がん患者の就労継続及び職場復帰に資する研究

文献情報

文献番号
201708017A
報告書区分
総括
研究課題名
がん患者の就労継続及び職場復帰に資する研究
課題番号
H29-がん対策-一般-012
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
遠藤 源樹(順天堂大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 齊藤 光江(順天堂大学 大学院医学研究科)
  • 小橋 元(獨協医科大学 医学部)
  • 山口 直人(東京女子医科大学 医学部)
  • 溝上 哲也(国立国際医療研究センター・臨床研究センター疫学・予防研究部)
  • 森口 次郎(京都工場保健会 産業保健推進本部)
  • 武藤 剛(順天堂大学 医学部)
  • 林 和彦(東京女子医科大学 がんセンター長、化学療法・緩和ケア科)
  • 西村 勝治(東京女子医科大学 医学部)
  • 桑原 恵介(帝京大学 大学院公衆衛生学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
11,275,000円
研究者交替、所属機関変更
研究分担者・山口直人は平成29年度で終了し、平成30年度から、竹田省(順天堂大学産婦人科学特任教授)、寺尾泰久(順天堂大学産婦人科学先任准教授)が新たに分担研究者となる。

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、がん患者の就労継続と復職支援に関するエビデンスを集積し、がん種別就労支援ガイダンス等の成果物を社会に発信することである。
研究方法
研究1は、がん患者大規模コホート研究である。J-ECOHスタデイ等から抽出したがん患者のがん種別の病休日数、復職率等のデータの分析を行った。がん患者の就労継続に向けた取り組みと課題についてのインタビュー調査等を中小企業対象に実施した。研究2は、がん患者の就労実態調査であり、平成29年度から平成31年度まで、がん患者就労実態調査票を配布し、患者ベースに前向きコホート研究を実施し、DIPEx-JAPAN(健康と病の語りのデータベース)が保有するナラティブ・データベースから、がんと就労に関係する部分を抽出して質的研究を実施し、データベース化を図っている。研究3は、がん種別就労支援ガイダンス、がん種別健康管理指導事項連絡カード等の成果物を作成する。
結果と考察
J-ECOHスタディから、がん患者の休業経過(復職率、退職率、死亡率)を調査した結果、がんによる長期休業者は、休業開始から2.5年までに80.5%が復職、2.7%が退職、16.8%が死亡していた。中小企業調査では、疾病により業務に影響が生じたと回答があったのは22例中17例であり、車輛の運転や重量物の取扱が困難になったことや、体力低下あるいは体調に波があるために従来の業務を遂行できないなどであった。がん患者の就労実態調査では、調査実施時まで就労継続をできていたがん患者は69%であり、その半数以上が正社員で事務職等、座り作業ベースの職場で働いている人の割合が多かった。勤務形態は80%以上の人がフルタイム勤務で、短時間勤務を行っている人は15.9%で、離職率が約31.0%であった。また、がん拠点病院等医療機関のがん相談支援センターや職域で活用できる実用的な「がん種別両立支援マトリクス」「がん種別標準治療カレンダー」「がん健カード」等の素案を作成している。
結論
平成30年度も引き続き、大規模職域コホート研究の実施、がん患者就労実態調査票によるコホート研究、がん種別就労支援ガイダンス・がん健カード等の作成を進めていく。

公開日・更新日

公開日
2018-11-05
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2018-05-23
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201708017Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
14,657,000円
(2)補助金確定額
14,314,000円
差引額 [(1)-(2)]
343,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,848,913円
人件費・謝金 3,257,493円
旅費 1,567,792円
その他 4,258,417円
間接経費 3,382,000円
合計 14,314,615円

備考

備考
研究代表者 遠藤源樹 未使用額返還に伴う千円未満端数に関する自己資金の受け入れとして

公開日・更新日

公開日
2019-01-09
更新日
-