文献情報
文献番号
201706023A
報告書区分
総括
研究課題名
異種抗原を発現する組換え生ワクチンの開発における品質/安全性評価のありかたに関する研究
課題番号
H29-特別-指定-023
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
山口 照英(日本薬科大学 薬学部)
研究分担者(所属機関)
- 谷 憲三朗(東京大学医科学研究所)
- 板村 繁之(国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター)
- 尾内 一信(川崎医科大学 小児科学)
- 岡部 信彦(川崎市健康安全研究所)
- 濱田 篤郎(東京医科大学 渡航者医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
2,280,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
組換えウイルスワクチンについては、その高い免疫原性等の有効性の評価方法に加え、自然界に存在しない未知・未経験の人工的なウイルスが放出されるリスクや免疫抑制状態にある集団への伝播リスクなどを考慮した安全性及び環境影響について、他のワクチンとは異なる基準が必要であり、本研究では組換え生ワクチンの有効性及び安全性確保のためのガイドラインを策定することを目指す。
研究方法
トラベラーズワクチンや希少疾病に対するワクチンの専門家、遺伝子治療の専門家、医薬品医療機器総合機構のワクチン等審査部の審査員より研究班を組織し、ガイドラインに取込むべき要素を明らかにするために、EMAの「組換えウイルスベクター生ワクチンのガイドライン」や組換え生ワクチンに関する非臨床試験及び臨床試験の公表論文、さらにはNIHのホームページのClinical Trialより遺伝子治療でも用いられているウイルスベクターについての情報(資料1)を収集した。これらの資料に基づいてコンセプトペーパーに取り入れるべき要件についてまとめた。
結果と考察
組換えウイルスワクチンの品質評価や安全性の在り方について、組換え生ワクチン開発に係る論文等から品質/製造面からの調査を行い、各論文で提示された製造方法(組換え前のウイルス、遺伝子等)に応じて以下のような点をまとめた。1)製造方法を採用した理由・目的、2)製造方法の頑健性・恒常性の評価法、組換えウイルスのゲノム安定性、3)目的外の組換え体が構成されないための方策、4)目的外の組換え体の産生リスクとそれを検出するための評価法、5)目的外の組換え体の安全性への影響について評価することが必要と考えられた
結論
組換えウイルスワクチンに関するコンセプトペーパーについて、ワクチンや遺伝子治療の専門家、さらには医薬品医療機器総合機構の審査の専門家の参加を得て議論を行った。組換えウイルスワクチンは増殖性、非増殖性、制限増殖性の様々なタイプの製品が開発中であるが、共通する品質特性や安全性評価の他、増殖性を持つウイルスを用いた場合に特に注意すべき安全性の事項も有ることが明確にできた。さらに第三者への伝播リスクを含めた評価が必要な点も記載した。
公開日・更新日
公開日
2018-10-17
更新日
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