文献情報
文献番号
201711028A
報告書区分
総括
研究課題名
多彩な内分泌異常を生じる遺伝性疾患(多発性内分泌腫瘍症およびフォンヒッペル・リンドウ病)の実態把握と診療標準化の研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H28-難治等(難)-一般-012
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
櫻井 晃洋(札幌医科大学 医学部 遺伝医学)
研究分担者(所属機関)
- 今井 常夫(国立病院機構東名古屋病院)
- 内野 眞也(野口病院 外科)
- 岡本 高宏(東京女子医科大学 外科学)
- 小杉 眞司(京都大学大学院医学研究科 医療倫理学)
- 鈴木 眞一(福島県立医科大学 甲状腺内分泌学)
- 執印 太郎(高知大学)
- 篠原 信雄(北海道大学 腎泌尿器科学)
- 矢尾 正祐(横浜市立大学 泌尿器科学)
- 菅野 洋(国際医療福祉大学熱海病院 脳神経外科学)
- 田村 和朗(近畿大学 理工学部生命科学科)
- 長谷川 奉延(慶應義塾大学 小児科学)
- 齊藤 延人(東京大学 脳神経外科学)
- 中村 英二郎(京都大学 メディカルイノベーションセンター)
- 南谷 幹史(帝京大学ちば医療センター 小児科学)
- 竹越 一博(筑波大学 スポーツ医学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
1,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
MEN1, MEN2, VHLの診療実態把握とともに,診療・研究連携体系を確立し,一般医療者への診療支援をおこなうとともに,患者が適切な診断治療を受けられるよう医療支援する.
研究方法
MEN,VHLの両者について,①遺伝学的検査の実施,②診療ガイドラインの改訂,③症例登録,④医療関係者向けの情報提供と問い合わせ対応,⑤患者・家族,一般市民に対する啓発活動,を行った.
結果と考察
1)遺伝学的検査の実施
MEN1遺伝学的検査を30例,RET遺伝学的検査を15例に対して行った.遺伝性と判明した症例については,サーベイランスとともに心理的な支援も行いながら,疾患への理解が得られるよう患者および家族への働きかけに力を入れた.RET遺伝学的検査については平成28年度診療報酬改定によって保険収載がなされたことから,今後本研究班において解析を実施する機会はなくなっていくと考えられる.
2)診療ガイドライン改訂
MEN臨床の経験が豊富でない医療者にも適切な診断ができるよう診断アルゴリズム改訂作業を行った.VHLについては,各病態担当研究者.遺伝に関する研究者に対して過去に作成したVHL病診療ガイドラインの見直しを依頼し.必要に応じての改訂を行った.
MEN1遺伝学的検査を30例,RET遺伝学的検査を15例に対して行った.遺伝性と判明した症例については,サーベイランスとともに心理的な支援も行いながら,疾患への理解が得られるよう患者および家族への働きかけに力を入れた.RET遺伝学的検査については平成28年度診療報酬改定によって保険収載がなされたことから,今後本研究班において解析を実施する機会はなくなっていくと考えられる.
2)診療ガイドライン改訂
MEN臨床の経験が豊富でない医療者にも適切な診断ができるよう診断アルゴリズム改訂作業を行った.VHLについては,各病態担当研究者.遺伝に関する研究者に対して過去に作成したVHL病診療ガイドラインの見直しを依頼し.必要に応じての改訂を行った.
結論
本研究班での活動により,着実にMENおよびVHLの診療に対する認識が浸透しつつある.一方で,新たな治療薬の出現や検査の保険収載など,最新の動向については,まだ医療関係者に十分周知されているとはいえない.これを踏まえ,今後もより多くの医療者・医療機関に対し,学会や講演等で情報を伝え,様々な医療機関とのネットワークの構築に努めていく必要がある.さらにこのネットワークを通じて,遺伝学的検査の適切な提供,検査結果の適切な解釈のもとに,患者一人一人に応じた医療を提供できるよう,患者だけでなく医療者への適切な情報提供も可能になると考える.
公開日・更新日
公開日
2018-06-04
更新日
-