食品中の微生物試験法の開発及びその実効性・妥当性評価に関する研究

文献情報

文献番号
201622003A
報告書区分
総括
研究課題名
食品中の微生物試験法の開発及びその実効性・妥当性評価に関する研究
課題番号
H26-食品-一般-003
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
五十君 静信(東京農業大学 応用生物科学部)
研究分担者(所属機関)
  • 松岡 英明(東京農工大学大学院 工学研究院)
  • 荻原 博和(日本大学 生物資源科学部)
  • 鎌田 洋一(岩手大学 農学部)
  • 岡田 由美子(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
  • 伊豫田 淳(国立感染症研究所 細菌第一部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
食品における微生物試験法のメソッドバリデーションの手法を検討し、統一した方向性を持ち、科学的根拠のある信頼性の高い標準試験法プロトコールの作成を行う。今後リスク評価の結果を受けて策定される食品の微生物基準に利用可能な試験法となるように国際的に互換性のある試験法を提供する。さらに、作成された標準試験法を精度高く実施するために必要な導入時の検証、微生物標準品の設定、試験精度の管理を実施するために必要な導入時の検証方法などの検討を行う。以上の内容を目的とした。
研究方法
“標準法検討委員会”を組織し、これまでの研究成果である標準試験法作成方針に従い、セレウス菌、エルシニア・エンテロコリチカ、食中毒起因菌毒素、衛生指標菌などの標準試験法の策定を行った。試験法の作成過程は国立医薬品食品衛生研究所web上に公開し広く意見を求めた。各試験法作成は、それぞれの作業部会を組織し、本研究班の代表、分担、協力研究者が具体的な標準法作成の作業にあたった。各作業部会は、“食品からの細菌標準試験法作成方針”に従い “標準法検討委員会”の評価を受けながら作業を進めた。妥当性確認ガイドラインの検討は、AOACインターナショナルのガイドライン及び、ISO 16140を元に、検討委員会のバリデーションガイドラインの作成を行った。
結果と考察
平成28度は、それぞれの試験法についてステージ2~4(最終ステージ)の検討を行った。年度内に“標準法検討委員会”を5回開催し、それぞれの試験法作成が適切に行われていることを確認すると共に、食品における微生物試験法のメソッドバリデーションの手法の検討を進めた。他の研究班で検討したウェルシュ菌標準試験法の定性法は検討委員会により検討を行い試験法案とした。妥当性確認については、AOACインターナショナルで提案されたガイドラインを参考にし、ISO 16140に示された項目と比較対照表を作成し、その異同について検討し、検討委員会のバリデーションガイドライン案の作成を行った。
結論
標準試験法作成方針に従い、セレウス菌、エルシニア・エンテロコリチカ、食中毒起因菌毒素、衛生指標菌などの標準試験法案を検討し各試験法を策定した。バリデーション手法については、ISO 16140の動向に合わせて国際整合性のある検討委員会のガイドライン案を作成した。

公開日・更新日

公開日
2017-07-04
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2018-05-25
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201622003B
報告書区分
総合
研究課題名
食品中の微生物試験法の開発及びその実効性・妥当性評価に関する研究
課題番号
H26-食品-一般-003
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
五十君 静信(東京農業大学 応用生物科学部)
研究分担者(所属機関)
  • 松岡 英明(東京農工大学大学院 工学研究院)
  • 荻原 博和(日本大学 生物資源科学部)
  • 鎌田 洋一(岩手大学 農学部)
  • 岡田 由美子(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
  • 伊豫田 淳(国立感染症研究所 細菌第一部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
食品における微生物試験法のメソッドバリデーションの手法を検討し、統一した方向性を持ち、科学的根拠のある信頼性の高い標準試験法プロトコールの作成を行う。今後リスク評価の結果を受けて策定される食品の微生物基準に利用可能な試験法となるように国際的に互換性のある試験法を提供する。さらに、作成された標準試験法を精度高く実施するために必要な導入時の検証、微生物標準品の設定、試験精度の管理を実施するために必要な導入時の検証方法などの検討を行う。
研究方法
“標準法検討委員会”を組織し、これまでの研究成果である標準試験法作成方針に従い、セレウス菌、エルシニア・エンテロコリチカ、食中毒起因菌毒素、衛生指標菌などの標準試験法の策定を行った。試験法の作成過程は国立医薬品食品衛生研究所web上に公開し広く意見を求めた。各試験法作成は、それぞれの作業部会を組織し、本研究班の代表、分担、協力研究者が具体的な標準法作成の作業にあたった。各作業部会は、“食品からの細菌標準試験法作成方針”に従い “標準法検討委員会”の評価を受けながら作業を進めた。妥当性確認ガイドラインの検討は、AOACインターナショナルのガイドライン及び、ISO 16140の作業部会の議論を元に、バリデーションガイドライン案の作成を検討した。衛生指標菌試験法については、国内の公定法とISOの示す衛生指標菌試験法を用いて同一の食品検体について試験を実施し、その結果の比較検討を行った。
結果と考察
本年度は、それぞれの試験法について作業部会案の作成とコラボ案作成に向けての検討(ステージ2から3)を行った。年度内に“標準法検討委員会”を5回開催し、それぞれの試験法作成が適切に行われていることを確認すると共に、食品における微生物試験法のメソッドバリデーションの手法の検討を進めた。他の研究班で検討したウェルシュ菌標準試験法の定量法は検討委員会により最終試験法とした。妥当性確認については、AOACインターナショナルで新たに提案されたガイドラインを参考にして、ISO 16140の改正案に示された項目と比較対照表を作成し、その異同について検討し、バリデーションガイドライン案の作成を進めた。衛生指標菌試験法については、国内の公定法とそれに相当するISOの示す衛生指標菌試験法を用いて同一の食品検体について試験結果を比較したところ、高い相関が示されたが、一部の検体では差異が認められた。
結論
標準試験法作成方針に従い、セレウス菌、エルシニア・エンテロコリチカ、食中毒起因菌毒素、衛生指標菌などの標準試験法案の検討を進めた。バリデーション手法については、ISO 16140の改正案の動向に合わせて国際整合性のあるガイドライン案の検討を進めた。衛生試験法については、試験結果の差異に関する基礎的な知見を蓄積した。

公開日・更新日

公開日
2017-07-04
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2018-05-25
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201622003C

成果

専門的・学術的観点からの成果
標準試験法作成方針に従い、セレウス菌、エルシニア・エンテロコリチカ、食中毒起因菌毒素、衛生指標菌などの標準試験法案を検討し各試験法を策定した。バリデーション手法については、ISO 16140の動向に合わせて国際整合性のある食品の微生物試験法の検討委員会での妥当性確認の基となるガイドライン案を作成した。
臨床的観点からの成果
本研究班の研究内容には、臨床的な内容は含まれていない。
ガイドライン等の開発
公定法として用いることの可能な標準試験法を策定し、国立医薬品食品衛生研究所のホームページ上にNIHSJ法として公開した。これらの試験法は、厚労省の審議会において食品の微生物基準の公定法として引用された。
その他行政的観点からの成果
ISO法といった国際整合性のある試験法と科学的根拠のある妥当性確認が行われた標準試験法を策定し、ホームページ上に公開した。平成27年8月のリステリア・モノサイトゲネスの微生物基準では公定法として研究班で検討した試験法が採用された。
その他のインパクト
平成29年度から、食品の微生物試験法を担当するISO/TC34/SC9のPメンバーとなり、同年6月に東京で、ISO/TC34/SC9総会を開催することが決定した。

発表件数

原著論文(和文)
1件
原著論文(英文等)
4件
その他論文(和文)
8件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
13件
学会発表(国際学会等)
4件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
リステリア・モノサイトゲネス微生物基準の公定法として採用された
その他成果(普及・啓発活動)
10件
食品衛生検査指針 微生物編2015監修

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Matsuoka H, Nakano K, Takatani N et al.
Flow cytometric method for in situ preparation of standard materials of a small defined number of microbial cells with colony- forming potentiality.
J AOAC Int. , 97 , 479-483  (2014)
原著論文2
H. Ogawa, S. Nasu, M. Takeshige et al.
Rapid and retrievable recording of big data of time-lapse 3D shadow images of microbial colonies.
Sci. Rep. , 5 , 10061-  (2015)
原著論文3
松岡英明、斉藤美佳子
微生物試験迅速法におけるバリデーションの課題
日本防菌防黴学会誌 , 43 (8) , 361-367  (2015)
原著論文4
Ogihara H, Kiribe N, Fukuda N et al.
Cronobacter spp. In commercially available dried food in Japan.
Biocontrol Sciences , 19 , 209-213  (2014)
原著論文5
Masuda K, Yamamoto S, Kubota K et al.
Evaluation of the dynamics of microbbiological quality in lightly pickled napa cabbages during manufacture.
J Food Safety. , 10 , 1111-  (2015)

公開日・更新日

公開日
2018-08-06
更新日
-

収支報告書

文献番号
201622003Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
10,000,000円
(2)補助金確定額
10,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 6,156,147円
人件費・謝金 1,253,600円
旅費 1,304,136円
その他 1,287,982円
間接経費 0円
合計 10,001,865円

備考

備考
超過分は、自己資金にて充当

公開日・更新日

公開日
2018-08-06
更新日
-