C型肝炎救済のための調査研究及び安全対策等に関する研究

文献情報

文献番号
201623021A
報告書区分
総括
研究課題名
C型肝炎救済のための調査研究及び安全対策等に関する研究
課題番号
H27-医薬-指定-012
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
山口 照英(日本薬科大学 薬学部)
研究分担者(所属機関)
  • 八橋 弘(国立病院機構 長崎医療センター)
  • 正木 尚彦(国立国際医療研究センター)
  • 岡田 義昭(埼玉医科大学 医学部)
  • 田中 純子(広島大学大学院医歯薬保健学研究院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
43,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 C型肝炎患者を対象としたアンケート調査に記載された内容(選択項目内容と自由記述)を分析することで、①今からカルテ調査を希望する人数、②カルテ調査が可能な人数(カルテ調査の条件を満たす人数)を明らかにし、全国規模での上記人数の概数を把握することを目的に自由記述記載者に関する解析をおこなった。
研究方法
 2015年10月1日から2016年2月29日までの期間、国立病院機構肝疾患専門医療施設および全国肝疾患診療連携拠点病院97施設にアンケート部数計10,817部を送付し、上記施設に通院中のC型肝炎患者を対象にアンケート調査用紙の配布をおこなった。2016年4月15日までに7,180部のアンケート用紙が回収された。
 アンケート回答者7,180人のうち、アンケートの質問項目である、
「D-2 治療、手術、出産等における輸血・血液製剤を受けられた医療機関に対して、フィブリノゲン等の血液製剤の投与について、今までにご自身のカルテ等の調査を依頼されたことがありますか。」
および
「D-3 治療、手術、出産等における輸血・血液製剤を受けられた医療機関に対して、フィブリノゲン等の血液製剤の投与について、その当時のご自身のカルテ等が保存されているか、製剤投与の記録が残っているかの調査を今から希望されますか。」
の問いに回答した対象者について詳細な検討をおこなうことで、「過去にカルテ調査を依頼した経験がある人」と「今からカルテ調査を希望する人」の実態を明らかにすることを試みた。
結果と考察
1.カルテ調査を希望する者、カルテ調査が可能な者の頻度と人数の推定
 1次調査の追加解析により、アンケート回答者7,180人のうち、「今からカルテ調査を希望すると回答した」人数は853人であった。そのうち、他の情報から調査可能な者の人数は551人(64.6%)であった。
また医療機関に現在通院していると考えられるC型肝炎患者数を50万人との、「今からカルテ調査を希望する」者の人数は6万人、そのうちカルテ調査可能な人数は3.8万人で、2.1万人ではカルテ調査をおこなう上で必要な項目を把握できていないと考えられた。また、カルテ調査が可能な3.8万人中、女性は2.5万人、小児は1,800人と推定された。

2.カルテ調査を希望する者と過去にカルテ調査を依頼した者との関連に関する解析
 「過去にカルテ調査を依頼したことがあると回答した」者でかつ「今からカルテ調査を希望すると回答した」者の人数は232人(23.3%)、「過去にカルテ調査を依頼したことがないと回答した」者でかつ「今からカルテ調査を希望すると回答した」者の人数は572人(57.4%)、「過去にカルテ調査を依頼したことがあると回答した」者でかつ「今からカルテ調査を希望するとは回答しなかった」者は193人(19.4%)であった。

3.カルテ調査意向に関して自由記述欄に記載の検討
 自由記述欄に記載のあった者の特徴解析より、感染経路で「輸血・血液製剤」を選択した2,476人の群と、選択しなかった4,704人の群では、自由記述欄の記載者数は、それぞれ703人(28.4%)と649人(13.8%)であり、感染経路で「輸血・血液製剤」を選択した群において自由記述欄の記載率は有意に高かった。
 「今からカルテ調査を希望する」を選択した853人中、自由記述欄に記載した者は352人(41.3%)と高い頻度であった。このうち、「過去にカルテ調査を依頼したことがあると回答した」232人の中で自由記述欄に記載した者は132人(56.9%)、「過去にカルテ調査を依頼したことはないと回答した」572人の中で自由記述欄に記載した者は205人(35.8%)であり、「過去にカルテ調査を依頼したことがあると回答した」集団において、自由記述欄の記載率は有意に高かった。
結論
 わが国の医療機関に現在通院加療していると考えられるC型肝炎患者数を50万人と仮定した場合、カルテ調査を希望する人は約6万人、カルテ調査可能な人(調査の条件を満たす人)は約3.8万人と考えられた。カルテ調査を希望し、かつカルテ調査が可能でかつ、アンケート調査用紙の自由記述欄に記載があり、C型肝炎の感染経路について関心が高いと推定される集団の人数は約1.6万人と推計した。

公開日・更新日

公開日
2017-12-25
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201623021Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
46,220,000円
(2)補助金確定額
46,220,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 6,533,533円
人件費・謝金 4,913,264円
旅費 2,472,376円
その他 32,302,255円
間接経費 0円
合計 46,221,428円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2017-12-11
更新日
-