文献情報
文献番号
201619001A
報告書区分
総括
研究課題名
効率的な肝炎ウイルス検査陽性者フォローアップシステムの構築のための研究
課題番号
H26-肝政-一般-001
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
是永 匡紹(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 肝炎・免疫研究センター)
研究分担者(所属機関)
- 考藤 達哉(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター)
- 正木 尚彦(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター)
- 酒井 明人(富山県立中央病院)
- 榎本 大(大阪市立大学)
- 池田 房雄(岡山大学)
- 高口 浩一(香川県立中央病院)
- 的野 智光(鳥取大学医学部附属病院)
- 日高 勲(山口大学医学部附属病院)
- 坂口 孝作(福山市民病院)
- 井上 淳(東北大学病院)
- 島井 健一郎(千葉大学医学部附属病院)
- 斉藤 聡(横浜市立大学)
- 山下 智省(下関医療センター)
- 川波 祥子(産業医科大学)
- 相崎 英樹(国立感染症研究所)
- 吉岡 健太郎(藤田保健衛生大学)
- 米田 政志(愛知医科大学)
- 島上 哲朗(金沢大学附属病院)
- 井上 貴子(名古屋市立大学大学院)
- 石上 雅敏(名古屋大学)
- 飯島 尋子(兵庫医科大学)
- 坂本 穣(山梨大学)
- 吉澤 要(信州大学医学部附属病院)
- 持田 智(埼玉医科大学)
- 下田 和哉(宮崎大学)
- 上野 義之(山形大学)
- 松本 伸行(聖マリアンナ医科大学)
- 日浅 陽一(愛媛大学)
- 小川 浩司(北海道大学病院)
- 江口 有一郎(佐賀大学)
- 玄田 拓哉(順天堂大学医学部附属静岡病院)
- 本田 浩一(大分大学)
- 小野 正文(高知大学)
- 角田 圭雄(愛知医科大学)
- 近藤 泰輝(仙台厚生病院)
- 竹下 隆夫(結核予防会)
- 佐藤 秀一(島根大学)
- 末次 淳(岐阜大学)
- 上野 隆登(朝倉医師会病院)
- 小林 良正(浜松医科大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服政策研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
38,800,000円
研究者交替、所属機関変更
所属機関異動
研究分担者 島井健一郎
徳島大学病院 (平成24年6月1日~平成28年8月14日)→千葉大学医学部附属病院(平成28年8月15日以降)
研究分担者 角田圭雄
京都府立医科大学(平成24年4月1日~平成28年9月30日)→愛知医科大学(平成28年10月1日以降)
研究報告書(概要版)
研究目的
肝炎ウイルスはわが国の国民病と位置づけされながら、感染を知らないまたは定期受診をしない患者は140~200万と推測されている。治療の進歩により肝炎ウイルスは経口剤でcontrol可能、特にC型肝炎ウイルスでは一定期間内服するだけで、副作用が殆どなく高率にウイルス排除できる時代となり、肝炎ウイルス陽性者を治療舞台に上げることは急務である。
研究方法
自治体と協力したfollow up system拡充、ダイレクトメールを利用した新規のfollow up system拡充、電子カルテを活用した病院内非専門医から陽性者を抽出、事業所別に職域肝炎検診の拡充・個人情報保護法への対応、健診機関を利用した肝炎ウイルス検査勧奨の5つの重点項目から、地域に合わせた社会実証より成功事例を増加させ、汎用性の高いfollow up systemを開発し、肝炎情報センターが有する肝疾患連携拠点病院とネットワークを利用することで、各自治体・病院で利用=全国展開する。
結果と考察
研究班の構築したシステムを繰り返し導入することで、陽性者個別の現状把握ができ、受診率向上が明らかになった。その一方で、半数以上が個別勧奨をしても調査不明であること、またHBV陽性の受検率が低い事がわかり、その対策が今後の課題である。陽性者の行動変容を促す様なC型肝炎ウイルス陽性者へのリーフレットを作成し30自治体へ全国展開し、一部の地域では、リーフレット配布地域での、受検率やC型肝炎治療薬導入数に改善がみられた。大手カルテベンダーで肝炎ウイルス陽性者アラートシステムが、活用可能となった。導入の際に費用に問題があったが、本年度からレベルアップ時に無償で利用可能となっており、更なる全国展開が望まれる。「職域のための肝炎ウイルス検査導入マニュアル」を作成しweb上で公開した。職域健診実施時に肝炎ウイルス無料検査を同時に実施することにより、受診率が著明に改善し「無料・ついで」の有効性が確認された。
結論
① 肝炎フォローアップ体制の確立により、検診陽性者の動向を把握し、肝疾患対策のための疫学資料となる。②肝炎ウイルス陽性者が「受療」に円滑に進む為の「受診」の動機づけとして、C型肝炎ウイルス陽性者への行動変容を促すダイレクトメールを使用した受診勧奨の効果が確認され、リーフレットを工夫するだけで受検率が上昇することは判明され、様々な疾患で応用可能である
③電子カルテのアラートシステムを使用した受診勧奨は汎用性が高く、今後パッケージ化されることで費用も殆ど係らず、極めて有効なフォローアップシステムであり、肝炎に関わらず他疾患に応用可能である。全国で使用可能にするため、他社で対応可能なシステム開発やマニュアル作成、更にS医大で開発されたHBV再活性予防システムの全国展開を目指す④作成したマニュアルをホームページで公表し、産業医がいない中小企業にも職域領域の肝炎ウイルス検査促進に結び付く可能性がある。
⑤職域検診と肝炎ウイルス無料検診を同時に実施し、「ついで、無料」を掲げることにより、殆どが受検することがわかり、潜在性キャリア抽出に有効であり、同意書や告知の方法を工夫することで更なる受検率が上昇する
③電子カルテのアラートシステムを使用した受診勧奨は汎用性が高く、今後パッケージ化されることで費用も殆ど係らず、極めて有効なフォローアップシステムであり、肝炎に関わらず他疾患に応用可能である。全国で使用可能にするため、他社で対応可能なシステム開発やマニュアル作成、更にS医大で開発されたHBV再活性予防システムの全国展開を目指す④作成したマニュアルをホームページで公表し、産業医がいない中小企業にも職域領域の肝炎ウイルス検査促進に結び付く可能性がある。
⑤職域検診と肝炎ウイルス無料検診を同時に実施し、「ついで、無料」を掲げることにより、殆どが受検することがわかり、潜在性キャリア抽出に有効であり、同意書や告知の方法を工夫することで更なる受検率が上昇する
公開日・更新日
公開日
2017-11-21
更新日
-