文献情報
文献番号
201610054A
報告書区分
総括
研究課題名
先天性乏毛症に関する調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H27-難治等(難)-一般-011
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
杉浦 一充(藤田保健衛生大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 秋山 真志(名古屋大学 大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
745,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は以下の2つである。
1. 調査のための診断基準を確立したのちに、本邦におけるCHの発症頻度、診療実態、QOLを明らかにする。LIPHの遺伝子診断も実施する。
2. CHの診断基準・重症度分類・診療ガイドラインの確立をする。
1. 調査のための診断基準を確立したのちに、本邦におけるCHの発症頻度、診療実態、QOLを明らかにする。LIPHの遺伝子診断も実施する。
2. CHの診断基準・重症度分類・診療ガイドラインの確立をする。
研究方法
CHの全国調査
本疾患の本邦における診療実態、患者数を明らかにするため、全国調査を行う。具体的には、
① 調査のための診断基準を確立したのちに、全国の日本皮膚科学会専門医主研修施設と専門医研修施設に調査票を配り、本症の患者を集計する。
アンケート項目
年齢、性、既往歴、合併症、発症年齢、治療、治療反応性、診断根拠、患者QOL。
以上の結果を集計して、日本皮膚科学会総会等の皮膚科主要学会で本症について発表する。
② 名古屋大学皮膚科ホームページ(http://www.med.nagoya-u.ac.jp/derma/)にて本症についての紹介をする。
③ 全国疫学調査で得られた患者と家族の可及的多数例でLIPHの変異解析をする。解析法(直接シークエンス法)はすでに確立している。
④ 日本皮膚科学会承認の診断基準・重症度分類・診療ガイドラインを作成する。
本疾患の本邦における診療実態、患者数を明らかにするため、全国調査を行う。具体的には、
① 調査のための診断基準を確立したのちに、全国の日本皮膚科学会専門医主研修施設と専門医研修施設に調査票を配り、本症の患者を集計する。
アンケート項目
年齢、性、既往歴、合併症、発症年齢、治療、治療反応性、診断根拠、患者QOL。
以上の結果を集計して、日本皮膚科学会総会等の皮膚科主要学会で本症について発表する。
② 名古屋大学皮膚科ホームページ(http://www.med.nagoya-u.ac.jp/derma/)にて本症についての紹介をする。
③ 全国疫学調査で得られた患者と家族の可及的多数例でLIPHの変異解析をする。解析法(直接シークエンス法)はすでに確立している。
④ 日本皮膚科学会承認の診断基準・重症度分類・診療ガイドラインを作成する。
結果と考察
本邦のCHの患者の29人中27人にLIPH変異があることを論文として報告した。つまり本邦のCHの大半の病因を明らかにした(Takeichi T, Tanahashi K, Taki T, Kono M, Sugiura K, Akiyama M. Mutational analysis of 29 patients with autosomal recessive woolly hair and hypotrichosis: LIPH mutations are extremely predominant in autosomal recessive woolly hair and hypotrichosis in Japan. Br J Dermatol doi: 10.1111/bjd.15070.)。そして、全国調査のための診断基準を確立した。全国の日本皮膚科学会専門医主研修施設と主たる専門医研修施設、総数96施設に調査票を郵送して全国調査をした。本研究は本邦のCHの大半の病因がLIPH遺伝子変異であることを初めて明らかにした。全国調査の結果を解析することにより、本疾患の診療実態を明らかにすることができる。本研究により、日本の毛髪の専門家への啓蒙活動も進んでいる。
結論
本研究は本邦のCHの大半の病因がLIPH遺伝子変異であること29例の多数症例で初めて明らかにした。さらに全国調査の結果を解析することで、CHの本邦における発症頻度、診療実態を初めて明らかにするだけでなく、診断基準・重症度分類・診療ガイドラインの提唱を世界に先駆けて行うことになり、CHの病態の研究、CHの診療の標準化に大いに貢献することが期待できる。
公開日・更新日
公開日
2017-05-29
更新日
-