救急医療体制の推進に関する研究

文献情報

文献番号
201620047A
報告書区分
総括
研究課題名
救急医療体制の推進に関する研究
課題番号
H28-医療-指定-027
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
山本 保博(一般財団法人救急振興財団)
研究分担者(所属機関)
  • 横田 裕行(日本医科大学大学院)
  • 坂本 哲也(帝京大学医学部)
  • 森野 一真(山形県立中央病院)
  • 浅利 靖(北里大学医学部)
  • 成松 英智(札幌医科大学)
  • 高山 隼人(長崎大学)
  • 中尾 博之(兵庫医科大学医学部)
  • 織田 順(東京医科大学)
  • 野田 龍也(奈良県立医科大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
3,750,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
救急車による搬送人員の増加が予測される中、将来にわたり国民の安心、安全を確保するためには、救急医療体制、すなわち、疾病の発症から、消防機関等による救急搬送、救急医療機関での受入れ、診療までの体制を、より一層、強化・充実させる必要がある。本研究では、救急医療体制の現状分析を行うと共に、その体制を強化・充実させるための方策について提言することを目的とした。
研究方法
各研究分担者は、厚生労働省、総務省消防庁、自治体の公表している資料、新たに研究班で実施したアンケート調査などの分析、文献調査、会議形式の議論などを中心に研究を推進した。研究分担者は、研究代表者の調整のもと各研究の方向性を一致させた。
研究内容を次の通りとした。
【①病院前医療の課題】(ア)高齢者施設での急変時への救急対応と、救急医療機関との連携に関する研究(イ)救急救命処置に関する研究
【②救急医療機関の課題】(ウ)二次救急医療機関の現状と評価に関する研究(エ)救命救急センターの現状と評価に関する研究(オ)高度救命救急センターの現状と要件に関する研究
【③両者の連携を支援する体制】(カ)救急患者搬送受入の実態と実施基準の効果に関する研究(キ)ドクターヘリ・ドクターカーの活用と類型化に関する研究
結果と考察
高齢者施設での急変時への救急対応と、救急医療機関との連携に関する研究(橫田、中尾)では、高齢者救急医療では、患者情報や医療機関に関する情報が、緊急時の患者対応を決定する重要な資料になることなどがわかった。救急救命処置に関する研究(田邉)では、災害時の通信障害により医師から具体的指示を得られず、特定行為を実施できなかった事例が複数あることを確認できた。二次救急医療機関の現状と評価に関する研究(浅利、織田)では、厚生労働省二次救急医療機関現況調べのような規模で調査を実施すると我が国の二次救急医療機関の地域間の差異などの現状が明らかとなった。救命救急センターの現状と評価に関する研究(坂本)では、救命救急センターは、本年度さらに8施設増加し6年間で26%増となっている。救急車によって搬送された重症傷病者数(死亡も含む)は、近年減少傾向であることを考えると、救命救急センターは、対象とする傷病者ののびを上回って整備されており、救命救急センターの量的なあり方についての早急な検討が必要であることがわかった。ドクターヘリ・ドクターカーの活用と類型化に関する研究(高山、野田)では、ドクターカーは、医師を同乗させ、緊急走行が可能な車両と定義した。類型化に関しては、タイプA(消防要請による医師派遣型)、A-2(災害等での医師派遣型)、B(消防運用型)、C(転院搬送型)に分類した。
結論
救急医療体制の現状分析を行うと共に、その体制を強化・充実させるための方策について提言することを目的とし、救急搬送と医療機関の受入れ体制を ①消防機関による搬送、病院前救護などの病院前医療の課題 ②搬送された患者を受け入れる救急医療機関の課題 ③両者の連携に関する課題 の3分野に大別し研究を推進した。それぞれの分野について、救急医療体制の現状分析を行うと共に、その体制を強化・充実させる方策を提言した。

公開日・更新日

公開日
2018-06-07
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2019-05-21
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201620047Z