文献情報
文献番号
201616011A
報告書区分
総括
研究課題名
障害者福祉施設およびグループホーム利用者の実態把握、利用のあり方に関する研究
課題番号
H28-身体・知的-一般-005
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
遠藤 浩(独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園)
研究分担者(所属機関)
- 口分田 政夫(日本重症心身障害福祉協会・理事)
- 大塚 晃(上智大学総合人間科学部社会福祉学科・教授)
- 谷口 泰司(関西福祉大学社会福祉学部・教授)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
6,910,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、地域生活を希望する障害者の様々な状態像にマッチした支援の在り方について明らかにすると同時に、新たに障害福祉サービスを利用すると想定される対象者像と必要とする支援内容について考察し、今後の障害福祉サービスに求められる機能を明らかにすることを目的とする。
研究方法
①障害者支援施設における利用者の入退所の実態に関する調査:平成25年のWAM NETに掲載されていた全国の障害者支援施設2,612事業所を対象に、郵送方式によるアンケート調査を、平成28年9月28日~10月12日の期間で行った。
②相談支援事業所等における単身生活者等の相談の実態:全国の相談支援事業所、障害者就業・生活支援センター3,013カ所を対象に、往復葉書によるアンケート調査を、平成28年8月1日~18日の期間で行った。さらに、そのうち2カ所に対してプレ調査を実施し、今後の2次調査の調査票の設計について検討した。
③重度障害者等包括支援事業のサービス利用の実態と運営上の課題:重度障害者等包括支援事業を実施している10事業所全てを対象に、3事業所については訪問によるヒアリング調査、7事業所については電話によるヒアリング調査を、平成28年10月~29年1月の期間で行った。
④グループホームにおけるスプリンクラー設置(予定含む)状況:全国のグループホーム7,885事業所を対象に、往復葉書によるアンケート調査を、平成28年10月31日~11月14日の期間に行った。さらに、設置義務があるものの設置を踏み止まっている事業所数を把握することを目的に、1次調査の結果を精査して抽出した587事業所を対象に、郵送によるアンケート調査を、平成29年1月末から2月14日の期間で行った。
⑤障害支援区分における区分「なし」の者に対する一次判定調査結果:「全国就労移行支援事業所連絡協議会」の協力により、メーリングリストを活用して、就労移行支援事業所の利用者の認定調査項目(80項目)の評価の要請を、平成28年9月15日~30日の期間で行った。
②相談支援事業所等における単身生活者等の相談の実態:全国の相談支援事業所、障害者就業・生活支援センター3,013カ所を対象に、往復葉書によるアンケート調査を、平成28年8月1日~18日の期間で行った。さらに、そのうち2カ所に対してプレ調査を実施し、今後の2次調査の調査票の設計について検討した。
③重度障害者等包括支援事業のサービス利用の実態と運営上の課題:重度障害者等包括支援事業を実施している10事業所全てを対象に、3事業所については訪問によるヒアリング調査、7事業所については電話によるヒアリング調査を、平成28年10月~29年1月の期間で行った。
④グループホームにおけるスプリンクラー設置(予定含む)状況:全国のグループホーム7,885事業所を対象に、往復葉書によるアンケート調査を、平成28年10月31日~11月14日の期間に行った。さらに、設置義務があるものの設置を踏み止まっている事業所数を把握することを目的に、1次調査の結果を精査して抽出した587事業所を対象に、郵送によるアンケート調査を、平成29年1月末から2月14日の期間で行った。
⑤障害支援区分における区分「なし」の者に対する一次判定調査結果:「全国就労移行支援事業所連絡協議会」の協力により、メーリングリストを活用して、就労移行支援事業所の利用者の認定調査項目(80項目)の評価の要請を、平成28年9月15日~30日の期間で行った。
結果と考察
①については、障害者支援施設に新規に入所する障害者は、45歳以上65歳未満が多く、グループホームから心身機能の低下が顕著、高齢化等により同居家族の介護・支援が受けられなくなる、加齢による病気・疾病における入院後の受け皿として、障害者支援施設が機能していることがうかがわれた。②については、相談支援事業所等が相談を受けた単身生活者の傾向として、20代や65歳以上は1割弱と少なかったこと、主な障害種別は、精神障害者が最も多かったこと、障害支援区分は、「不明・非該当」「区分1・2」で7割を占めており、比較的障害の軽い者が多いことが明らかとなった。③については、重度障害者等包括支援事業10カ所全てにヒアリング調査を行い、Ⅰ類型については事業開始当初を除き利用実績はなく、継続的に利用実績があったのはⅡ類型とⅢ類型であったが、一方で、度重なる制度改正に取り残される、煩雑な事務負担が大きいといった事業所の運営上の課題が明確になった。④については、グループホームを対象に、スプリンクラーの設置状況や設置計画、入居者概要等について調査を行い、設置義務があるものの設置していない事業所のうち、明確な方針が定まっていない事業所が17カ所確認され、早急に今後の方針について検討することの必要性が確認された。⑤については、グループホームで生活する「区分なし」の障害者の状態像を調べる上で、就労移行支援事業所を対象としたパイロット調査を行い、訓練等給付受給者の障害支援区分が明記されていない(非該当・不明・区分なしと記されている)場合、一次判定を実施するとほとんどが区分1~3の結果が出ると推測された。
結論
住まいの在り方を中心とした現段階での障害福祉サービスの問題点を整理し、平成29年度調査の政策の提言に向けて準備を行う。
公開日・更新日
公開日
2017-05-31
更新日
-