周産期関連の医療データベースのリンケージの研究

文献情報

文献番号
201703001A
報告書区分
総括
研究課題名
周産期関連の医療データベースのリンケージの研究
課題番号
H28-ICT-一般-001
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
森 臨太郎(国立研究開発法人・国立成育医療研究センター 政策科学研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 康永 秀生 (東京大学大学院医学系研究科)
  • 大田 えりか(伊東 えりか)  (聖路加国際大学大学院看護学研究科)
  • 溝口 史剛(群馬大学大学院小児科学分野)
  • 掛江 直子(国立成育医療研究センター生命倫理研究室)
  • 永田 知映(横尾 知映) (国立成育医療研究センター臨床研究開発センター臨床研究教育部)
  • 森崎 菜穂(国立成育医療研究センターデータ管理部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(臨床研究等ICT基盤構築研究)
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究費
8,730,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では成育医療分野における各種統計や医学団体所有データベースを過去に活用し、また周産期医療関係の各種データベースをリンケージする手法に関する研究を行ってきたという経験を生かして、成育医療分野のデータベースを連結することで拡充し、さらに多くの臨床研究に活用する。また、公的統計の妥当性検証やデータベース同士の自動連結手法を確立することで今後の研究基盤を作成することが目的である。
研究方法
本年度は、下記の事項を行った。
まず、人口動態統計の出生票および死産票に記載されている児の母の情報と、女性の死亡票を高精度にリンケージすることで、妊娠後の女性の死亡を把握するための方法を検討した。
そして、DPCデータのおける診断(ICD-10)コードにより小児の慢性疾患を12に分類するPediatric complex chronic conditions classification system version 2(以下CCC)の自動分類法と、診療情報に記載された主治医診断名との妥当性を評価した。
また、日本産科婦人科学会周産期委員会登録データベース、新生児医療ネットワーク登録データベース、人口動態統計出生票・死産票・死亡票を、全て連結したデータベースを様々な角度から解析し、妊婦および児の予後に関係する医学的・社会的因子について、複数のエビデンスを発表した。
さらに、日本小児科学会小児死亡登録レジストリと死亡票を連結し、これの分析を行い、正確な死因に関する情報を得るために必要な体制構築を検討した。
本研究は、複数のデータベースを相互に利活用しながら研究を行っていくという性質上、各分担研究班の分担研究者および研究協力者同士がお互いの研究を補助するという緻密な連携を取りながら行った。
結果と考察
研究2年目である本年度は、各種データのリンケージ及び利活用の推進を行った。
まず、DPCデータベースや小児慢性特定疾病データベースなどの大規模データベースを他のデータとリンケージして活用する際に重要となる妥当性評価を行うとともに、平成15年より導入された人口動態統計オンライン報告システムに含まれている個人識別符号を利用して出生票とその母の死亡票を高精度にリンケージするなど、新たなリンケージ手法を検討した。
また、得られたデータベースの解析から、妊婦および児の予後に関係する医学的・社会的因子について、産科医・小児科医・疫学者とともに複数のエビデンスを発表した。そして研究成果を関係者で共有することを通して、現在よりも更に正確なリンケージが可能であることが判明するなど、リンケージ手法についても知見を得ることが出来た。
最終年度となる平成30年度来年度は、更にデータ・リンケージを行い解析できるデータの質および量を増やし、またこれらデータの解析を通じて更に知見を増やすとともに、研究班としての3年間の経験から、今後疫学研究・臨床研究においてデータ・リンケージを用いる際に演じる実務的な問題およびこれらの対処法についての考察を行う予定である。
結論
今後も、周産期医療分野においてデータ・リンケージにより質の高いエビデンスを産出できるような基盤作りを行っていく予定である。

公開日・更新日

公開日
2018-09-07
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
その他
その他
その他

公開日・更新日

公開日
2018-09-07
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201703001Z