先天性中枢性低換気症候群(CCHS)の診断基準・ガイドライン・重症度分類の確立

文献情報

文献番号
201610086A
報告書区分
総括
研究課題名
先天性中枢性低換気症候群(CCHS)の診断基準・ガイドライン・重症度分類の確立
課題番号
H28-難治等(難)-一般-004
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
長谷川 久弥(東京女子医科大学 東医療センター新生児科)
研究分担者(所属機関)
  • 早坂 清(山形大学 小児科学)
  • 佐々木 綾子(山形大学 小児科学)
  • 鈴木 康之(国立成育医療研究センター 手術集中治療部)
  • 山田 洋輔(東京女子医科大学 東医療センター新生児科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
770,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
CCHSは、国内では診断・治療指針が策定されておらず、統一された治療・管理が行われていない。的確な診断・治療・管理が欠如すると、低酸素脳症を惹起し、神経系に不可逆的なダメージを与え、脳性マヒや発達遅延の原因となる。患者本人および家族にとっても負担となり、福祉支援も必要であり、大きな社会的損失にもなりうる。本研究ではCCHSの診断基準、重症度分類、診療の手引きの作成を目的とする。
研究方法
全国からCCHS症例を紹介される主要施設を中心に、遺伝子変異型と臨床的特徴を明らかにし(早坂、佐々木担当)、炭酸ガス換気応答の遺伝子変異型別特徴、年齢的な変化を検討する。同時にCCHSの診断・治療指針のさらなる検討を行う。(長谷川、山田担当)。また、呼吸管理法の実態調査を行い、安全な呼吸管理法を周知し、顔面の変形などの合併症についても検討を行う(鈴木担当)。これらを基にCCHSの診療の手引き、診断基準、重症度分類の作成を行う。
結果と考察
1.診断について
 PHOX2B遺伝子変異、炭酸ガス換気応答試験を中心にCCHSの診断基準、重症度分類の確立を試みた。これらを日本小児呼吸器学会内に立ち上げたCCHSワーキンググループで検討を行った。また、第120回日本小児科学会学術集会(2017.4. 東京)においてCCHSに関するシンポジウムが開かれ、議論を深めた。CCHS家族会の全国集会であるCCHSファミリー会(2017.4.東京)において、将来的な内科への移行(transition)の問題も含め、成人の肺胞低換気症候群研究班代表者も交えた議論を行い、今後の連携と更なる検討の必要性が確認された。
2.治療および管理について
 非侵襲的人工換気、気管切開、横隔膜ペーシングなどについて、診断法と同様に第120回日本小児科学会学術集会(2017.4. 東京)においてCCHSに関するシンポジウムが開かれ、議論を深めた。また、CCHS家族会の全国集会であるCCHSファミリー会(2017.4.東京)において、医療関係者と患者本人、家族を交えたカンファレンスを行い、議論を深めた。
3.診断基準、重症度分類、診療の手引きの作成
 これまでの検討をふまえ、CCHS診断基準案、重症度分類案、診療の手引き2016年度版を作成した。

結論
CCHS診断基準案、重症度分類案、診療の手引き2016年度版を作成した。今後、さらなる検討を加え、CCHSの統一された診断、管理がなされ、予後改善に寄与することが期待される。

公開日・更新日

公開日
2017-05-25
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201610086Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
1,000,000円
(2)補助金確定額
1,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 639,411円
人件費・謝金 118,413円
旅費 0円
その他 13,924円
間接経費 230,000円
合計 1,001,748円

備考

備考
自己資金 1,748円

公開日・更新日

公開日
2018-02-19
更新日
-