呼吸不全に関する調査研究

文献情報

文献番号
201610035A
報告書区分
総括
研究課題名
呼吸不全に関する調査研究
課題番号
H26-難治等(難)-一般-076
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
巽 浩一郎(千葉大学 大学院医学研究院 呼吸器内科学)
研究分担者(所属機関)
  • 平井 豊博(京都大学 大学院医学研究科 呼吸器内科学 )
  • 林田 美江(信州大学 医学部附属病院 呼吸器・感染症・アレルギー内科)
  • 瀬山 邦明(順天堂大学  大学院医学研究科 呼吸器内科)
  • 井上 義一(近畿中央胸部疾患センター 臨床研究センター)
  • 陳 和夫(京都大学 大学院医学研究科 呼吸管理睡眠制御学講座)
  • 田邉 信宏(千葉大学 大学院医学研究院 先端肺高血圧症医療学寄附講座)
  • 西村 正治(北海道大学 大学院医学研究科 呼吸器内科学)
  • 谷口 博之(公立陶生病院 呼吸器・アレルギー内科)
  • 田村 雄一(国際医療福祉大学 三田病院 心臓血管センター循環器内科)
  • 塩谷 隆信(秋田大学 大学院医学系研究科 保健学専攻)
  • 花岡 正幸(信州大学 医学部 内科学第一講座)
  • 伊達 洋至(京都大学 大学院医学研究科 呼吸器外科学)
  • 長瀬 隆英(東京大学 大学院医学系研究科 呼吸器内科学)
  • 別役 智子(慶應義塾大学 医学部 呼吸器内科学)
  • 井上 博雅(鹿児島大学 医学部 呼吸器内科学)
  • 佐藤 徹(杏林大学 医学部 循環器内科学)
  • 植田 初江(国立循環器病研究センター 病理部)
  • 葛西 隆敏(順天堂大学 医学部 循環器内科学)
  • 木村 弘(奈良県立医科大学 内科学第二講座)
  • 多田 裕司(千葉大学 大学院医学研究院 呼吸器内科学)
  • 坂尾 誠一郎(千葉大学 医学部附属病院 呼吸器内科)
  • 津島 健司(千葉大学 大学院医学研究院 呼吸器内科学)
  • 寺田 二郎(千葉大学 医学部附属病院 呼吸器内科)
  • 吉田 雅博(国際医療福祉大学 臨床医学研究センター)
  • 中山 健夫(京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
12,113,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
9の呼吸器疾患群を横軸として、日本呼吸器学会、日本循環器学会の専門医集団による、1) 重症度分類を含めた診断基準の作成、2) 診療ガイドラインの作成を目標としている。エビデンスに基づく重症度分類、診療ガイドラインにおけるClinical Question and Answerを示すことが達成可能であれば、また重症度に基づく治療指針を示すことが可能であれば、難病助成の公平性を示すことが可能になる(軽症者には悪化を防ぐ医療的支援が必要である)。さらに、呼吸不全調査研究班対象疾患群の、(軽症者を含めた)疾患進行抑制、(疾患素因を有する患者に対する)予防、日本の医療における治療の公平性にも繋がり、医療経済的な効果も期待できる。研究遂行の中で、在宅医療に含まれる、在宅酸素療法、在宅人工呼吸療法、在宅持続静注療法(PGI2)などの実態を継続的に追尾していくことにより、呼吸不全患者における医療費・障害者認定・介護認定などにおける課題がより明確になり、在宅管理行政・呼吸器障害者施策の充実に貢献が可能になる。
研究方法
診療ガイドライン(GL)策定のため、それぞれの疾病群に対する専門家集団による診療ガイドラインWGを作成する。診療ガイドラインWGはGL統括委員会、GL作成グループ、システマティックレビュー(SR)グループ、さらにGL編集WGと、役割を細分化し設ける。WGのミッションとして単に文献のレビューだけでは、実地臨床に役立つ診療ガイドラインの作成は困難である。よって、診療ガイドラインWGの担当者が、日本呼吸器学会等で各施設からの基礎的・臨床的研究を継続発表し討議することが必要である。 日本における継続的な(毎年更新可能な)適切な診療ガイドライン策定のため、難治性呼吸器疾患患者データベースの構築・活用、発症関連要因・予防要因の探求、重症化危険因子の探索、予後関連因子の探求、予後追跡調査、各種治療有効性の検討を積み重ねることで、研究を遂行してゆく。
結果と考察
呼吸器系難治性疾患の横断的・縦断的研究を通して、1) 患者生命予後とQOLの向上の実現、2) 厚生労働省の医療政策に活用しうる知見の収集が大きな目的である。2016年度は (1) 肺動脈性肺高血圧症(PAH)、(2) 慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)、(3) 肺静脈閉塞症(PVOD)/肺毛細血管腫症(PCH)、(4) リンパ脈管筋腫症(LAM)、 (5) 肺胞低換気症候群(AHS)、(6) α1アンチトリプシン欠乏症(AATD)、(7) 遺伝性出血性末梢血管拡張症(オスラー病)(HHT)7つの対象疾患についてガイドラインの作成を進めた。一部疾患では「診療ガイドライン/診療の手引き」を公表し、「診療ガイドラインに関係するエビデンス(論文)」を構築した。「医療政策に活用しうる知見の収集・活用」を通して、「難治性呼吸器疾患患者QOL向上」に役立つ研究を実施した。
結論
呼吸器系難治性疾患の横断的・縦断的研究を通して、1) 患者生命予後とQOLの向上の実現、2) 厚生労働省の医療政策に活用しうる知見の収集が大きな目的である。日本肺高血圧・肺循環学会、日本循環器学会、日本リウマチ学会、日本睡眠学会、日本呼吸器学会などの関連学会との連携を図りながら、「重症度分類を含めた診断基準」に関して年度毎の評価、年度毎の「診療ガイドラインの作成」を実施することで、結果、「医療政策に活用しうる知見の収集・活用」を通して、さらに「難治性呼吸器疾患患者QOL向上」を目指し、研究継続をするべきとの結論を得た。

公開日・更新日

公開日
2017-05-29
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201610035B
報告書区分
総合
研究課題名
呼吸不全に関する調査研究
課題番号
H26-難治等(難)-一般-076
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
巽 浩一郎(千葉大学 大学院医学研究院 呼吸器内科学)
研究分担者(所属機関)
  • 平井 豊博(京都大学 大学院医学研究科 呼吸器内科学 )
  • 林田 美江(信州大学 医学部附属病院 呼吸器・感染症・アレルギー内科)
  • 瀬山 邦明(順天堂大学 大学院医学研究科 呼吸器内科)
  • 井上 義一(近畿中央胸部疾患センター 臨床研究センター)
  • 陳 和夫(京都大学 大学院医学研究科 呼吸管理睡眠制御学講座)
  • 田邉 信宏(千葉大学 大学院医学研究院 先端肺高血圧症医療学寄附講座)
  • 西村 正治(北海道大学 大学院医学研究科 呼吸器内科学)
  • 谷口 博之(公立陶生病院 呼吸器・アレルギー内科)
  • 田村 雄一(国際医療福祉大学 三田病院 心臓血管センター循環器内科)
  • 塩谷 隆信(秋田大学 大学院医学系研究科 保健学専攻)
  • 花岡 正幸(信州大学 医学部 内科学第一講座)
  • 伊達 洋至(京都大学 大学院医学研究科 呼吸器外科学)
  • 長瀬 隆英(東京大学 大学院医学系研究科 呼吸器内科学)
  • 別役 智子(慶應義塾大学 医学部 呼吸器内科学)
  • 井上 博雅(鹿児島大学 医学部 呼吸器内科学)
  • 佐藤 徹(杏林大学 医学部 循環器内科学)
  • 植田 初江(国立循環器病研究センター 病理部)
  • 葛西 隆敏(順天堂大学 医学部 循環器内科学)
  • 木村 弘(奈良県立医科大学 内科学第二講座)
  • 多田 裕司(千葉大学 大学院医学研究院 呼吸器内科学)
  • 坂尾 誠一郎(千葉大学 医学部附属病院 呼吸器内科)
  • 津島 健司(千葉大学 大学院医学研究院 呼吸器内科学)
  • 寺田 二郎(千葉大学 医学部附属病院 呼吸器内科)
  • 吉田 雅博(国際医療福祉大学 臨床医学研究センター)
  • 中山 健夫(京都大学 大学院医学研究科 社会健康医学系専攻健康情報学)
  • 三嶋 理晃(京都大学 大学院医学研究科 呼吸器内科学)
  • 中西 宣文(国立循環器病センター研究所 肺高血圧先端医療研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
呼吸器系難治性疾患の横断的・縦断的研究を通して、1) 患者生命予後とQOLの向上の実現、2) 厚生労働省の医療政策に活用しうる知見の収集が大きな目的である。日本肺高血圧・肺循環学会、日本循環器学会、日本リウマチ学会、日本睡眠学会、日本呼吸器学会などの関連学会との連携を図りながら、「重症度分類を含めた診断基準」に関して年度毎の評価、年度毎の「診療ガイドラインの作成」を実施する。難治性呼吸器疾患の治療には「肺移植」も含まれる。その結果、「医療政策に活用しうる知見の収集・活用」を通して、「難治性呼吸器疾患患者QOL向上」が期待される。
研究方法
診療ガイドライン(GL)策定のためには、それぞれの疾病群に対する専門家集団が、診療ガイドラインWGを作成する必要がある。GL統括委員会、GL作成グループ、システマティックレビュー(SR)グループ、さらにGL編集WGの作成が必要である。単に文献のレビューだけでは、実地臨床に役立つ診療ガイドラインの作成は困難である。診療ガイドラインWGの担当者が、日本肺高血圧・肺循環学会、日本循環器学会、日本呼吸器学会等で各施設からの基礎的・臨床的研究を継続発表し討議することが必要になる。日本における継続的な(毎年更新可能な)適切な診療ガイドライン策定のためには、難治性呼吸器疾患患者データベースの構築・活用(臨床調査個人票の有用活用を含む)、発症関連要因・予防要因の探求、重症化危険因子の探索、予後関連因子の探求、予後追跡調査、各種治療有効性の継続的検討が必要になる。呼吸不全調査研究班の研究代表者、研究分担者を中心とし各診療ガイドラインWGを編成し診療ガイドラインの作成に取り組む。
結果と考察
(1) 肺動脈性肺高血圧症(PAH)、(2) 慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)、(3) 肺静脈閉塞症(PVOD)/肺毛細血管腫症(PCH)、(4) リンパ脈管筋腫症(LAM)、(5) 肺胞低換気症候群(AHS)
(6) α1-アンチトリプシン欠乏症(AATD)、(7) 遺伝性出血性末梢血管拡張症(オスラー病)(HHT)
これら対象疾患および肺移植に関して、診療ガイドラインWGを作成して、疾患概要/重症度分類/臨床調査個人票の適宜修正を検討、一部疾患では「2016年版診療ガイドライン/診療の手引き」を公表し、「診療ガイドラインに関係するエビデンス(論文)」を構築した。
結論
呼吸不全調査研究班は、1) 肺・気道系疾患(alpha-1アンチトリプシン欠乏症)、2) 嚢胞性肺疾患(リンパ脈管筋腫症)、3) 肺血管系疾患(肺動脈性肺高血圧症、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、肺静脈閉塞症、肺動静脈瘻を有するオスラー病)を対象疾患としている。研究代表者が統括し、関連する学術団体である学会が支える体制を組んでいる。診療ガイドラインの継続的作成のため、患者会との連携、肺移植の適用基準の作成を含めるため日本呼吸器外科学会との連携もとっている。最終目標としては、医療政策に活用しうる知見の収集・活用を通して、難治性呼吸器疾患患者QOL向上を目指している。

公開日・更新日

公開日
2017-05-29
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2017-05-29
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201610035C

収支報告書

文献番号
201610035Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
15,746,000円
(2)補助金確定額
15,746,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 3,670,479円
人件費・謝金 5,169,970円
旅費 426,020円
その他 2,849,531円
間接経費 3,633,000円
合計 15,749,000円

備考

備考
自己資金 3,000円

公開日・更新日

公開日
2018-02-15
更新日
-