文献情報
文献番号
201701014A
報告書区分
総括
研究課題名
都道府県医療費適正化計画推進のための健診・医療等の情報活用を担う地域の保健医療人材の育成に関する研究
課題番号
H29-政策-指定-006
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
横山 徹爾(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
研究分担者(所属機関)
- 福田 敬(国立保健医療科学院 医療・福祉サービス研究部)
- 白岩 健(国立保健医療科学院 医療・福祉サービス研究部)
- 堀井 聡子(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究費
4,850,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
都道府県において、平成30年度からの第3期医療費適正化計画を実施するにあたって、実施状況の継続的な把握およびPDCAサイクルの実践に向けた取り組みが必要である。しかし、データ分析に基づくPDCAサイクルの実践のノウハウは十分に蓄積されていない。そこで本研究では、どの都道府県においても十分に高い質でのデータ分析に基づいたPDCAサイクルの展開と計画の推進ができるよう、国から提供しているレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を活用して見える化したデータセット(提供データセット)、NDBオープンデータ、国保データベース(KDB)システムを含む健診・医療等の情報の活用方法について提案するとともに、地域においてデータを活用したPDCAサイクルの実践ができる人材育成方法を開発することを目的とする。
研究方法
第3期医療費適正化計画を平成29年度中に作成する都道府県のうち複数箇所を選定し、本研究への協力を依頼する。同計画策定のためのワーキンググループ等に参加して情報収集を行うとともに、提供データセット等の活用とPDCAサイクルの実践に必要な人材育成に関するインタビュー調査等を実施し、データの利活用に関する課題を抽出する。
結果と考察
承諾を得られたモデル県において同計画作成に研究班が協力しながら、平成30年度以降の実施状況の継続的な把握と評価のためには、どのように提供データセット等を活用し、PDCAサイクルを実践すればよいかを検討し、モデル県の意見を収集したところ、①利用可能なデータ、②利用可能なツール、③ツールの使い方、④分析方法、⑤解釈方法、⑥結果の見せ方(図表等)に関する課題が抽出された。これらの検討と意見を踏まえて、どのような追加情報が有用かをモデル県において検討を進めた。また、これらの過程において、医療費適正化計画の実施状況の継続的な把握と評価のためのデータ活用方法およびそれを容易にするための教材・ツール類の開発に取り組み、提供データセットの見える化ツール、NDBオープンデータの見える化ツール、KDBの経年分析ツール、都道府県・市区町村別、死因別SMRの経年推移の要約図、NDBの高速分析システムのプロトタイプを作成した。開発した教材・ツール類を活用して「読み解き方」を整理し、次年度に人材育成プログラムとしてまとめていく予定である。
結論
データの利活用に関する課題として、(1)データの入手・データセットの使い方、(2)データの分析(見える化を含む)・解釈の方法、(3)課題抽出、計画策定への評価結果の反映、(4)根拠に基づく目標値の設定や介入法の選定などが挙げられた。データセットそのものの課題として、PDCAサイクルの推進のために、適切なタイミングで最新版にアップデートすること、疾患別に経年変化を分析すること、保険者別の分析を行うことの必要性が挙げられた。また、提供データセット等の分析方法を開発し、データ分析のための教材・ツール類を開発した。
公開日・更新日
公開日
2018-11-27
更新日
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