文献情報
文献番号
201709023A
報告書区分
総括
研究課題名
健康に与えるロコモティブシンドロームの影響に関する研究
課題番号
H29-循環器等-一般-010
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
帖佐 悦男(国立大学法人宮崎大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 中村 耕三(国立障害者リハビリテーションセンター)
- 石橋 英明(医療法人社団愛友会伊奈病院)
- 大江 隆史(NTT東日本関東病院)
- 新開 省二(地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター)
- 藤野 圭司(藤野整形外科医院)
- 宮地 元彦(国立研究開発法人医薬基盤・研究・栄養研究所)
- 村永 信吾(医療法人鉄蕉会亀田総合病院)
- 吉村 典子(東京大学医学部附属病院)
- 田辺 秀樹(田辺整形外科医院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、これまで報告された疫学研究や運動・栄養による介入研究、文献システマティックレビューによるエビデンスに基づいて運動器の健康による経済的・社会的メリットについても検証し、ロコモの定義について再度整理する。学術的メリットだけでなく、全国展開を見据えた要介護・要支援者の増加を抑制する基本的な運動・栄養プログラムを作成し、国民の運動機能向上に貢献し、要介護者を減らすことが目的である。
研究方法
本研究ではこれまでの疫学研究、介入研究、文献システマティックレビューを柱とした検討を行い、ロコモの定義の再確認ならびにフレイルやサルコペニアなどロコモを取り巻く環境との関連性を検討する。先ずはロコモ該当者早期発見のためのロコモ疫学指標(有病率、発生率)を推定し、また全国レベルでロコモ度テストを実施することで、移動機能の低下を性・年代別に客観的に測定・評価する。要介護群においても運動機能(ロコモ度)の検討を行い、他の運動機能評価やADL評価との相関を調べた。また、ロコモ予防を目的とした効果的な栄養介入では、3ヶ月間の介入プログラムを実施しているデータ分析を行う。運動介入においても3ヶ月間の研究期間を設け、その前後で運動能力評価を実施し介入効果を計っている。経済・社会的メリットにおいては健康のみならず生産性にも影響を及ぼし、労働損失や労働力低下・生産性低下などの経済損失を生んでいる腰痛との関連およびBMIと腰痛との関係性を調査した。それぞれにおいて関連学会と連携を図ることにより、今後の全国的な検診体制も見据えた体制構築にも貢献するものとする。
結果と考察
ROAD Study10年間の追跡データセット構築を実施し、結果としてロコモ度1の有病率は69.8%、ロコモ度2の有病率は25.1%と推定され、今後は発生率について調査する予定である。要介護群においても他の運動機能評価やADL評価と軽度から中等度の有意な相関を有していることが判明している。ロコモ度テストの全国調査では現在もデータ収集段階であり、平成30年度8月末を目途に登録を達成する予定である。栄養・運動介入では運動群、運動+栄養補充群、対照群による比較では、運動群、運動+栄養補充群は運動機能評価において同程度の改善がみられており、今後は骨粗鬆症およびサルコペニアと栄養に関する研究のシステマティックレビューを行う予定であり、先行研究の収集を開始した。
結論
全国的なロコモ度テストの性・年代別基準値は今後報告するものの、40代以上のロコモの有病率は極めて高いといえる結果がでている。
栄養プログラム開発において、次年度は研究分担者らが過去実施した骨粗鬆症検診のデータを用いて、食品摂取の多様性スコアと大腿骨頚部骨粗鬆症の有無との独立した関連性を検討すると共に、骨粗鬆症とサルコペニアと栄養に関する国内外の先行研究についてシステマティックレビューを進め、これらを総合して運動器の健康の維持・向上につながる効果的な栄養介入プログラムを作成したいと考えている。
運動介入においても特に高齢者は運動の継続率が高く、運動実施結果も良好で、3ヶ月後(2回目)の運動機能調査においても改善が見られた。
身体活動量、BMIはいずれも腰痛有訴と関連があり、さらに身体活動と組み合わせると、より強い関係が腰痛有訴との間に見出された。
栄養プログラム開発において、次年度は研究分担者らが過去実施した骨粗鬆症検診のデータを用いて、食品摂取の多様性スコアと大腿骨頚部骨粗鬆症の有無との独立した関連性を検討すると共に、骨粗鬆症とサルコペニアと栄養に関する国内外の先行研究についてシステマティックレビューを進め、これらを総合して運動器の健康の維持・向上につながる効果的な栄養介入プログラムを作成したいと考えている。
運動介入においても特に高齢者は運動の継続率が高く、運動実施結果も良好で、3ヶ月後(2回目)の運動機能調査においても改善が見られた。
身体活動量、BMIはいずれも腰痛有訴と関連があり、さらに身体活動と組み合わせると、より強い関係が腰痛有訴との間に見出された。
公開日・更新日
公開日
2018-07-05
更新日
-