ドクターヘリの適正配置・利用に関する研究

文献情報

文献番号
201620048A
報告書区分
総括
研究課題名
ドクターヘリの適正配置・利用に関する研究
課題番号
H28-医療-指定-028
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
猪口 貞樹(東海大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 高山 隼人(長崎大学病院 地域医療支援センター)
  • 野田 龍也(奈良県立医科大学 健康政策医学講座)
  • 中川 雄公(大阪大学医学部附属病院 高度救命救急センター)
  • 鵜飼 孝盛(慶應義塾大学 理工学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
2,450,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 ドクターヘリの効率的かつ効果的な配備について提言することが本研究の目的である。併せてドクターヘリおよびそれ以外の医療関連ヘリ安全管理基準を検討する。
研究方法
 下記6つの課題について、それぞれ研究を実施する。
(1)ドクターヘリの数理モデル作成:ドクターヘリ適正配置の数理モデルを作成する。
(2)ドクターヘリの費用便益分析:支払意志額(WTP)を用いて費用便益分析を行う。
(3)ドクターヘリレジストリの分析:ドクターヘリレジストリの登録症例を用いて効果検証を行う。
(4)ドクターヘリ安全管理基準の作成:専門家の意見を集約して安全運航基準を作成する。
(5)ドクターヘリ以外の医療関連ヘリ安全管理基準の検討:実態調査を行う。
(6)患者搬送に用いるヘリコプターの機体に関する検討:ヘリコプターの機体について調査・検討する。
結果と考察
 本年度は、2年間の研究の1年目として、上記各課題について研究を実施した。
(1)ドクターヘリ適正配置数理モデルを作成するための評価指標等の検討および使用するデータの収集を行った。
(2)支払意志額(WTP)を用いた費用便益分析により、全国各地域のドクターヘリに対する便益を推定したところ、概ね8 割以上の病院では正味便益が正であるという結果が得られた。
(3)ドクターヘリレジストリの登録症例9,282例から分析用データベースを作成した。データを検証したところ、登録傷病等に顕著な偏りはなく、効果検証に耐えられるものと考えられた。
(4)専門家の意見を集約して「ドクターヘリの安全な運用・運航のための基準試案」を作成した。
(5)長崎県離島医師搬送システムを調査した。洋上飛行を前提にした安全装備がなされていたが、悪天候への対応について検討が必要と思われた。
(6)重症患者を搬送する本邦ドクターヘリでは、現行通りに双発エンジンの機体を使用すべきであるが、緊急性を要さない医師派遣や全身状態の安定した患者の搬送に対しては、単発エンジン機の活用も検討対象になると思われた。
結論
 各課題に対する1年目の調査・研究は順調に推移している。
 次年度、計画に従って研究を進める、ドクターヘリの費用便益分析・効果検証を行ったうえで、数理モデルを用いた適正配置の検討を実施し、またドクターヘリ安全管理基準を完成させる予定である。

公開日・更新日

公開日
2018-05-29
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201620048Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
2,700,000円
(2)補助金確定額
2,700,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 896,965円
人件費・謝金 0円
旅費 455,118円
その他 1,097,917円
間接経費 250,000円
合計 2,700,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2021-05-17
更新日
-