文献情報
文献番号
201709012A
報告書区分
総括
研究課題名
既存データベースの活用による虚血性心疾患・大動脈疾患診療の実態把握ならびに医療体制構築に向けた指標の確立のための研究
課題番号
H28-循環器等-一般-010
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
坂田 泰史(国立大学法人 大阪大学 医学部附属病院 循環器内科)
研究分担者(所属機関)
- 安田 聡(国立循環器病研究センター 心臓血管内科部門 循環器内科学)
- 宮本 恵宏(国立循環器病研究センター 循環器病統合情報センター 疫学)
- 西村 邦宏(国立循環器病研究センター 循環器病統合情報センター 統計解析室)
- 中村 文明(国立循環器病研究センター 循環器病統合情報センター データ統合室)
- 小室 一成(東京大学 医学部附属病院 循環器内科学)
- 磯部 光章(公益財団法人日本心臓血圧研究振興会附属榊原記念病院 循環器内科)
- 斎藤 能彦(奈良県立医科大学 循環器内科学)
- 今村 知明(奈良県立医科大学 公衆衛生学)
- 平山 篤志(日本大学医学部 循環器内科)
- 辻田 賢一(熊本大学 循環器内科学)
- 中尾 浩一(済生会熊本病院 循環器内科)
- 高山 守正(公益財団法人日本心臓血圧研究振興会附属榊原記念病院 循環器内科)
- 森野 禎浩(岩手医科大学 内科学講座循環器内科分野)
- 上田 裕一(奈良県立病院機構 奈良県総合医療センター 心臓血管外科)
- 真田 昌爾(国立大学法人大阪大学 医学部附属病院 臨床研究支援)
- 彦惣 俊吾(国立大学法人大阪大学 医学部附属病院 重症心不全内科治療学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究費
5,390,000円
研究者交替、所属機関変更
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研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、本邦の死因において第二位を占める循環器疾患の中でも、発症後早急に適切な治療が求められる代表的な疾患である、虚血性心疾患・大動脈疾患の医療体制の整備のため、既存のデータを活用し、診療実態把握ならびに医療体制整備方策検討のための指標の構築を目的とするものである。
研究方法
日本循環器学会が2004年から実施している循環器疾患実態調査(JROAD)、2014年より進めているJROAD-DPC、および東京都CCUネットワークのデータを活用する。研究班での検討により、診療実態把握および診療体制構築検討に必要と考えられる、ストラクチャー指標、プロセス指標、アウトカム指標の項目を定める。それらの指標項目に関して、JROADおよびJROAD-DPCのデータベースからデータ収集をおこない、都道府県別の虚血性心疾患、大動脈疾患に関する診療体制および診療状況の把握、アウトカムに関連する因子の抽出などの解析をおこなう。
結果と考察
初年度(平成28年度)は、JROAD/JROAD-DPC、東京CCUネットワークの、虚血性疾患・大動脈疾患の診療実態に関する既存データについて研究班内で情報を共有するとともに、診療実態の把握のために必要なストラクチャー指標、プロセス指標、アウトカム指標などの指標項目を策定し、施設、搬送、人員、診療内容、予後やその地域差に関する情報収集の基礎的検討を実施した。平成29年度に、前年度に策定した指標項目について、JROADおよびJROAD-DPCからのデータ収集ならびに都道府県別の解析をおこなったところ、医療資源には都道府県差が大きくみられ、その差は面積で補正すると大きく、人口で補正すると小さくなる傾向が認められた。また、急性冠症候群リスク調整院内死亡オッズ比と有意な相関を持つ指標を複数見出した。一方でこれらの有意な相関を持つ因子は都市部と非都市部で異なる可能性が考えられた。また今後、医療計画に活用に向けては更なる検討が望ましいと考えられた。
結論
既存データベースであるJROAD, JROAD-DPCから指標データを抽出して検討し、現在の急性冠症候群、急性大動脈症の医療体制の把握をおこなった。また、アウトカムと相関する指標を同定した。引き続き、適切な医療体制構築に向けた検討を進める。
公開日・更新日
公開日
2018-07-05
更新日
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