血液製剤によるHIV/HCV重複感染患者の肝移植に関する研究

文献情報

文献番号
201618013A
報告書区分
総括
研究課題名
血液製剤によるHIV/HCV重複感染患者の肝移植に関する研究
課題番号
H27-エイズ-指定-003
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
江口 晋(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 江川 裕人(東京女子医科大学 消化器外科 教授)
  • 江口 英利 (大阪大学大学院 消化器外科 准教授)
  • 遠藤 知之(北海道大学病院 血液内科 講師)
  • 上平 朝子(大阪医療センター 感染症内科 科長)
  • 玄田 拓哉(順天堂大學医学部附属静岡病院 消化器内科 准教授)
  • 國土 典宏(東京大学 大学院医学系研究科 肝胆膵外科、人工臓器移植外科 教授)
  • 嶋村 剛(北海道大学病院 臓器移植医療部 准教授)
  • 高槻 光寿(長崎大学大学院 移植・消化器外科 准教授)
  • 塚田 訓久(国立国際医療研究センタ― エイズ治療・研究開発センター 医療情報室長)
  • 中尾 一彦(長崎大学大学院 消化器内科 教授)
  • 八橋 弘(長崎医療センター 臨床研究センター 臨床研究センター長)
  • 四柳 宏(東京大学医科学研究所 教授)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策政策研究
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
31,524,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
血液製剤を介してのHIV/HCV重複感染が社会問題となっている本邦においては、肝不全に対する治療の選択肢として肝移植治療を安定して供給することは社会からの要請であり、患者救済のため急務である。
本研究の目的は、HIV/HCV重複感染者における肝移植適応基準および移植周術期のプロトコルを確立することである。
研究方法
・肝移植適応基準の検証・確立:これまでの研究に基づき重複感染者における脳死登録ポイントのランクアップを行い、早期に登録可能となったが、これはChild-Pugh分類に基づいて緊急度を点数化したものが基準となっている。H29年度から、より客観性の高いMELD(Model for end-stage liver disease)スコアによる緊急度評価に変更予定であるため、同基準によるランクアップの要否および加点システムの構築を検討する。
・肝細胞癌調査:HCV感染は肝細胞癌(hepatocellular carcinoma, HCC)の高リスクであり、HCCは肝移植の成績を左右する重要な因子であるため、HCC合併の実態を全国のエイズ診療施設へアンケート調査することとする。
結果と考察
血液製剤によるHIV/HCV重複感染患者においては、HCV単独感染と異なり肝の線維化および肝不全が急激に進行するため、脳死肝移植登録基準について緊急度を一段ランクアップして登録することが可能となった。この新基準により、現在2例に脳死肝移植を施行して良好な短中期成績を得ている。来年度より登録基準が従来のChild-Pugh分類からModel for end-stage liver disease(MELD)による数値化に変更される予定であるため、緊急度ランクアップをどう適用するかを過去の文献的報告や本邦での脳死肝移植における患者の重症度データもとに算出し、新たな基準を策定した。また、HCCの合併については文献的にHCV単独の場合と比較して、・若年発症が多い、・瀰漫/浸潤型が多い、・CD4数で予後が規定される、等の報告があるが、国内の血液製剤による感染者のデータは不明である。HCCは肝移植予後を左右する重要な因子であるためアンケート調査を開始し、現在38例の症例を集積できた。今後これらの症例をさらに集積/解析し、従来の基準(ミラノ基準)が妥当であるか否かを検討していく。
結論
 脳死肝移植登録基準の変更へ迅速に対応できた。今後、この変更が妥当であるか否かを症例の集積により解析していく必要がある。また、HCC合併症例の調査を行い、本邦の重複感染者における特徴を解析して肝移植適応を明らかにしていく。

公開日・更新日

公開日
2017-10-26
更新日
-

研究報告書(PDF)

総括研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2017-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201618013Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
31,524,000円
(2)補助金確定額
31,524,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,840,000円
人件費・謝金 2,600,000円
旅費 4,000,000円
その他 6,524,000円
間接経費 0円
合計 14,964,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2017-10-26
更新日
-