指定難病制度の普及・啓発状況の把握および普及・啓発のための方法論の開発

文献情報

文献番号
201610119A
報告書区分
総括
研究課題名
指定難病制度の普及・啓発状況の把握および普及・啓発のための方法論の開発
課題番号
H28-難治等(難)-一般-037
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
和田 隆志(金沢大学 医薬保健研究域医学系)
研究分担者(所属機関)
  • 大木 隆生(東京慈恵会医科大学 外科学講座)
  • 佐々木 秀直(北海道大学大学院 医学研究院神経病態学分野 神経内科学教室)
  • 照井 正(日本大学医学部皮膚科学系皮膚科学分野)
  • 森 臨太郎(国立成育医療研究センター研究所 政策科学研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
3,840,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班では、指定難病および小児慢性特定疾病制度の普及・啓発状況の実態調査をおこない、疾病(群)ごとに最適な普及・啓発方法を検討・開発し、実際にそれらの方法を用いて普及・啓発を推進することを目的とする。
研究方法
本研究班の委員の所属する5学会(日本小児科学会、日本腎臓学会、日本神経学会、日本皮膚科学会、日本外科学会)における、指定難病制度の普及・啓発の状況を把握するための実態調査をおこなった。実態調査には本研究班にて作成したアンケートを使用し、各学会の評議員(又は代議員)および学会事務局を対象に、調査をおこなった。今後は、そのデータに基づき、疾病(群)ごとに最適な普及・啓発方法を検討する。
結果と考察
平成28年度は2回の班会議を開催した。班会議での議論を踏まえ、5学会(日本小児科学会、日本腎臓学会、日本神経学会、日本皮膚科学会、日本外科学会)を対象に指定難病制度の普及・啓発の状況を把握するための実態調査を行った。また、「指定難病制度の公平性を担保するための方法論の開発」班(千葉班)、「難病患者の地域支援体制に関する研究」班(西澤班)といった他の難病施策に関連する研究班とも密に連携を取り、情報共有を行った。
 日本小児科学会、日本腎臓学会、日本神経学会、日本皮膚科学会、日本外科学会の評議員(代議員)を対象に指定難病制度の普及・啓発の状況を把握するための実態調査をおこなった。
日本皮膚科学会からは、300人中194人の代議員(64.7%)から回答が得られた。日本腎臓学会からは、631人中194人の代議員(30.7%)から回答が得られた。日本外科学会からは336人中88人の代議員(26.2%)から回答が得られた。日本小児科学会および日本神経学会は平成29年4月10日現在集計中である。
 集計の終了した3学会の結果として、指定難病について、普及啓発が十分ではないという回答を得た(日本皮膚科学会は157人、日本腎臓学会は122人、日本外科学会は82人)。そして、「今後さらに指定難病の普及啓発を進めていくために、どのような点を改善すべきと考えますか?」との問いに対して、
① 「申請書類への記載項目を簡素化する」および「申請書類の様式を統一する」といった申請書類
② 各疾患のパンフレット・リーフレットの作成
③ 病院内に患者相談を受け付ける窓口の設置
④ 勉強会の開催
といった項目に多くの回答が寄せられ、普及・啓発を進めるために、どこを改善すべきか明らかとなった。
 所属する医療機関・教育機関において、指定難病や関連制度についての卒前教育と卒後教育が不十分であるという点も共通して指摘された。

考察
 集計の終了した3学会の実態調査の結果、指定難病に対する普及啓発の現状が示された。
 本研究班では、アンケート結果を踏まえて、今後さらに検討を行う必要があると考える。
(1) 難病情報センターのホームページの改定を提言する。ことに、分かりやすくするために各疾患の「病気の解説」の記載項目を統一した様式案を本研究班で提案する。この様式に沿って各研究班に「病気の解説」を作成していただくことを提言する。
(2) 各学会に学会活動の一環として研究班成果報告会等を行っていくことも提案する。
(3) 指定難病の情報を簡易に閲覧できるようなスマートフォンアプリの作成提案も検討する。
結論
特定疾患治療研究事業(旧事業)の対象疾病は56疾病から、平成29年4月からは330疾病にまで拡充され、恩恵は大きくなっている。一方、実態調査より普及、啓発の課題も明らかとなり、今後のさらなる普及、啓発に向けた改善の方策を検討する必要がある。

公開日・更新日

公開日
2017-05-22
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2017-05-29
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201610119Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
4,992,000円
(2)補助金確定額
4,992,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,648,379円
人件費・謝金 0円
旅費 184,120円
その他 1,007,501円
間接経費 1,152,000円
合計 4,992,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2018-02-19
更新日
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