免疫・アレルギー等研究に係る企画及び評価に関する研究

文献情報

文献番号
199800558A
報告書区分
総括
研究課題名
免疫・アレルギー等研究に係る企画及び評価に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成10(1998)年度
研究代表者(所属機関)
工藤 洋(国立相模原病院)
研究分担者(所属機関)
  • 秋山一男(国立相模原病院)
  • 柏原英彦(国立佐倉病院)
研究区分
厚生科学研究費補助金 先端的厚生科学研究分野 感覚器障害及び免疫・アレルギー等研究事業(免疫・アレルギー等研究分野)
研究開始年度
平成9(1997)年度
研究終了予定年度
平成11(1999)年度
研究費
20,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成4~6年度の厚生省アレルギー総合研究事業による調査により我が国のアレルギー疾患有病率は各世代を通じて人口の約30%であることが明らかになっている。気管支喘息発作死亡率は過去2O年間、人口10万対5~5.5人であったのが、最近特に青少年男子の死亡が増加しつつあることが明かとなり、問題となっている。リウマチ膠原病疾患においては、日常動作の困難に起因する患者のQOLの著しい低下が明かである。我が国の臓器移植の分野では臨床面では本年我が国で最初の脳死患者からの臓器移植が実施され、種々の問題が提起されたが、今後益々脳死患者からの臓器移植は盛んになることが予想される。このように脳死移植が現実となってきた今日において、その基本となる移植免疫の問題、基盤整備の問題、社会資源整備の問題等についての研究は益々重要になってきている。一方、骨髄移植は1980年頃から症例数の増加、成績の向上がみられ厚生省が中心となって骨髄バンクも設立され、今後益々骨髄移植は盛んに行われるものと思われる。このような状況下にあって、我が国の免疫・アレルギー、臓器・骨髄移植の研究分野において諸外国に負けない研究を実施するためには、適切な課題の設定、最適な研究者の選考、公正な研究費の配分、さらには厳密な研究成果の評価が必要不可欠であり、免疫・アレルギー研究の専門家等からなる評価委員会でこれらを適切に実施していくことが必須である。
研究方法
主任研究者を評価委員長とする免疫アレルギー等研究事業における事務局として分担研究者である秋山一男が免疫・アレルギー研究部門、柏原英彦が臓器移植部門の責任者として平成10年度の研究事業の事務局業務を行った。延べ10名の免疫アレルギー・臓器移植の専門家及び4名の行政側委員よりなる事前、中間事後評価委員会のもと14名の学識経験者に対して研究協力者として専門家側評価小委員(免疫アレルギー部門8名、臓器移植部門6名)を委嘱し2名の行政側評価小委員と合わせて評価小委員会を組織し、新規申請課題の事前評価を行った。平成10年度研究課題の中間事後評価は、7名の専門家委員及び3名の行政側委員により構成される中間事後評価委員会において実施され平成10年度研究課題平成11年度継続課題が採択された。平成11年度新規課題の採択案については7名(中間事後評価委員会と3名入れ替え)の専門家委員及び3名(中間事後評価委員会と1名入れ替え)の行政側委員により構成される事前評価委員会のもと14名の学識経験者からなる専門家側評価小委員及び2名の行政側評価小委員による第1次評価が実施され、その結果をもとに事前評価委員会において採択案が決定された。これら平成11年度継続課題及び新規採択課題案は厚生科学審議会研究企画部会へ報告された。
具体的な年間スケジュールは以下の通りである。
平成10年
8月20日 新規課題主任研究者会議
於:国立国際医療センター
平成11年
1月11日 平成11年度継続課題申請締め切り
1月13日 平成11年度新規公募課題官報告示
2月 6日 骨髄移植部門:平成10年度研究業績報告会
於:都立駒込病院
2月16日 新規課題公募締め切り
2月16日 免疫・アレルギー部門(アレルギー部門):
平成10年度研究業績報告会
於:KKR HOTEL TOKYO
2月17日 免疫・アレルギー部門(リウマチ膠原病部門):
平成10年度研究業績報告会
於:KKR HOTEL TOKYO
2月23日 評価小委員への平成11年度新規応募課題研究計画書第1次評価依頼
2月26日 臓器移植部門:平成10年度研究業績報告会
於:がん研究振興財団、国際研究交流会館
3月 2日 中間事後評価委員会
(平成10年度研究評価、平成11年度継続課題採択)
3月16日 事前評価委員会(平成11年度新規課題採択)
結果と考察
延べ10名の免疫アレルギー・臓器移植の専門家及び4名の行政側委員よりなる事前、中間事後評価委員会のもと14名の学識経験者に対して研究協力者として専門家側評価小委員(免疫アレルギー部門8名、臓器移植部門6名)を委嘱し2名の行政側評価小委員と合わせて評価小委員会を組織し、新規申請課題の事前評価を行った。平成10年度研究課題の中間事後評価は、7名の専門家委員及び3名の行政側委員により構成される中間事後評価委員会において実施された。平成10年度研究課題は、平成9年度からの継続課題9課題(免疫アレルギー部門5課題、臓器移植部門4課題)及び平成10年度からの新規課題6課題(免疫アレルギー部門のみ)の合計15課題であった。事務局として平成10年度末に研究報告会を各部門別に開催し、中間事後評価委員による評価の集計を実施し、平成11年3月2日開催の中間事後評価委員会への資料作成を行った。中間事後評価委員会において、平成9年度からの継続課題9題及び平成10年度からの新規課題の内5題の平成11年度への継続が決定された。また平成11年度新規公募課題(免疫アレルギー部門4課題、臓器移植部門1課題)に対する応募申請合計27題:(1)花粉症に対する各種治療法に関する科学的根拠を踏まえた評価研究(11130101) 2題、(2)アレルギー疾患に関する既存治療法(民間療法を含む)に関する科学的根拠を踏まえた評価研究(11130201)13題、(3)アレルギーの予知法の開発に関する研究(11130301) 5題、(4)リウマチ医療における集学的医療提供体制の現状評価とその改善に関する研究(11130401) 4題、(5)臍帯血移植及び臍帯血バンクに関する基礎的・臨床的研究(11130501) 3題、については7名(中間事後評価委員会と3名入れ替え)の専門家委員及び3名(中間事後評価委員会と1名入れ替え)の行政側委員により構成される事前評価委員会のもと14名の学識経験者からなる専門家側評価小委員及び2名の行政側評価小委員による第1次評価が実施され、その結果をもとに事前評価委員会において採択案が決定された。これら平成11年度継続課題及び新規採択課題案は厚生科学審議会研究企画部会へ報告された。また、各研究課題についての平成10年度研究報告をまとめ、平成10年度感覚器及び免疫・アレルギー等研究事業免疫・アレルギー部門研究報告書を刊行する。(5月刊行予定)
結論
本研究班は平成9年度から開始された感覚器障害及び免疫・アレルギー等研究事業の内、免疫・アレルギー等研究の研究報告会の設定、中間・事後評価及び新規課題採択の為の評価委員会への資料作成等を実施したが、目的とした適切な課題の設定、最適な研究者の選考、公正な研究費の配分さらには厳密な研究成果の評価を行い、次年度のさらなる研究の発展へとつながる評価体制が確立できた。今後とも免疫・アレルギー、臓器・骨髄移植研究分野において我が国の研究が国際的に高い評価を得るように研究体制の整備を図っていかねばならない。

公開日・更新日

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