文献情報
文献番号
201616019A
報告書区分
総括
研究課題名
強度行動障害に関する支援の評価及び改善に関する研究
課題番号
H28-身体・知的・指定-001
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
志賀 利一(独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園 事業企画局研究部)
研究分担者(所属機関)
- 五味 洋一(国立大学法人筑波大学ダイバーシティ・アクセシビリティ・キャリアセンター)
- 大原 裕介(北海道医療大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
2,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、障害福祉サービス事業所等において強度行動障害者への質の高い支援が全国に広がっているかどうかを検証し、その支援の結果として行動障害の軽減が図られ、社会生活を快適に過ごせる事例を多く生み出している地域の取り組み(条件)を明らかにすることで、今後の強度行動障害者支援に関する施策の在り方について提言することを目的とする。
研究方法
①支援者が標準的な支援を学ぶために:強度行動障害支援者養成研修のサポートデスクを設置し、同研修のモデルプログラム(指導者研修)の内容の改定を行うと同時に各都道府県で実施されている同研修(含む行動援護従業者養成研修)の実施をサポートする他、平成28年度の実施状況ならびに修了者数といった量的な視点からの評価を行う(都道府県悉皆)。また、地域毎の同研修の開催方法の工夫や課題を調査し、さらに都道府県や市町村独自で実施されている強度行動障害者支援に関する様々な人材養成事業等のヒアリング調査を行い、その内容と効果について考察する。
②支援の質の高い事業所運営に向けて:研修で定められている標準的な支援方法が、実際に事業所等でどのように応用されているか実態調査ならびに評価を行い、強度行動障害支援者養成研修を効果的にするための課題と解決策を明確にする。同時に、強度行動障害者支援の実績ならびに成果をあげている障害福祉サービス事業所等の特徴を明らかにし、障害福祉サービス事業所等における強度行動障害者支援のサービスの質が客観的に見える指標の検討を行う。
③地域におけるモデル的な施策とネットワーク構築:強度行動障害特別処遇事業当時から長期間支援を行っている事業所における事例検討ならびに追跡調査から、医療機関との連携を含め、効果的な支援やサービス内容を明確にする。同時に、障害福祉サービス事業ならびに地域の関係機関との連携を含めた、地域単位で求められる強度行動障害者支援の在り方についてもモデルとして提案する
②支援の質の高い事業所運営に向けて:研修で定められている標準的な支援方法が、実際に事業所等でどのように応用されているか実態調査ならびに評価を行い、強度行動障害支援者養成研修を効果的にするための課題と解決策を明確にする。同時に、強度行動障害者支援の実績ならびに成果をあげている障害福祉サービス事業所等の特徴を明らかにし、障害福祉サービス事業所等における強度行動障害者支援のサービスの質が客観的に見える指標の検討を行う。
③地域におけるモデル的な施策とネットワーク構築:強度行動障害特別処遇事業当時から長期間支援を行っている事業所における事例検討ならびに追跡調査から、医療機関との連携を含め、効果的な支援やサービス内容を明確にする。同時に、障害福祉サービス事業ならびに地域の関係機関との連携を含めた、地域単位で求められる強度行動障害者支援の在り方についてもモデルとして提案する
結果と考察
①支援者が標準的な支援を学ぶために:
■のぞみの園内に強度行動障害支援者養成研修のサポートデスクを設置し、同研修に関する都道府県及び担当者達からの問合せについて適時対応を行った(53件)。
■47都道府県の障害保健福祉主幹部(局)を対象に,郵送方式でのアンケート調査を7月11日~27日の期間で行った。なお平成29年6月に実施結果等について、アンケート調査を行う予定である。
■平成29年1月12日(木)に指導者研修のインストラクターを中心とした「強度行動障害支援者養成研修のプログラム及び運営・実施に関する検討会」を開催し、次年度のプログラム内容や修正点について検討した。
②支援の質の高い事業所運営に向けて:
■強度行動障害支援者養成研修において定められている構造化を中心とした標準的な支援方法がどのように実践されているのか、2事業所に実地調査を行った。
■こうした強度行動障害者への適切な対応は、職員個人ではなく事業所単位でしか実現できないことから、8事業所の関係者から聴き取りを行い、強度行動障害に適切に対応できる事業所が増えていくための「事業所の成長プロセスチェックシート」、並びに標準的な支援方法の実施状況を事業所自らが把握するための「強度行動障害支援に携わる事業所の質の評価チェックシート」の試作版をそれぞれ作成した。平成29年度にプレ調査を実施予定である。
③地域におけるモデル的な施策とネットワーク構築:
■11月7日(月)「平成28年度強度行動障害支援者養成研修フォローアップ研修」を開催した。強度行動障害特別処遇事業実施4施設からの長期実践レポートの他、有識者によるシンポジウムを行った(参加者数219人)。
■のぞみの園内に強度行動障害支援者養成研修のサポートデスクを設置し、同研修に関する都道府県及び担当者達からの問合せについて適時対応を行った(53件)。
■47都道府県の障害保健福祉主幹部(局)を対象に,郵送方式でのアンケート調査を7月11日~27日の期間で行った。なお平成29年6月に実施結果等について、アンケート調査を行う予定である。
■平成29年1月12日(木)に指導者研修のインストラクターを中心とした「強度行動障害支援者養成研修のプログラム及び運営・実施に関する検討会」を開催し、次年度のプログラム内容や修正点について検討した。
②支援の質の高い事業所運営に向けて:
■強度行動障害支援者養成研修において定められている構造化を中心とした標準的な支援方法がどのように実践されているのか、2事業所に実地調査を行った。
■こうした強度行動障害者への適切な対応は、職員個人ではなく事業所単位でしか実現できないことから、8事業所の関係者から聴き取りを行い、強度行動障害に適切に対応できる事業所が増えていくための「事業所の成長プロセスチェックシート」、並びに標準的な支援方法の実施状況を事業所自らが把握するための「強度行動障害支援に携わる事業所の質の評価チェックシート」の試作版をそれぞれ作成した。平成29年度にプレ調査を実施予定である。
③地域におけるモデル的な施策とネットワーク構築:
■11月7日(月)「平成28年度強度行動障害支援者養成研修フォローアップ研修」を開催した。強度行動障害特別処遇事業実施4施設からの長期実践レポートの他、有識者によるシンポジウムを行った(参加者数219人)。
結論
強度行動障害者支援の初級的な研修に位置づけられる強度行動障害支援者養成研修は、毎年全国で約1万人規模の修了者を出すまでに成長している。しかし「より専門的で実際の現場で変化が見られる人材養成の仕組みのニーズが高い」、「様々な規模等、強度行動障害者支援の役割が異なる事業所の支援の質を統一した視点で評価することは困難」「しかし、いくつかの共通した視点が存在すること、質を評価する視点が異なること」、「ある程度の人口のある圏域単位で強度行動障害の施策やネットワーク構築が必要であること」が課題として明らかになった。またこれらの課題解決に向け、いくつかの地域・事業所で実践されていることが分かった。
公開日・更新日
公開日
2019-02-07
更新日
-