを実施することが適当と考えられる疾患を対象として、その運用に関するガイドラインを検討した。ガイドラインの内容は、以下の5項目とする。1)スクリーニングの目的と必要性 2)スクリーニング方法 3)スクリーニング陽性者の診断確定 4)診断確定者のフォローアップ 5)患者家族の家族内検索と心理社会的支援(遺伝カウンセリングを含む)などを検討した。
⑤遺伝子治療体制のアンケート調査:海外においてライソゾーム病・ペルオキシソーム病に対する遺伝子治療の治療研究が実施されている。本邦でも遺伝子治療の臨床実施の実現性が出てきた。治療の実施には十分なインフォームド・コンセントが重要である。そこで、現時点における、遺伝子治療に対する、患者または家族の理解度、知識および希望などを調査し、今後、患者への情報提供の内容や方法を充実させる為にアンケート調査内容を検討した。
結論
LSD、ALDの全国調査結果は、AMED等の実用化研究へと活用できる。又LSD、ALDの診療ガイドラインは一般診療医、難病診療医に利用され、個人調査表記載などにも活用される。拠点病院構想並びにトランジション問題に関しては、今後難病センター、拠点病院連携体制に重要な情報として利用可能である。又、新生児スクリーニング、遺伝子治療情報提供も重要な情報とし難病センターへ利用提供できる。

公開日・更新日

公開日
2018-05-25
更新日
-

研究報告書(PDF)

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研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2018-05-25
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201711075Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
18,612,000円
(2)補助金確定額
18,612,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 6,746,450円
人件費・謝金 2,665,451円
旅費 5,170,454円
その他 4,035,924円
間接経費 0円
合計 18,618,279円

備考

備考
自己資金6,278円、預金利息1円

公開日・更新日

公開日
2019-03-25
更新日
-