遺伝性ジストニア・ハンチントン病の診療ガイドラインに関するエビデンス構築のための臨床研究

文献情報

文献番号
201711035A
報告書区分
総括
研究課題名
遺伝性ジストニア・ハンチントン病の診療ガイドラインに関するエビデンス構築のための臨床研究
課題番号
H28-難治等(難)-一般-019
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
梶 龍兒(国立大学法人徳島大学 大学院医歯薬学研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 後藤 恵( 国立大学法人徳島大学 大学院医歯薬学研究部 )
  • 瓦井 俊孝( 国立大学法人徳島大学 大学院医歯薬学研究部 )
  • 長谷川 一子(国立病院機構相模原病院)
  • 野村 哲志(鳥取大学医学部附属病院)
  • 坂本 崇(国立精神神経医療研究センター)
  • 望月 秀樹(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 三村 治(兵庫医科大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究費
9,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
遺伝性ジストニアならびにハンチントン病の診療ガイドラインを作成する。そのために、コンソーシアムを構築し、分子疫学的調査や診断・治療に関する臨床研究を通してエビデンスの収集を行う。
研究方法
診療ガイドラインは、これまでの検討を元にドラフトを作成している。そして、今後、神経学会のガイドライン委員会と協力し、最終稿に推敲を加える。分子疫学調査に関しては、ジストニア・コンソーシアムを通して患者登録を行い、表現型を基に候補遺伝子を絞って解析する。あるいは、全エキソーム解析を行う。ほかにゴルファーにおけるジストニアのアンケート調査、眼瞼痙攣に対するボツリヌス治療法の長期間にわかる経過観察、脳深部刺激治療の効果評価なども行う。
結果と考察
ジストニア診療ガイドラインに関しては、最終稿のレビューを受けて発刊となった。ハンチントン病の診療ガイドラインも最終稿のレビュー段階にまで漕ぎつけることができた。分子疫学調査に関して、これまで日本で報告されていなかった遺伝子変異によるジストニア症例(ADCY5, ATP1A3, MR-1)を見出すことができた。さらに新規ジストニア遺伝子(KMT2B)も明らかにすることができた。ゴルファーにおけるジストニアでは、アンケート調査により発症背景因子が明らかとなった。ボツリヌス治療ならびに脳深部刺激療法の効果の検討により、適応疾患・症状・介入時期・投与量の至適因子を明らかにした。コンソーシアムを軸に研究を進めることで一体化した分子疫学的研究と治療法の研究が可能になるものと考える。
結論
診療ガイドラインはジストニア患者の診断・治療に大きく貢献するものと期待される。症候学的な診断に遺伝子診断の知見が加わることでジストニアの病態解明が一歩前進した。また、疫学調査、ボツリヌス治療や脳深部刺激療法の臨床研究によりジストニアの病態解明を進めることができた。

公開日・更新日

公開日
2018-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201711035Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
11,960,000円
(2)補助金確定額
11,960,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 4,294,859円
人件費・謝金 958,314円
旅費 864,370円
その他 3,082,460円
間接経費 2,760,000円
合計 11,960,003円

備考

備考
自己資金3円

公開日・更新日

公開日
2019-03-25
更新日
-