既存の公的統計を利用した厚生労働統計分野における国際統計報告の可能性の探索に関する研究

文献情報

文献番号
201702007A
報告書区分
総括
研究課題名
既存の公的統計を利用した厚生労働統計分野における国際統計報告の可能性の探索に関する研究
課題番号
H29-統計-一般-002
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
満武 巨裕(一般財団法人 医療経済研究・社会保険福祉協会 医療経済研究機構 研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 山岡 淳(一般財団法人 医療経済研究・社会保険福祉協会 医療経済研究機構 研究部 )
  • 田中 滋(慶応義塾大学 )
  • 福田 敬(国立保健医療科学院 医療・福祉サービス研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究費
2,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、日本から国際機関に対して報告していない国際統計項目を調査・把握し、既存の公的統計を活用した新しい国際統計報告と対応できない項目について検討することとした。この検討結果を踏まえて、既存の公的統計等を活用して新しい国際統計報告作成の方法論の開発と試算を行うことを目的とした。最終的に、望ましい厚生労働統計の調査項目について提言を行う。
研究方法
OECDが国際統計データを提出する際に求められる The OECD/Eurostat Joint Questionnaire(JQ)として2017年に提出を求めた健康状態、非医学的健康決定要因、医療従事者の給与、待機時間、医薬品市場、介護資源、社会保障、医療従事者、医療従事者(資格取得国別)、医療資源、保健医療活動で構成される 106 項目を対象とする。これまで日本が公表していなかった国際統計項目の方法論の開発および試算は、厚生労働統計のNDB オープンデータ等を活用する。また、厚生労働省保険局保険システム高度化推進室と協議し「レセプト情報等の提供に関する有識者会議」に利用申請を行い、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)も利用する。
結果と考察
健康状態については、対象のデータを収集していない。例えば、生命表のデータソースである人口動態統計(死亡・出生)では、教育水準別等のデータを収集していない。非医学的健康決定要因については、未成年者の喫煙の経験的な調査はなく、国民健康・栄養調査において野菜と果物の摂取状況も調査しているが個人の食習慣として「1日1回は食べる人の割合」を算出する設計にはなっていない、肥満については自己申告による調査は行っていない。医療従事者の給与については、GP/専門医別のデータ年収については集計・公表データがない。待機時間については、対象のデータを収集していない。医薬品市場については、日本の統計ではATC/DDD分類を使用した資料が存在しない。介護資源については、男女別でデータ収集していない、家族介護の調査していない。社会保障、医療従事者、医療従事者(資格取得国別)については、対象のデータを収集していない。医療資源については、在院日数についてはデータを収集していないが、検査、処置についてはNDBオープンデータ等を活用することで、作成の可能性がある。結果、OECDへ提出しているデータ項目は51、提出していない項目は55であった。今回、OECDが提出を求めている保健医療活動の手術22種類の中から日本が提出していない20種類を対象に対10万人あたりの施行件数に関するデータを作成した。また、画像診断機器のCT、MRI、PETにつても同様のデータを作成した。2014年度の対10万人あたりの白内障手術は1301件、蓋扁桃手術は41件、経皮的冠動脈形成術は189件、冠動脈バイパス移植は28件、虫垂切除は19件、腹腔鏡下虫垂切除は26件、胆嚢切除は23件、腹腔鏡下胆嚢切除は74件、鼠径ヘルニア修復術は84件、腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術は28件、経尿道的前立腺切除術は49件、開腹前立腺切除術は33件、子宮摘出は59件、腹腔鏡下子宮摘出は36件、帝王切開は290件、人工股関節置換術は38件、二期的人工関節置換術は2件、人工膝関節全置換術は60件、乳腺部分切除術は90件、全乳房切除術は63件、CTは22014件、MIRは10960件、PETは389件であった。
結論
OECDが提出を求めている手術の20種類を対象に対10万人あたりの施行件数に関するデータを作成して、検討を行った。OECD加盟国と比較して対10万人あたりで施行件数が高い手術は、白内障手術であった。また、画像診断機器のCT、MRI、PETも施行件数が高かった。一方、経皮的冠動脈形成術、腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術、経尿道的前立腺切除術、腹腔鏡下子宮摘出、全乳房切除術は中位であった。扁桃手術、冠動脈バイパス移植、虫垂切除、腹腔鏡下虫垂切除、胆嚢切除、腹腔鏡下胆嚢切除、鼠径ヘルニア修復術、開腹前立腺切除術、子宮摘出、帝王切開、人工股関節置換術、二期的人工関節置換術、人工膝関節全置換術、乳腺部分切除術は低位であった。

公開日・更新日

公開日
2018-09-07
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201702007Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
2,500,000円
(2)補助金確定額
2,500,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 41,681円
人件費・謝金 204,066円
旅費 1,247,070円
その他 1,007,183円
間接経費 0円
合計 2,500,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2018-10-24
更新日
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