失語症患者の障害者認定に必要な日常生活制限の実態調査及び実数調査等に関する研究

文献情報

文献番号
201616002A
報告書区分
総括
研究課題名
失語症患者の障害者認定に必要な日常生活制限の実態調査及び実数調査等に関する研究
課題番号
H26-身体・知的-一般-001
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
飯島 節(国立障害者リハビリテーションセンター 自立支援局)
研究分担者(所属機関)
  • 種村 純(川崎医療福祉大学)
  • 藤井 俊勝(東北福祉大学)
  • 中島 八十一(国立障害者リハビリテーションセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
5,233,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
失語症は身体障害者手帳(音声言語機能の障害)の対象障害でありながら、脳血管障害による失語症者は必然的に高齢者が多く、介護保険対象となるため、本邦における実数把握は十分でない。そこで福祉サービスに係る社会的ニーズと経費等の算出を可能にするために発症数等を調査する。
一方で、失語症者がもつ日常生活及び社会生活における支援ニーズを失語症単独の障害者を調査することで、失語症がもたらす生活困難の実態を調査することにした。
研究方法
実数調査は前年度までの調査結果を集約分析した。
失語症者の生活実態を知るために東京都、千葉県、兵庫県、岡山県で70歳未満かつ運動麻痺を伴わない失語症者24名を対象に生活実態を調査した。障害程度は身体障害者手帳(音声言語機能の障害)の3級または4級であった。
結果と考察
全国の失語症新規発生数は年間およそ6万人と推定され、その中の3万6千人程度が障害程度を問わず後遺症を遺すと考えられた。介護保険関連施設では年齢、障害程度を問わなければ失語症をもつ者は30万人に達する可能性があり、検証を必要とする。
実態調査の対象となった失語症者の大多数は身体介助支援を必要とせず、家庭内での衣食住に関する生活は概ね自立していると言える。この点で現在の障害程度の評価には一定の妥当性がある。一方で電話に代表されるように他者とのコミュニケーションを必要とする場面では家庭内、社会生活を問わず困難が目立った。また計算を必要とする場面での困難も高く、十分な支援策が取られる必要がある。
結論
失語症者の障害程度は現行の制度では妥当であるが、失語症者に特有のコミュニケーション障害や計算障害に関して適切に認定結果に反映されるよう、認定要領等で具体例をわかりやすく示すなどの対応が効果的と考えられる。また、日常生活のみならず就労や意思決定に向けて施策の充実が望まれ、障害支援区分での判定で考慮する必要がある。

公開日・更新日

公開日
2017-05-30
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2017-05-31
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201616002B
報告書区分
総合
研究課題名
失語症患者の障害者認定に必要な日常生活制限の実態調査及び実数調査等に関する研究
課題番号
H26-身体・知的-一般-001
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
飯島 節(国立障害者リハビリテーションセンター 自立支援局)
研究分担者(所属機関)
  • 種村 純(川崎医療福祉大学)
  • 藤井 俊勝(東北福祉大学)
  • 中島 八十一(国立障害者リハビリテーションセンター )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
失語症は身体障害者手帳(音声言語機能の障害)の対象障害でありながら、脳血管障害による失語症者は必然的に高齢者が多く、介護保険対象となるため、本邦における実数把握は十分でない。そこで福祉サービスに係る社会的ニーズと経費等の算出を可能にするために発症数等を調査する。
一方で、失語症者がもつ日常生活及び社会生活における支援ニーズを失語症単独の障害者を調査することで、失語症がもたらす生活困難の実態を調査することにした。
研究方法
実数調査は前年度までの調査結果を集約分析した。
失語症者の生活実態を知るために東京都、千葉県、兵庫県、岡山県で70歳未満かつ運動麻痺を伴わない失語症者24名を対象に生活実態を調査した。障害程度は身体障害者手帳(音声言語機能の障害)の3級または4級であった。
結果と考察
全国の失語症新規発生数は年間およそ6万人と推定され、その中の3万6千人程度が障害程度を問わず後遺症を遺すと考えられた。介護保険関連施設では年齢、障害程度を問わなければ失語症をもつ者は30万人に達する可能性があり、検証を必要とする。
実態調査の対象となった失語症者の大多数は身体介助支援を必要とせず、家庭内での衣食住に関する生活は概ね自立していると言える。この点で現在の障害程度の評価には一定の妥当性がある。一方で電話に代表されるように他者とのコミュニケーションを必要とする場面では家庭内、社会生活を問わず困難が目立った。また計算を必要とする場面での困難も高く、十分な支援策が取られる必要がある。

結論
失語症者の障害程度は現行の制度では妥当であるが、失語症者に特有のコミュニケーション障害や計算障害に関して適切に認定結果に反映されるよう、認定要領等で具体例をわかりやすく示すなどの対応が効果的と考えられる。また、日常生活のみならず就労や意思決定に向けて施策の充実が望まれ、障害支援区分での判定で考慮する必要がある。

公開日・更新日

公開日
2017-05-30
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2017-05-31
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201616002C

収支報告書

文献番号
201616002Z