文献情報
文献番号
201616018A
報告書区分
総括
研究課題名
医療的管理下における介護及び日常的な世話が必要な行動障害を有する者の実態に関する研究
課題番号
H27-身体・知的-指定-001
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
市川 宏伸(日本発達障害ネットワーク 調査研究委員会)
研究分担者(所属機関)
- 内山 登紀夫(大正大学 心理社会学部)
- 井上 雅彦(鳥取大学 医学系研究科)
- 志賀 利一(国立重度知的障害者総合施設のぞみの園)
- 高橋 和俊(社会福祉法人侑愛会・おしま地域医療センター)
- 田中 恭子(熊本大学医学部 児童精神医学)
- 堀江 まゆみ(白梅学園大学 こども学部)
- 會田 千重(国立病院機構肥前精神医療センター)
- 小倉 加恵子(森之宮病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
2,308,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
知的・発達障害児者の医療は、その本質に関係する行動などへのものだけでなく、身体的なものも含めて不十分である。その理由としては、被治療者側が十分に疾病を訴えないだけではなく、治療者側が求める治療を訴えないことにあると考えられる。本研究では、行動障害を持つ福祉的支援が必要な知的・発達障害者に対してどのような医療(小児科、精神科、療養介護や医療型障害児入所支援など様々な形態)」が行われており、福祉施設に勤務する職員はどうあるべきと考えているかを調査し、望ましい方向を提起することを目的としている。
現在、多くの知的・発達障害施設では、「利用者の高齢化への対応」、「強度行動障害者への対応」の二つに悩んでおり、これらはいずれも医療的対応を必要としている。医師を初めとする医療者は、これらの医療にどのような貢献をし、どのような方向性が必要と考えているか調査した。同時にこれらの人々への“障害者人間ドック”の実施状況と、今後の発展的対応への報告性を調査した。
これまで、これらの課題の存在は知られていたが、障害福祉施設における医療分野の課題把握を正面から取り上げて来た研究は乏しかった。この研究ではこれらの調査研究をもとに、国内だけでなく諸外国の先進的な方策も参照して、具体的支援や人材育成のモデルの提案を行う事を目的としている。
現在、多くの知的・発達障害施設では、「利用者の高齢化への対応」、「強度行動障害者への対応」の二つに悩んでおり、これらはいずれも医療的対応を必要としている。医師を初めとする医療者は、これらの医療にどのような貢献をし、どのような方向性が必要と考えているか調査した。同時にこれらの人々への“障害者人間ドック”の実施状況と、今後の発展的対応への報告性を調査した。
これまで、これらの課題の存在は知られていたが、障害福祉施設における医療分野の課題把握を正面から取り上げて来た研究は乏しかった。この研究ではこれらの調査研究をもとに、国内だけでなく諸外国の先進的な方策も参照して、具体的支援や人材育成のモデルの提案を行う事を目的としている。
研究方法
研究体制は、全体の統括を<市川>が行い、①医療機関の調査については、福祉施設医療の部分を<市川、高橋、田中>、②医学会加盟医師の福祉への関与については、<市川、小倉>、強度行動障害を中心とした医療については、<市川、會田、志賀、井上>、③障害者人間ドックなどの健康診断については、<志賀、市川>が行った。
実施する調査は、福祉施設及び医療関係職員、医学会加盟医師等にアンケートを行い、知的・発達障害児者への医療の実情及び望ましい医療の方向性を調べた。スケジュールは、1年目に地域の関係機関を対象に調査を行い、海外の先進的事例を調査した。2年目は全国的障害施設調査と更に医学会加盟医師にアンケートを行い、3年目には障害福祉分野の医療が、知的・発達障害児のライフステージ全体の中で果たす役割を提起し、専門的対応技術やマネジメント手法の強化に関する人材育成方法を中心に提案する。
今年度は研究目的に記述したような研究を行った。
実施する調査は、福祉施設及び医療関係職員、医学会加盟医師等にアンケートを行い、知的・発達障害児者への医療の実情及び望ましい医療の方向性を調べた。スケジュールは、1年目に地域の関係機関を対象に調査を行い、海外の先進的事例を調査した。2年目は全国的障害施設調査と更に医学会加盟医師にアンケートを行い、3年目には障害福祉分野の医療が、知的・発達障害児のライフステージ全体の中で果たす役割を提起し、専門的対応技術やマネジメント手法の強化に関する人材育成方法を中心に提案する。
今年度は研究目的に記述したような研究を行った。
結果と考察
昨年度に福祉施設機関(看護職員、医師などを含む東京都社会福祉協議会加盟機関、渡島地域療育センター、望みの園など)を対象に行った結果と、本年度に手をつなぐ育成会などを対象に行った結果に大きな違いはなかった。医療機関への調査でも、昨年度の医療機関(全児協、国立病院機構など)への調査と、今年度の日本精神病院協会などへの調査でも大きな違いはみられなかった。医師への調査も、今年度は日本児童青年精神医学会、日本小児神経学会を対象に医師調査を行ったが、昨年度の結果と大きな違いは見られなかった。また“障害児者人間ドック”については、実績のある杉並区の例、今後の方向性を模索している大牟田市ともに、昨年度と大きな違いはなかった。これらと、利用・保護者の要望について検討を行った。
結論
知的・発達障害児者の医療の乏しさの現状、その背景要因などを明らかにするとともに、先進的に行われている地域の現状、海外の先進的取り組みを参照に、最終年度は、今後の行政の方向性等について、提言を行っていく予定である。同時にこれらの調査結果については、別途刊行物にする予定である。
公開日・更新日
公開日
2017-06-14
更新日
2017-08-16