ワクチンの品質確保のための国家検定に関する研究

文献情報

文献番号
201623010A
報告書区分
総括
研究課題名
ワクチンの品質確保のための国家検定に関する研究
課題番号
H27-医薬A-一般-004
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 篤(国立感染症研究所 品質保証・管理部)
研究分担者(所属機関)
  • 倉根 一郎(国立感染症研究所 所長)
  • 西條 政幸(国立感染症研究所 ウイルス第1部)
  • 浜口 功(国立感染症研究所 血液・安全性研究部)
  • 板村 繁之(国立感染症研究所 インフルエンザ研究センター)
  • 柊元 巌(国立感染症研究所 病原体ゲノム研究センター)
  • 石井 孝司(国立感染症研究所 ウイルス第2部)
  • 落合 雅樹(国立感染症研究所 品質保証・管理部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
3,140,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
国家検定制度は、製造販売承認制度、GMP調査制度及び製造販売後調査制度等と共に我が国に流通するワクチンの品質確保において根幹を成す医薬品規制制度の一つである。近年、感染症のグローバル化に伴い国家検定の国際標準化、あるいは医薬品の品質向上にあわせた制度の見直しが求められている。そこで、本研究では、ワクチン、血液製剤の品質を見極め、安心・安全を確保したうえで国家検定制度の効果的かつ効率的な改善を目的とする。
研究方法
ワクチンの国家検定にSLP審査が導入され、品質保証体制が質的に向上し、国家検定制度の国際的な調和が図られることになったが、血液製剤は未導入である。そこで、血液製剤についてもSLP審査を併用し、ワクチンと同様の品質確保を行う利点を検討した。また、我が国は国家検定を全てのロットに対して行っているが、SLP審査を全ロットに残し、国家検定の試験項目、試験実施頻度をワクチンの品質リスクに応じて変えるなどの仕組みの導入の可否について、調査、研究を行った。
結果と考察
ワクチンにSLP審査制度を導入してから4年余が経過し、SLP審査を通して多くの製品の製造と試験に関する情報の蓄積が進み、製品に対する理解も深まった。ワクチンの品質リスクを評価する手法を確立し、品質リスクに基づいた製品毎の検定試験項目の設定、全ロット試験の見直しについて検討した。国家検定の個別の試験項目については、実験動物を使用する規格試験を中心に代替試験法の開発と評価を行い、人道的エンドポイントを一部の試験に導入するなどの成果を得た。血液製剤の国家検定をワクチンと同様に国際的土台の上に載せる観点から、SLP審査の導入を血液製剤の製造販売業者5社と検討した。
結論
品質リスクを評価する試案を他国の実施状況を参考に研究班でワクチンの作成し、実際に各ワクチンを評価することにより、科学的に妥当な評価方法であることを確認した。品質のリスクに応じて検定試験項目の必要性、全ロット試験の見直しを検討する段階になった。血液製剤については、試験によって見極められない部分を書類審査で強化し国際的土台の上に載せる観点から、SLP審査の導入は必須とする研究班の提言書をまとめた。

公開日・更新日

公開日
2018-06-21
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2018-06-21
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201623010Z