医療レセプト情報と介護レセプト情報の連結データベース作成ロジックの構築と、これを利活用した高齢者医療における地域の質指標に関する研究

文献情報

文献番号
201614007A
報告書区分
総括
研究課題名
医療レセプト情報と介護レセプト情報の連結データベース作成ロジックの構築と、これを利活用した高齢者医療における地域の質指標に関する研究
課題番号
H28-長寿-指定-003
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
松田 晋哉(産業医科大学 医学部・公衆衛生学)
研究分担者(所属機関)
  • 伏見 清秀(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科・医療政策情報学)
  • 藤森 研司(東北大学大学院医学系研究科医学部医療管理学分野・医療システム学)
  • 石川 ベンジャミン 光一(国立がんセンター社会と健康研究センター・臨床経済研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学政策研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
7,286,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、特定地域を対象として、医療レセプトデータ、介護レセプトデータなどの多様な医療介護情報を連結し、医療介護総合データベースを作成する。こうしたデータベース作成時の手法の開発等を提案すするとともにこのデータベースを利用し、医療介護を通した包括的な臨床の質評価等を検証することを目的とする。
研究方法
究方法は以下の通りである。
1)医療レセプトと介護レセプトの突合方法の検証
 2つのレセプトを突合するためには共通のIDを作成する必要がある。本研究では我々がすでに開発している手法を用いて、既存情報を基に共通IDを作成し匿名化を行っている広島県のデータを用いた。
2)医療・介護を総合した質評価指標の開発
 上記の共通IDに基づき、個人レベルで医療・介護が連結されたデータベースを用いて、以下のような検討を行った。
 ① 傷病別の発症及びケア過程の分析: 例えば、脳梗塞を発症した患者についてその前後の医療サービス・介護サービスの利用状況及び傷病の状況を把握し、脳梗塞の発症に至る過程及びその後のケアの状況を可視化した。
 ② 医療計画・介護保険事業計画との連結: 二次医療圏レベルでの地域評価を行ための指標群の作成を行った。

結果と考察
主な結果は以下のとおりである。
(1)医療保険レセプトと介護保険レセプトとの連結
我々の採用した方法は氏名、性、生年月日を暗号化し、突合を行う仕組みである。突合率は99%以上であった。非突合例は目視で突合を行った。悉皆的に突合するためにはユニークな社会保障番号のようなものが必要であると考えられる。
(2)分析結果の例
脳梗塞及び大腿骨骨頭近位骨折で急性期病院に入院した患者の入院前後のサービス利用状況を可視化した。この結果、例えば大腿骨骨頭近位骨折の場合、約40%の患者は入院6か月前にすでに介護保険を利用していたことが明らかとなった。また、急性期病院への入院後、3か月、6か月後の入院率、在宅復帰率などを二次医療圏ごとに可視化することが可能であることが示された。
結論
本研究の結果、以下のような結論を得た。
(1)医療保険レセプトと介護保険レセプトとの連結
氏名、性、生年月日を暗号化し、突合を行うことで99%以上はつなげることが可能であることが示された。
(2)医療介護統合レセプトの活用
地域包括ケア推進のために医療介護統合レセプトが有用であることが示された。

公開日・更新日

公開日
2017-10-03
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201614007C

収支報告書

文献番号
201614007Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
9,471,000円
(2)補助金確定額
9,471,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,791,760円
人件費・謝金 0円
旅費 53,740円
その他 5,440,500円
間接経費 2,185,000円
合計 9,471,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2018-06-05
更新日
-