文献情報
文献番号
201610023A
報告書区分
総括
研究課題名
強皮症・皮膚線維化疾患の診断基準・重症度分類・診療ガイドライン作成事業
課題番号
H26-難治等(難)-一般-058
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
尹 浩信(熊本大学 大学院生命科学研究部 皮膚病態治療再建学分野)
研究分担者(所属機関)
- 石川 治(群馬大学 大学院医学系研究科皮膚科学)
- 熊ノ郷 淳(大阪大学 大学院医学系研究科・呼吸器免疫アレルギー内科学)
- 竹原 和彦(金沢大学 医薬保健研究域医学系皮膚分子病態学)
- 長谷川 稔(福井大学 医学部感覚運動医学講座皮膚科学)
- 藤本 学(筑波大学 医学医療系皮膚科)
- 山本 俊幸(福島県立医科大学 医学部皮膚科学講座)
- 川口 鎮司(東京女子医科大学 リウマチ科)
- 桑名 正隆(日本医科大学 大学院医学研究科アレルギー膠原病内科学分野)
- 後藤 大輔(筑波大学 医学医療系内科)
- 高橋 裕樹(札幌医科大学 医学部免疫・リウマチ内科学講座)
- 浅野 善英(東京大学 医学部附属病院皮膚科)
- 岡 晃(東海大学 総合医学研究所)
- 神人 正寿(熊本大学 大学院生命科学研究部皮膚病態治療再建学分野)
- 波多野 将(東京大学 大学院医学系研究科重症心不全治療開発講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
9,999,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
2004年に厚生労働省強皮症調査研究班により「強皮症における診断基準・重症度分類・治療指針」が作成され、2007年に改訂された。2010年にはEBMに基づいた「全身性強皮症診療ガイドライン」が公表された。欧米の全身性強皮症の診断基準の改定および治療の変化に対応するため、今回新たに全身性強皮症のみならず限局性強皮症、好酸球性筋膜炎、硬化性萎縮性苔癬の診断基準・重症度分類・診療ガイドラインを作成することとなった。
研究方法
各疾患、各臓器毎に分担研究者・研究協力者の中からエキスパートを選出し、担当を決定した。班会議、メール会議を頻回に行い、各疾患の診断基準・重症度分類・診療ガイドラインを策定した。
結果と考察
全身性強皮症診断基準に関しては2013年ACR/EULARから発表された分類基準を参考にしつつ、本邦の従来の診断基準に改訂を加えることとした。全身性強皮症の重症度分類に関しては過去の重症度分類を参考としつつACR/EULARでの議論をふまえ、一部変更した。全身性強皮症の診療ガイドラインに関しては、過去に作成したものを参考にしつつ、最近数年での治療の変遷を鑑みてCQ(クリニカル クエスチョン)を変更、追加するとともに各CQに対してエビデンスに基づいて推奨文、推奨度、解説を作成した。限局性強皮症・好酸球性筋膜炎・硬化性萎縮苔癬に関しては従来診断基準がないため、班会議、メール会議にて疾患概念を議論し、新たに診断基準を作成した。限局性強皮症・好酸球性筋膜炎・硬化性萎縮苔癬の重症度分類に関しても現存のものがないため、班会議、メール会議にて重症例について議論し、新たに重症度分類を作成した。各疾患の診療ガイドラインも現在まで存在しないため新たに重要なCQを挙げ、班会議、メール会議にて議論して絞り込んだ。
各CQに対して、エビデンスに基づいて推奨文、推奨度、解説を作成し、詳細に検討した。
班会議、メール会議を頻回に行い、全身性強皮症の診断基準・重症度分類が完成し、臓器毎の各疾患の診療ガイドラインのCQに対しては最新のevidenceに基づいて推奨文、推奨度、解説を作成し、完成することができた。
また限局性強皮症、好酸球性筋膜炎、硬化性萎縮性苔癬には明確な診断基準がなく、広く認められた重症度分類がなかったため、疾患概念の確立、定義を重視してこれらの診断基準・重症度分類を完成した。これらの皮膚線維化疾患の診療ガイドラインは存在しなかったため、世界に先駆けて診療ガイドラインを策定した。
各CQに対して、エビデンスに基づいて推奨文、推奨度、解説を作成し、詳細に検討した。
班会議、メール会議を頻回に行い、全身性強皮症の診断基準・重症度分類が完成し、臓器毎の各疾患の診療ガイドラインのCQに対しては最新のevidenceに基づいて推奨文、推奨度、解説を作成し、完成することができた。
また限局性強皮症、好酸球性筋膜炎、硬化性萎縮性苔癬には明確な診断基準がなく、広く認められた重症度分類がなかったため、疾患概念の確立、定義を重視してこれらの診断基準・重症度分類を完成した。これらの皮膚線維化疾患の診療ガイドラインは存在しなかったため、世界に先駆けて診療ガイドラインを策定した。
結論
本年度全身性強皮症、限局性強皮症、好酸球性筋膜炎、硬化性萎縮性苔癬の診断基準・重症度分類・診療ガイドラインを完成させ、パブリック・コメントを募り、日本皮膚科学会の承認を得ることができた。また本診断基準・重症度分類・診療ガイドラインは日本皮膚科学会雑誌に掲載され、日本皮膚科学会および強皮症研究会議のホームページにも掲載された。さらに本年度中に書籍として出版されることも決定している。
これにより完成した本診断基準・重症度分類・診療ガイドラインを本邦の強皮症の新しい治療指針として普及することができた。
本診断基準・重症度分類・診療ガイドラインは3年ないし5年を目途に更新する予定である。ただし、部分的更新が必要となった場合には、適宜日本皮膚科学会ホームページおよび強皮症研究会議ホームページ上に掲載する。
これにより完成した本診断基準・重症度分類・診療ガイドラインを本邦の強皮症の新しい治療指針として普及することができた。
本診断基準・重症度分類・診療ガイドラインは3年ないし5年を目途に更新する予定である。ただし、部分的更新が必要となった場合には、適宜日本皮膚科学会ホームページおよび強皮症研究会議ホームページ上に掲載する。
公開日・更新日
公開日
2017-04-26
更新日
-