熱媒体の人体影響とその治療方法に関する研究

文献情報

文献番号
199800612A
報告書区分
総括
研究課題名
熱媒体の人体影響とその治療方法に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成10(1998)年度
研究代表者(所属機関)
福岡県 
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 生活安全総合研究事業
研究開始年度
平成10(1998)年度
研究終了予定年度
-
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1968年の油症発生から31年経過した今日、油症患者の検診及び追跡調 査を行い、油症の効果的な治療法の解明を図ることを目的とし、患者血中PCQ 濃度が どのように変化しているかを明らかにする。
研究方法
ソフトウエアSPSS8.0J を用い、1979年度から1997年度までの福 岡県油症検診受診者の内、PCQ 濃度が測定された271人を対象として蓄積されたデ ータを解析した。このうち116人については、2回以上のPCQ 濃度の分析値がある ので、初回に得られたPCQ 濃度と最後に得られたPCQ濃度との変動について検討し た。また、本年度もデータを蓄積すべく、福岡県下、3会場で延べ4日間、検診医等 の助言を得ながら、79名の患者に対し、検診を行った。得られたデータについては 、当県において、保管管理し、今後必要に応じ、解析等を行う。
結果と考察
通常見られる濃度(0.02 ppb以下)群では、検出限界以下で推移しており、 新たなPCQ による曝露や体内における挙動変化を示す事象は認められなかった。また 、境界領域濃度(0.03 ppb~0.09 ppb)群では、再分析を要する1例を除くと、PCQ濃 度は、下降傾向を示している。異常に高い濃度(0.1ppb以上)群では、人によっては上 昇又は下降しているものも見られた。変動の状況に個人差があるのは、PCQ 濃度分析 時、サンプル採取時、あるいは被測定者側の条件など種々考えられる。しかしながら この群に属する患者については、PCQ 濃度が下降しても、通常見られる濃度までは、 未だ減少していなかった。このことから今後特に被測定者側の条件(体重の増減、食 習慣等)等について、調査する必要性があると思われる。
結論
過去から蓄積された患者血中PCQ 濃度のデータを解析してみると、1979年か ら1997年の間には、有意な変化は見られなかった。ただ、異常に高い濃度(0.1p pb以上 )では、今回解析した範囲においては、濃度変化に個人差が見られるため、 今後患者の診断とともに食生活等を始めとした生活習慣についても研究の必要性があ ると思われた。

公開日・更新日

公開日
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更新日
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研究報告書(紙媒体)