抗リン脂質抗体関連血小板減少症の病態解明と治療指針の構築に関する研究

文献情報

文献番号
201610047A
報告書区分
総括
研究課題名
抗リン脂質抗体関連血小板減少症の病態解明と治療指針の構築に関する研究
課題番号
H27-難治等(難)-一般-004
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
渥美 達也(北海道大学 大学院医学研究科 免疫・代謝内科学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 井上 克枝(鈴木 克枝)(山梨大学大学院総合研究部医学域臨床検査医学)
  • 森下 英理子(金沢大学医薬保健研究域・病態検査学)
  • 奥 健志(北海道大学病院・内科II)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
635,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
抗リン脂質抗体関連血小板減少症は、特定疾患の対象である「抗リン脂質抗体症候群」と別の疾患で、2005年に申請者らが提唱した疾患概念である(Lupus 14; 499-504, 2005)。血小板減少症は古くから抗リン脂質抗体と関連すると認識されていたが、その病態は不明である。一方、急性あるいは慢性の血小板減少症を合併する抗リン脂質抗体陽性患者は少なからず存在し、血栓傾向と出血傾向が併存する為、マネージメントが困難である。そこで 2006年、申請者らの提唱により、このような患者群を抗リン脂質抗体関連血小板減少症と定義し研究対象とすることが世界のコンセンサスとなった(J Thromb Haemost 4; 295-306, 2006)。 本研究は、抗リン脂質抗体関連血小板減少症の臨床像や病態を明らかにし、その診療ガイドライン作成の基盤をつくることを目的とする。
研究方法
1.診療ガイドライン作成:抗リン脂質抗体関連血小板減少症の診療ガイドラインを作成すべく、想定される代表的治療法についてのシステマティックレビューを行なった。
2.患者レジストリ作成:レジストリシステムについて、当初予定していたResearch Electronic Data Capture(RedCapTM)を用いず、北海道大学病院臨床研究開発センター協力のもと、EDC(electoric data capture)であるNorth-NetTMを用いることとして、すでにβ版を作成し、現在、運用開始準備をしている。これは日本血栓止血学会抗リン脂質抗体症候群部会や抗リン脂質抗体ワークショップの協力をえて本邦の抗リン脂質抗体関連血小板減少症を含む抗リン脂質抗体関連病態の患者レジストリを作成するものである。これによって、抗リン脂質抗体関連血小板減少症の疫学的データを得ることと、将来の臨床研究に資するものである。
結果と考察
抗リン脂質関連血小板減少症の治療方針に関する過去の論文を検索しシステマティックレビューを行った。その結果を元に現在、診療ガイドラインを作成している。
抗リン脂質抗体関連血小板減少症の治療方針に関する過去の論文検索を日本コクラン支部(国立成育医療センター)のご協力の元、得て、解析を終え、現在、各研究分担者及び協力者間で推奨文の作成を行い、それを元に研究パネル会議で推奨度を決定する。2017年9月を目処に、診療ガイドラインの各CQに対して推奨文作成・推奨度決定を行い、日本血栓止血学会を通してパブリックコメントを求めて発表する。
結論
2017年9月を目処に、診療ガイドラインを完成させ、日本血栓止血学会を通してパブリックコメントを求めて発表する。

公開日・更新日

公開日
2017-06-09
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2017-06-09
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201610047B
報告書区分
総合
研究課題名
抗リン脂質抗体関連血小板減少症の病態解明と治療指針の構築に関する研究
課題番号
H27-難治等(難)-一般-004
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
渥美 達也(北海道大学 大学院医学研究科 免疫・代謝内科学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 井上 克枝(鈴木 克枝)(山梨大学大学院総合研究部医学域臨床検査医学)
  • 森下 英理子( 金沢大学医薬保健研究域・病態検査学)
  • 奥 健志(北海道大学病院・内科II)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
抗リン脂質抗体関連血小板減少症は、特定疾患の対象である「抗リン脂質抗体症候群」と別の疾患で、2005年に申請者らが提唱した疾患概念である(Lupus 14; 499-504, 2005)。血小板減少症は古くから抗リン脂質抗体と関連すると認識されていたが、その病態は不明である。一方、急性あるいは慢性の血小板減少症を合併する抗リン脂質抗体陽性患者は少なからず存在し、血栓傾向と出血傾向が併存する為、マネージメントが困難である。そこで 2006年、申請者らの提唱により、このような患者群を抗リン脂質抗体関連血小板減少症と定義し研究対象とすることが世界のコンセンサスとなった(J Thromb Haemost 4; 295-306, 2006)。 本研究は、抗リン脂質抗体関連血小板減少症の臨床像や病態を明らかにし、その診療ガイドライン作成の基盤をつくることを目的とする。
研究方法
1年目には後ろ向き研究の結果から抗リン脂質抗体関連血小板減少症の病態像を解析した。2年目には診療ガイドライン作成のためのClinical Question(CQ)を作成し、それに基づいたシステマティックレビューを行い解析をした。その結果としてガイドラインを作成し、パブリックコメントを得て平成29年度中に公開する予定である。また、抗リン脂質抗体関連血小板減少症の疫学的特徴を解明することと将来の前向き臨床研究に資するために患者レジストリ(EDC*electric data capture)システムを構築し、2年目内にベータ版を作成しており、今後日本血栓止血学会の協力を得て、本邦の患者登録システムとして運用を開始する。
結果と考察
抗リン脂質抗体関連血小板減少症の治療方針に関する過去の論文検索を日本コクラン支部(国立成育医療センター)のご協力の元、得て、解析を終え、現在、各研究分担者及び協力者間で推奨文の作成を行い、それを元に研究パネル会議で推奨度を決定する。2017年9月を目処に、診療ガイドラインの各CQに対して推奨文作成・推奨度決定を行い、日本血栓止血学会を通してパブリックコメントを求めて発表する
結論
2017年9月を目処に、診療ガイドラインを完成させ、日本血栓止血学会を通してパブリックコメントを求めて発表する。また、患者レジストリシステムについて2017年7月を目処に運用開始する。

公開日・更新日

公開日
2017-06-09
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2017-06-09
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201610047C

成果

専門的・学術的観点からの成果
想定する代表的治療法のシステマティックレビューを行い計7個のCQが決定、内システマティックレビューを行なったのは4個。論文精査を終え、推奨文を作成しJCRで公表。Abe N et al, Potential Therapeutics for Antiphospholipid Antibody Associated Thrombocytopenia: A SystematicReview and Meta-Analysis Mod Rheumatol 2020 30(1): 116-124
臨床的観点からの成果
レジストリシステムについて、当初予定していたRedCapTMを用いず、当学病院臨床研究開発センター協力のもと、North-NetTMを用いる事とした。日本血栓止血学会抗リン脂質抗体症候群部会や抗リン脂質抗体ワークショップ、JCR難病研究班の協力をえて本邦の抗リン脂質抗体関連血小板減少症を含む抗リン脂質抗体関連病態の患者レジストリを作成(J-RAPS :https://aps-ws.com/?page_id=710)。これによって、疫学的データを得ることと、将来の臨床研究に資するものである。
ガイドライン等の開発
後ろ向き研究の結果から抗リン脂質抗体関連血小板減少症の病態像を解析し、診療ガイドライン作成のためのCQを作成に基づいたシステマティックレビューを行い解析。その結果としてガイドラインを作成し、パブリックコメントを得て平成29年度中に公開する予定である。疫学的特徴を解明することと将来の前向き臨床研究に資するために患者レジストリシステムを構築し、ベータ版を作成しており、今後日本血栓止血学会の協力を得、本邦の患者登録システムとして運用を開始する。
その他行政的観点からの成果
抗リン脂質抗体関連血小板減少症の治療方針に関する過去の論文検索を日本コクラン支部(国立成育医療センター)のご協力の元、得て、解析を終え、現在、各研究分担者及び協力者間で推奨文の作成を行い、それを元に研究パネル会議で推奨度を決定する。2017年9月を目処に、診療ガイドラインの各CQに対して推奨文作成・推奨度決定を行い、日本血栓止血学会を通してパブリックコメントを求めて発表する。
その他のインパクト
文献のシステマティックレビュー及びメタ解析を行い、その結果を2017年アメリカリウマチ学会学術集会及び、2018年日本リウマチ学会学術集会で発表した。また、その結果について上記英文雑誌に報告した(Abe N et al, Mod Rheumatol 2020)

発表件数

原著論文(和文)
10件
原著論文(英文等)
40件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
40件
学会発表(国際学会等)
41件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2021-06-08
更新日
-

収支報告書

文献番号
201610047Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
800,000円
(2)補助金確定額
800,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 581,760円
人件費・謝金 0円
旅費 53,240円
その他 0円
間接経費 165,000円
合計 800,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2018-02-16
更新日
-