社会構造の変化を反映し医療・介護分野の施策立案に効果的に活用し得る国際統計分類の開発に関する研究

文献情報

文献番号
201701006A
報告書区分
総括
研究課題名
社会構造の変化を反映し医療・介護分野の施策立案に効果的に活用し得る国際統計分類の開発に関する研究
課題番号
H29-政策-一般-001
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
今村 知明(公立大学法人奈良県立医科大学 医学部 公衆衛生学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 田嶼 尚子(東京慈恵会医科大学)
  • 中谷 純(札幌国際大学)
  • 小川 俊夫(国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科)
  • 今井 健(東京大学大学院医学系研究科 疾患生命工学センター 医工情報学部門)
  • 滝澤 雅美(国際医療福祉大学 医療福祉学部 医療福祉・マネジメント学科)
  • 緒方 裕光(女子栄養大学 疫学・生物統計学研究室)
  • 水島 洋(国立保健医療科学院 研究情報支援研究センター)
  • 佐藤 洋子(防衛医科大学)
  • 橋本 圭司(国立成育医療研究センター・臓器・運動器病態外科部)
  • 山田 深(杏林大学医学部・リハビリテーション医学)
  • 向野 雅彦(藤田保健衛生大学リハビリテーション医学I講座)
  • 木下 翔司(東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
18,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)は、わが国では死亡統計のみならず患者調査、DPCなどの医療保険制度、診療情報管理などに広く活用されている。ICD-11は2018年の公表に向けて構造や内容の最終調整が実施されているほか、フィールドトライアルなどにより実用性が検討される予定である。国際生活機能分類(ICF)は、わが国でも実用化に向けた検討が進んでいるが、ICFのさらなる活用への検討が必要である。わが国においては、ICDやICFの活用を検討することで、わが国の医療の実態を踏まえた分類を構築し、より適切な医療情報を将来的に確保する必要がある。
 本研究は、ICD改訂による影響がわが国の医療全般に関わることを念頭におき、わが国において適切な分類をとりまとめて提言することを目的とする。またICD及びICFがわが国にとってより適切な分類となるよう、WHOの検討の場で行うべき対応に資する基礎資料を作成することも目的である。
研究方法
 本研究は、ICD改訂作業の最新動向をWHO主催の各種会議等に参加して収集・分析したうえで、わが国としての対応について検討した。また、ICD-11国内検討会を組織してICD改訂に対するわが国の様々な意見を集約し、これらの意見を国際会議などの場で発信した。今年度は、メキシコで開催されたWHO-FICネットワーク会議やWHO本部へのヒアリングなどを通じてICD改訂の最新の状況を把握したほか、わが国のICD改訂に対する様々な意見をこれらの国際会議や学会などで意見発信を行った。また、ICD-11のコンテンツに関する各種分析やわが国への適用に向けた日本語化の検討を実施し、ICD-11のフィールドトライアルに参加したほか、ICFの活用について検討を行った。
結果と考察
 本研究の一環としてICD-11国内検討会を設置し、ICD改訂作業の問題点抽出や課題整理などを行った。2017年10月にメキシコで開催されたWHO-FICネットワーク会議に参加しICD改訂に向けた議論を行った他、ICD改訂の動向把握の一環としてWHO本部を訪問し、動向の最新情報を入手した。ICDに関連した研究としてICD-11の改訂組織について取りまとめたほか、ICD-11のV章に収載されるICFの内容に関する分析、ICDコーディングツールを含む日本語化の検討などを実施した。
 フィールドトライアル研究は、関連学会の協力により実施した。参加者には症例サマリーが割り当てられ、個別評価および全体評価の設問に回答した。ICF活用研究では、ICFの概念に基づいて開発された尺度とICFリハセットの機能について評価を行った。
結論
 今年度は、ICD改訂に向けたWHOの最新動向を調査しつつ、ICD-11国内検討会を通じて情報共有を行い、また日本からの意見として取りまとめて発信した。また、WHO-FIC年次会議など国際会議に研究分担者が出席し、改訂に向けた各国の最新状況を把握する中で日本から積極的に提案を行い、大きな成果を上げた。さらに、2018年のICD-11公開後の運用体制を把握したうえで、わが国としてのICD-11導入に向けた日本語化などの作業について検討を行った他、フィールドトライアルへの参加やICF活用に向けた研究を実施した。本研究は、国内での検討体制の確立や最新情報の共有、ICD改訂やICF活用における日本の国際的なプレゼンス向上については概ね目標を達成したといえよう。今後はICD-11及びICFの活用についてより具体的な議論が必要になると考えられ、さらなる議論および緻密なスケジュール管理が必要である。

公開日・更新日

公開日
2018-11-27
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2018-11-27
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201701006Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
19,050,000円
(2)補助金確定額
19,042,000円
差引額 [(1)-(2)]
8,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 3,830,973円
人件費・謝金 2,814,534円
旅費 7,016,343円
その他 4,343,683円
間接経費 1,050,000円
合計 19,055,533円

備考

備考
代表者(今村)班にて13,010円の自己資金、交付を受ける分担者(水島)班において523円の自己資資金および8,000円の返還が生じたため、確定額と支出合計に差異が出たもの

公開日・更新日

公開日
2019-05-16
更新日
-