文献情報
文献番号
201624018A
報告書区分
総括
研究課題名
AOPおよびIATAに立脚した国際的な安全性評価手法の確立
課題番号
H27-化学-指定-003
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
西川 秋佳(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター)
研究分担者(所属機関)
- 小島 肇(国立医薬品食品衛生研究所 安全性予測評価部室長)
- 小川久美子(国立医薬品食品衛生研究所 病理部長)
- 小野 敦(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 教授)
- 尾上誠良(静岡県立大学薬学部 薬物動態学 教授)
- 山田雅巳(国立医薬品食品衛生研究所 変異遺伝部室長)
- 山影康次(一般財団法人 食品薬品安全センター秦野研究所 研究開発部長)
- 仲井俊司(一般社団法人 日本化学工業協会 化学品管理部長)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
13,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、経済協力開発機構 (OECD: Organisation for Economic Co-operation and Development) の進める安全性評価の国際的な潮流に乗り、日本が得意とする分野で主導的にAOP (Adverse Outcome Pathway)やIATA (Integrated Approaches to Testing and Assessment)を提案することを目的とする。並行して化学物質の安全性評価のための行政試験法として見込みのある試験法について、バリデーションおよび第三者評価を実施または支援することにより、OECD試験法ガイドライン (TG: Test Guideline)を成立させることを目指す。
研究方法
具体的には、免疫抑制、生殖発生毒性、発がん性および光安全性に関する日本発のAOP案を作成し、また光安全性や免疫抑制について日本主導でIATA案の作成を進める。一方、in vitro皮膚感作性試験 ヒト樹状細胞株を用いた検出法 (h-CLAT: human Cell Line Activation Test)、in vitro発がん性スクリーニング Bhas形質転換試験 (Bhas法)、in vitroアンドロゲン受容体転写活性化法 (AR STTA: Androgen Receptor Mediated Stably Transfected Transcriptional Activation)、発生毒性試験スクリーニング Hand1-Luc EST (Embryonic Stem Cell Screening) および光安全性試験スクリーニング (ROS: Reactive Oxygen Species)アッセイ、遺伝毒性試験 チミジンキナーゼ遺伝子突然変異試験について、TGまたはガイダンスを成立させることを目指している。
結果と考察
これまでの成果として、昨年度の形質転換試験Bhas法のOECDガイダンス成立に引き続き、今年度のin vitro皮膚感作性検出法h-CLATおよびin vitro内分泌かく乱スクリーニング試験AR STTA法のOECD TG成立に寄与した。また、眼刺激性試験代替法Vitrigel-EITおよびLabCyte Cornea-model EITのTG案をOECDに申請した。次年度は、in vitro皮膚感作性試験IL-8 Luc、発生毒性試験スクリーニング試験Hand1-Luc ESTおよび光安全性試験スクリーニング試験ROSのOECD TG化を継続して推進する。また、「免疫抑制」および「光安全性」に関するAOPをOECDに提出し、「細胞傷害による発がん」および「生殖発生毒性」のAOP作成を継続する。OECDにおける「発がん性」、「皮膚感作性」および「眼刺激性」に関するIATA作成にも関与し、「光安全性」および「免疫抑制」のIATA作成についても引き続き検討する。
結論
これまでに、3つの新規試験法のOECDガイドライン化を完了するとともに、3つの新規試験法のガイドライン化を推進し、2つの新規試験法をOECDに申請した。2つのAOP案をOECDに提出し、2つのAOP案作成を継続した。2つのIATA案作成を継続するとともに、OECDでの3つのIATA作成に協力した。
公開日・更新日
公開日
2017-09-19
更新日
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