間脳下垂体機能障害における診療ガイドライン作成に関する研究

文献情報

文献番号
201610058A
報告書区分
総括
研究課題名
間脳下垂体機能障害における診療ガイドライン作成に関する研究
課題番号
H27-難治等(難)-一般-015
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
島津 章(独立行政法人 国立病院機構 京都医療センター 臨床研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 横谷 進(国立成育医療研究センター 生体防御系内科部)
  • 峯岸 敬(群馬大学大学院医学系研究科 器官代謝制御学講座(産科婦人科学))
  • 山田 正三(虎の門病院 間脳下垂体外科)
  • 柳瀬 敏彦(福岡大学医学部 内分泌・糖尿病内科)
  • 沖 隆(浜松医科大学 地域家庭医療学)
  • 中里 雅光(宮崎大学医学部 神経呼吸内分泌代謝学・呼吸器学)
  • 有田 和徳(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 脳神経外科学)
  • 岩崎 泰正(高知大学教育研究部 医療学系臨床医学部門(高知大学保健管理センター))
  • 高野 幸路(北里大学医学部 内分泌代謝内科学 )
  • 山田 正信(群馬大学大学院医学研究科 病態制御内科学)
  • 清水 力(北海道大学病院 検査・輸血部)
  • 菅原 明(東北大学大学院医学系研究科 分子内分泌学分野)
  • 椙村 益久(名古屋大学大学院医学系研究科 糖尿病・内分泌内科)
  • 高橋 裕(神戸大学大学院医学研究科 糖尿病内分泌内科学)
  • 田原 重志(日本医科大学大学院医学研究科 神経病態解析学分野(脳外科) )
  • 大月 道夫(大阪大学大学院医学研究科 内分泌・代謝内科 )
  • 井野元 智恵(東海大学医学部 基盤診療学系病理診断学)
  • 蔭山 和則(弘前大学医学部附属病院 内分泌内科)
  • 有馬 寛(名古屋大学大学院医学系研究科 糖尿病・内分泌内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
5,660,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
難治性疾患克服研究事業の間脳下垂体機能障害に関する調査研究班は、平成25年度まで間脳下垂体機能障害を呈する17疾患について、診断基準と治療方針の概要をまとめた診断と治療の手引きを公表しており、広く診療の現場に用いられている。今回、エビデンスに基づいた診療ガイドラインを策定するため、これまでの診断基準を見直し、科学的根拠を集積・分析してその改訂作業を行うこととした。間脳下垂体疾患を取り扱う日本内分泌学会の役員・学会員を中心に、日本間脳下垂体腫瘍学会、日本産婦人科学会、日本小児内分泌学会の役員も参加して、関連学会専門委員会との密接な連携により、診療ガイドラインを策定することが目的である。
研究方法
間脳下垂体疾患は適切な治療がなされないと合併症の悪化、QOLの低下を示し生命予後が悪化する疾患である。手術や薬物、放射線療法などが選択されるが、より早期の発見・診断と有効な治療に結びつけることが重要である。我が国における疾患分布は国外と異なることが知られており、疾患の独自性にも着目する必要がある。代表的疾患についての総括的な診療ガイドライン作成を目指した。
結果と考察
間脳下垂体機能障害を呈する疾患について、これまで間脳下垂体機能障害に関する調査研究班により策定されてきた診断と治療の手引きを基盤として、疾患概念の変遷や新たに見いだされた病態、新しい治療法の導入等を考慮し、専門医の意見を統合する形で、日常診療に資する治療の手引きについて改訂を行った。その結果、1) 先端巨大症および下垂体性巨人症の診断と治療の手引き、2) クッシング病/サブクリニカルクッシング病の診断と治療の手引き、3) プロラクチン分泌過剰症の診断と治療の手引き、4)バゾプレシン分泌低下症(中枢性尿崩症)の診断と治療の手引き、5) バゾプレシン分泌過剰症(SIADH)の診断と治療の手引き、6) 下垂体ゴナドトロピン産生腫瘍の治療の手引き、7)下垂体TSH産生腫瘍の診断と治療の手引き、8) 下垂体前葉機能低下症(GH分泌不全性低身長症、成人GH分泌不全症、ACTH分泌低下症、PRL分泌低下症、ゴナドトロピン分泌低下症、TSH分泌低下症)の診断と治療の手引き、9) 偶発的下垂体腫瘍の診断と治療の手引き、10) 自己免疫性視床下部下垂体炎の診断と治療の手引きが平成26~28年度の研究事業として策定された。今回の改訂は主に専門医の意見・コンセンサスをまとめる形で行われた。間脳下垂体機能障害は希少疾患によるものが多く、診療ガイドライン設定に必要なエビデンスの集積が十分でない。そのため、今後も継続した各疾患の診療実態調査・疾患レジストリ―を用いた科学的根拠の構築が求められる。
結論
先端巨大症および下垂体性巨人症、クッシング病、PRL分泌過剰症、バゾプレシン分泌低下症(中枢性尿崩症)、バゾプレシン分泌過剰症(SIADH)、下垂体ゴナドトロピン産生腫瘍、下垂体TSH産生腫瘍、下垂体前葉機能低下症(GH分泌不全性低身長症、成人GH分泌不全症、ACTH分泌低下症、PRL分泌低下症、ゴナドトロピン分泌低下症、TSH分泌低下症)、偶発性下垂体腫瘍(インシデンタローマ)、自己免疫性視床下部下垂体炎に関して診断と治療の手引きを改訂した。今後、間脳下垂体機能障害の診断と治療を包括した診療ガイドラインにより、効率よい疾患スクリーニングと集学的治療や個別化した治療への方向が明らかにされよう。

公開日・更新日

公開日
2018-06-07
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201610058B
報告書区分
総合
研究課題名
間脳下垂体機能障害における診療ガイドライン作成に関する研究
課題番号
H27-難治等(難)-一般-015
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
島津 章(独立行政法人 国立病院機構 京都医療センター 臨床研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 片上 秀喜(帝京大学 ちば総合医療センター 検査部)
  • 横谷進(国立成育医療研究センター 生体防御系内科部)
  • 峯岸 敬(群馬大学大学院 医学系研究科 器官代謝制御学講座(産科婦人科学))
  • 山田 正三(虎の門病院 間脳下垂体外科)
  • 柳瀬 敏彦(福岡大学医学部 内分泌・糖尿病内科)
  • 沖 隆(浜松医科大学 地域家庭医療学)
  • 中里 雅光(宮崎大学医学部 神経呼吸内分泌代謝学)
  • 有田 和徳(鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 脳神経外科学)
  • 岩崎 泰正(高知大学教育研究部 医療学系臨床医学部門(高知大学保健管理センター))
  • 高野 幸路(北里大学医学部 内分泌代謝内科学)
  • 山田 正信(群馬大学大学院 医学研究科 病態制御内科学)
  • 菅原 明(東北大学大学院 医学系研究科 分子内分泌学分野)
  • 有馬 寛(名古屋大学大学院 医学系研究科 糖尿病・内分泌内科)
  • 椙村 益久(名古屋大学大学院 医学系研究科 糖尿病・内分泌内科)
  • 高橋 裕(神戸大学大学院 医学研究科 糖尿病内分泌内科学)
  • 田原 重志(日本医科大学大学院 医学研究科 神経病態解析学分野)
  • 大月 道夫(大阪大学大学院 医学研究科 内分泌・代謝内科)
  • 井野元 智恵(東海大学医学部 基盤診療学系病理診断学)
  • 蔭山 和則(弘前大学大学院 医学研究科 内分泌代謝内科学)
  • 清水 力( 北海道大学病院 検査・輸血部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
難治性疾患克服研究事業の間脳下垂体機能障害に関する調査研究班は、平成25年度まで間脳下垂体機能障害を呈する17疾患について、診断基準と治療方針の概要をまとめた診断と治療の手引きを公表しており、広く診療の現場に用いられている。今回、エビデンスに基づいた診療ガイドラインを策定するため、これまでの診断基準を見直し、科学的根拠を集積・分析してその改訂作業を行うこととした。間脳下垂体疾患を取り扱う日本内分泌学会の役員・学会員を中心に、日本間脳下垂体腫瘍学会、日本産婦人科学会、日本小児内分泌学会の役員も参加して、関連学会専門委員会との密接な連携により、診療ガイドラインを策定することが目的である。
研究方法
間脳下垂体疾患は適切な治療がなされないと合併症の悪化、QOLの低下を示し生命予後が悪化する疾患である。手術や薬物、放射線療法などが選択されるが、より早期の発見・診断と有効な治療に結びつけることが重要である。我が国における疾患分布は国外と異なることが知られており、疾患の独自性にも着目する必要がある。代表的疾患についての総括的な診療ガイドライン作成を目指した。
結果と考察
間脳下垂体機能障害を呈する疾患について、これまで間脳下垂体機能障害に関する調査研究班により策定されてきた診断と治療の手引きを基盤として、疾患概念の変遷や新たに見いだされた病態、新しい治療法の導入等を考慮し、専門医の意見を統合する形で、日常診療に資する治療の手引きについて改訂を行った。その結果、1) 先端巨大症および下垂体性巨人症の診断と治療の手引き、2) クッシング病/サブクリニカルクッシング病の診断と治療の手引き、3) プロラクチン分泌過剰症の診断と治療の手引き、4)バゾプレシン分泌低下症(中枢性尿崩症)の診断と治療の手引き、5) バゾプレシン分泌過剰症(SIADH)の診断と治療の手引き、6) 下垂体ゴナドトロピン産生腫瘍の治療の手引き、7)下垂体TSH産生腫瘍の診断と治療の手引き、8) 下垂体前葉機能低下症(GH分泌不全性低身長症、成人GH分泌不全症、ACTH分泌低下症、PRL分泌低下症、ゴナドトロピン分泌低下症、TSH分泌低下症)の診断と治療の手引き、9) 偶発的下垂体腫瘍の診断と治療の手引き、10) 自己免疫性視床下部下垂体炎の診断と治療の手引きが平成26~28年度の研究事業として策定された。今回の改訂は主に専門医の意見・コンセンサスをまとめる形で行われた。間脳下垂体機能障害は希少疾患によるものが多く、診療ガイドライン設定に必要なエビデンスの集積が十分でない。そのため、今後も継続した各疾患の診療実態調査・疾患レジストリ―を用いた科学的根拠の構築が求められる。
結論
先端巨大症および下垂体性巨人症、クッシング病、PRL分泌過剰症、バゾプレシン分泌低下症(中枢性尿崩症)、バゾプレシン分泌過剰症(SIADH)、下垂体ゴナドトロピン産生腫瘍、下垂体TSH産生腫瘍、下垂体前葉機能低下症(GH分泌不全性低身長症、成人GH分泌不全症、ACTH分泌低下症、PRL分泌低下症、ゴナドトロピン分泌低下症、TSH分泌低下症)、偶発性下垂体腫瘍(インシデンタローマ)、自己免疫性視床下部下垂体炎に関して診断と治療の手引きを改訂した。今後、間脳下垂体機能障害の診断と治療を包括した診療ガイドラインにより、効率よい疾患スクリーニングと集学的治療や個別化した治療への方向が明らかにされよう。

公開日・更新日

公開日
2018-06-07
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201610058C

収支報告書

文献番号
201610058Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
6,943,000円
(2)補助金確定額
6,943,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 4,139,116円
人件費・謝金 439,324円
旅費 703,728円
その他 377,832円
間接経費 1,283,000円
合計 6,943,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2018-02-16
更新日
-