女性の健康の包括的支援のための情報収集・情報発信と医療提供体制等に関する研究

文献情報

文献番号
201710001A
報告書区分
総括
研究課題名
女性の健康の包括的支援のための情報収集・情報発信と医療提供体制等に関する研究
課題番号
H27-女性-一般-001
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
藤井 知行(東京大学大学院 医学部附属病院女性診療科・産科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 女性の健康の包括的支援政策研究
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
14,616,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
女性の健康はその出生から生涯を通じて月経発来、妊娠・出産、閉経など性ホルモンの変動とそれに伴う疾患に大きく影響を受けることから、各ライフステージの女性ホルモン変動を意識した管理が必要である。しかしそのような発想に基づいた女性の生涯を通じた健康の包括的支援は現状では皆無である。上記のような思想を反映したライフコースアプローチに基づいた女性特有の疾患に対する啓発、教育、予防などを目的とし本研究班は発足した。このような支援をおこなうことは我が国の喫緊の課題である女性活躍、少子化解消、健康寿命の延伸を達成するためにも必須である。 “女性の健康”が1つのまとまった健康概念として把握されてこなかった関係上、既存の情報も不統一で整理されていなかったため、確かなソースで確かな情報を提供することで、社会の啓発と医療・健康関係者の実践を介して我が国の女性の生涯健康を支える社会基盤を構築することを主目的とし、研究を進めていくこととした。
研究方法
本研究では、情報の収集と発信による社会啓発、多診療科連携による統合的女性医療、相談員の養成などを介した社会的健康支援の体制を確立することを目的とし、まずは多診療科からの記事提供を受けた女性の健康に関連するホームページを平成27年度に立ち上げた。本ホームページを見た後に、健康を維持するための行動がどのように変容するかについて株式会社エムティーアイのアプリ「ルナルナ」の使用者2000名を対象としてアンケートを取った。医療従事者において統合的な女性診療を定着させるため、女性診療に有用なガイドブックを作成した。ホームページをプラットフォームとしたeラーニングシステムを構築することで、女性の健康管理の在り方を考え教育、相談などを実施できる「女性の健康相談員」養成の基盤を構築した。
結果と考察
年齢別ユーザー割合としては、18~44歳がアクセスする人々の大半を占めること、モバイル端末・スマートフォンである。新規セッション率は、リピーターを増加させる努力が必要であることを反映しており、概ね90%近くで高止まりしている。行動に至るなどの行動変容に関して1回目のWebアンケート調査を行った。対象者を半数ずつ2群に分け、片方のみHPを閲覧するよう誘導した。その後、両群に再度1回目と同じWebアンケート調査を行い、その結果を解析したが、各アンケート項目またはカテゴリーにおいて、本HP閲覧による明らかな得点の改善は認められなかった。女性の健康支援のための教育プログラム目的で作成したガイドブックは既に校了しており、HP上での配布をおこなう予定である。eラーニングシステムを構築し改変、拡大することにより看護師、保健師、その他の健康支援関係者などが女性のヘルスケアアドバイザーとして活躍できるようにし、女性の健康増進・向上に役立てることとした。現在テストページの設置が概ね終了し、供覧できる状態である。
結論
本HPはアクセスする人物像、アクセス記録などを経時的に追跡することが可能であるため、毎月のアクセス記録から、受け手のニーズを可能な限り拾い上げるようにしている。最終的には大規模データベースの検討や具体的ニーズの拾い上げが大規模化することを期待しており、それで得られる情報をもとに、実行可能な「多診療科連携モデル」が構築され、日本全体の女性医療の水準を上げ、医療法整備、経済活動への展開という循環が進むことを期待している。

公開日・更新日

公開日
2018-08-29
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201710001B
報告書区分
総合
研究課題名
女性の健康の包括的支援のための情報収集・情報発信と医療提供体制等に関する研究
課題番号
H27-女性-一般-001
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
藤井 知行(東京大学大学院 医学部附属病院女性診療科・産科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 女性の健康の包括的支援政策研究
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
女性の健康は各ライフステージの女性ホルモン変動を意識した管理が必要である。しかしそのような発想に基づいた女性の生涯を通じた健康の包括的支援は現状では皆無である。上記のような思想を反映したライフコースアプローチに基づいた女性特有の疾患に対する啓発、教育、予防などを目的とし本研究班は発足した。このような支援をおこなうことは我が国の喫緊の課題である女性活躍、少子化解消、健康寿命の延伸を達成するためにも必須である。“女性の健康”が1つのまとまった健康概念として把握されてこなかった関係上、既存の情報も不統一で整理されていなかったため、確かなソースで確かな情報を提供することで、社会の啓発と医療・健康関係者の実践を介して我が国の女性の生涯健康を支える社会基盤を構築することを主目的とし、研究を進めていくこととした。
研究方法
本研究では、情報の収集と発信による社会啓発、多診療科連携による統合的女性医療、相談員の養成などを介した社会的健康支援の体制を確立することを目的とし、まずは多診療科からの記事提供を受けた女性の健康に関連するホームページを平成27年度に立ち上げた。本ホームページを見た後に、健康を維持するための行動がどのように変容するかについて、株式会社エムティーアイのアプリ「ルナルナ」の使用者2000名を対象としてアンケートを取った。医療従事者において統合的な女性診療を定着させるため、女性診療に有用なガイドブックを作成した。ホームページをプラットフォームとしたeラーニングシステムの基盤を構築することで、女性の健康管理の在り方を考え教育、相談などを実施できる「女性の健康相談員」養成の基盤を構築した。
結果と考察
ユーザーとしては、18~44歳のスマートフォンを使用する女性がよくアクセスするというプロファイルが判明した。本ホームページを閲覧した後に受診行動に至るなどの行動変容に関してWebアンケート調査を行った。対象者を半数ずつ2群に分け、片方のみHPを閲覧するよう誘導した。その後、両群に再度1回目と同じWebアンケート調査を行い、その結果を解析したが、各アンケート項目またはカテゴリーにおいて、本HP閲覧による明らかな得点の改善は認められなかった。女性の健康支援のための教育プログラム目的で作成したガイドブックを校了させ、HP上での配布をおこなう予定である。eラーニングシステムを構築し改変、拡大することにより看護師、保健師、その他の健康支援関係者などが女性のヘルスケアアドバイザーとして活躍できるようにし、女性の健康増進・向上に役立てることとした。
結論
本HPはアクセスする人物像、アクセス記録などを経時的に追跡することが可能であるため、毎月のアクセス記録から、受け手のニーズを可能な限り拾い上げるようにしている。最終的には大規模データベースの検討や具体的ニーズの拾い上げが大規模化することを期待しており、それで得られる情報をもとに、実行可能な「多診療科連携モデル」が構築され、日本全体の女性医療の水準を上げ、医療法整備、経済活動への展開という循環が進むことを期待している。

公開日・更新日

公開日
2018-08-29
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201710001C

収支報告書

文献番号
201710001Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
19,000,000円
(2)補助金確定額
19,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 3,247,929円
人件費・謝金 0円
旅費 997,646円
その他 10,370,425円
間接経費 4,384,000円
合計 19,000,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2018-10-30
更新日
-