文献情報
文献番号
201610055A
報告書区分
総括
研究課題名
網膜脈絡膜・視神経萎縮症に関する調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H27-難治等(難)-一般-012
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
白神 史雄(国立大学法人岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
- 東範行(国立成育医療センター)
- 飯田知弘(東京女子医科大学)
- 池田康博(九州大学大学院医学研究院)
- 稲谷大(福井大学医学部)
- 大野京子(東京医科歯科大学大学院医歯学研究科)
- 小椋祐一郎(名古屋市立大学医学部)
- 小畑亮(東京大学大学院医学系研究科)
- 坂本泰二(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科)
- 高橋寛二(関西医科大学)
- 高橋政代(理化学研究所 多細胞システム形成研究センター)
- 辻川明孝(京都大学大学院医学研究科)
- 寺崎浩子(名古屋大学大学院医学系研究科)
- 中澤徹(東北大学大学院医学系研究科)
- 中村誠(神戸大学大学院医学研究科)
- 村上晶(順天堂大学医学部)
- 森實祐基(岡山大学病院)
- 山本修一(千葉大学大学院医学研究院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
7,207,000円
研究者交替、所属機関変更
研究分担者 池田康博
九州大学病院(平成28年4月1日-平成28年6月30日)→九州大学大学院医学研究院(平成28年7月1日以降)
研究分担者 辻川明孝
香川大学医学部(平成28年4月1日-平成29年2月28日)→京都大学大学院医学研究科(平成29年3月1日以降)
研究報告書(概要版)
研究目的
希少難治性眼疾患の診断基準や診療ガイドラインの策定、診断基準に基づく疫学調査による現状の把握を行う。また、難治性眼疾患の多くは視覚身体障害の原因疾患と関連があるため、視覚身体障害の認定状況の全国調査を行い、難治性眼疾患患者に対する福祉行政の現状を把握する。
研究方法
研究分担者を、疾病や疫学調査の対象によって9つの担当グループに分け、各グループにおいて、診療ガイドラインの策定や患者数調査、自治体へのアンケート調査を行った。診療ガイドラインの草案は、他のグループに属する研究分担者や、各疾患を研究対象とする専門学会による評価を受けた。
結果と考察
網膜色素変性症の診療ガイドライン、家族性滲出性硝子体網膜症の診療の手引きを作成し日本眼科学会雑誌に発表した。また、2014年度におけるレーベル遺伝性視神経症の新規発生患者数と有病率を明らかにし国際誌に発表した。さらに、萎縮型加齢黄斑変性の全国調査、久山町スタディによる有病率調査、視覚身体障害認定状況の全国調査を行い、全国における難治性眼疾患の現状を明らかにした。これらの結果については近日中に論文として発表する予定である。なお、その他の希少難治性眼疾患(特発性傍中心窩毛細血管拡張症、急性帯状潜在性網膜外層症、強度近視性網脈絡膜萎縮、黄斑ジストロフィ)の診療ガイドラインの作成に着手しており今後内容をまとめ発表する予定である。
診療ガイドラインの策定によって、施設間による診断のばらつきが小さくなり、患者の見落としが減るなど、医療の標準化が進み、医療の質が向上することが期待される。また、有病率調査や視覚身体障害認定状況の全国調査の結果は有効な医療福祉資源配分につながるといえる。
診療ガイドラインの策定によって、施設間による診断のばらつきが小さくなり、患者の見落としが減るなど、医療の標準化が進み、医療の質が向上することが期待される。また、有病率調査や視覚身体障害認定状況の全国調査の結果は有効な医療福祉資源配分につながるといえる。
結論
本研究で策定した診療ガイドラインは、日本眼科学会を通じて広く全国の眼科医に周知される。そのため難治性眼疾患に対する診療の標準化が進むことが期待される。萎縮型加齢黄斑変性の全国調査、久山町スタディによる有病率調査、視覚身体障害認定状況の全国調査については、今後各種専門学会、インターネット、マスコミュニケーション媒体を通じて眼科医および国民に広く周知される。これらによって、わが国の希少難治性眼疾患に対する理解、疾病予防の啓蒙が進むことが期待される。
公開日・更新日
公開日
2017-05-25
更新日
-