難治性血管炎に関する調査研究

文献情報

文献番号
201610012A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性血管炎に関する調査研究
課題番号
H26-難治等(難)-一般-044
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
有村 義宏(杏林大学医学部/腎臓・リウマチ膠原病内科)
研究分担者(所属機関)
  • 磯部 光章(東京医科歯科大学大学院 循環制御内科学)
  • 赤澤 宏(東京大学大学院医学系研究科循環器内科学)
  • 小室 一成(東京大学大学院医学系研究科循環器内科学)
  • 種本 和雄(川崎医科大学心臓血管外科)
  • 中岡 良和(国立循環器病研究センター研究所血管生理学部)
  • 長谷川 均(愛媛大学大学院医学系研究科 血液・免疫・感染症内科学)
  • 内田 治仁(岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科 CKD・CVD地域連携・心腎血管病態解析学講座)
  • 岡崎 貴裕(聖マリアンナ医科大学 リウマチ•膠原病•アレルギー内科)
  • 吉藤 元(京都大学大学院医学研究科 臨床免疫学)
  • 針谷 正祥(東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター リウマチ性疾患薬剤疫学研究部門)
  • 天野 宏一(埼玉医科大学総合医療センターリウマチ・膠原病内科)
  • 伊藤 聡(新潟県立リウマチセンターリウマチ科)
  • 勝又 康弘(東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センター)
  • 駒形 嘉紀(杏林大学医学部第一内科腎臓・リウマチ膠原病内科)
  • 佐田 憲映(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 腎・免疫・内分泌代謝内科学)
  • 土橋 浩章(香川大学血液・免疫・呼吸器内科)
  • 中山 健夫(京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 健康情報学分野)
  • 堀田 哲也(北海道大学大学院医学研究科免疫・代謝内科学分野)
  • 本間 栄(東邦大学医学部内科学講座呼吸器内科学分野(大森)
  • 和田 隆志(金沢大学医薬保健研究域医学系 血液情報統御学)
  • 石津 明洋(北海道大学大学院保健科学研究院 病態解析学分野)
  • 川上 民裕(聖マリアンナ医科大学 皮膚科)
  • 菅野 祐幸(信州大学学術研究院医学系医学部病理組織学教室)
  • 高橋 啓(東邦大学医療センター大橋病院病理診断科)
  • 土屋 尚之(筑波大学医学医療系分子遺伝疫学)
  • 宮崎 龍彦(岐阜大学医学部附属病院病理部)
  • 藤元 昭一(宮崎大学医学部血液・血管先端医療学講座)
  • 猪原 登志子(京都大学医学部附属病院 臨床研究総合センター 早期臨床試験部)
  • 小林 茂人(順天堂大学医学部付属順天堂越谷病院内科学)
  • 濱野 慶朋(東京都健康長寿医療センター 腎臓内科)
  • 古田 俊介(千葉大学医学部附属病院アレルギー・膠原病内科)
  • 高崎 芳成(順天堂大学膠原病内科)
  • 要 伸也(杏林大学医学部第一内科腎臓・リウマチ膠原病内科)
  • 杉山 斉(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科血液浄化療法人材育成システム開発学)
  • 竹内 勤(慶慶應義塾大学リウマチ内科)
  • 藤井 隆夫(和歌山県立医科大学附属病院 リウマチ膠原病科)
  • 杉原 毅彦(東京都健康長寿医療センター 膠原病リウマチ科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
16,695,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
血管炎は血管壁の炎症を基盤としてもたらされる多臓器障害性の難病で、その治療法は依然として確立していない。稀少疾患であるため、しばしば診断が遅れ、腎、肺などの重要臓器に障害を来し重篤となる。本研究班の目標は、このような難治性血管炎に関して、1)診断基準、重症度分類の策定、2)診療ガイドラインの策定、3)診療ガイドラインの検証を行い、これらを国民、医療者に広く普及し、わが国の血管炎診療の向上に貢献することである。
研究方法
血管炎が稀少性・多臓器疾患であることを考慮し、本研究班では全国各地域の血管炎診療に携わる主要施設の膠原病内科医、腎臓内科医、循環器内科医、呼吸器内科医、皮膚科医、血管外科医、病理医、放射線医などが班員となり、関連する学会や厚労省研究班、関連するAMED班と緊密な連携をとり、オールジャパン体制で研究を遂行した。本研究班の組織は、血管炎登録・ガイドライン作成・普及推進委員会(班長、各分科会長)のもとに、1)大型血管炎臨床分科会(分科会長:磯部)、2)中・小型血管炎臨床分科会(分科会長:針谷)、3)臨床病理分科会(分科会長:石津)、4)国際協力分科会(分科会長:藤元)、5)横断協力分科会(分科会長:高崎)の5つの分科会で構成されている。各分科会は連携し班全体で研究を施行し、さらに質の高いエビデンスに基づいたガイドライン作成のため、「AMED難治性血管炎診療のエビデンス構築のための戦略的研究班(研究開発代表者 有村義宏)」と「AMED:ANCA関連血管炎の新規治療薬開発を目指す戦略的シーズ探索と臨床的エビデンス構築研究班(研究開発代表者 針谷正祥)」との緊密な連携の基に施行した。
結果と考察
平成28年度は、血管炎疾患のうち指定難病である9疾患(高安動脈炎、巨細胞性動脈炎、バージャー病、結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、悪性関節リウマチ、抗リン脂質抗体症候群)の診断基準、重症度分類などに関連する臨床調査個人票の修正作業を行った。また、血管炎の分類(CHCC2012 分類)に関する用語の日本語名称を提唱し日本医学会で正式に認可されて本班のホームぺージに掲載した。各分科会の主な研究状況として、1)大型血管炎臨床分科会では、他の分科会の協力のもとに循環器学会と合同研究で大型血管炎を中心とした血管炎診療ガイドラインの改訂作業を行った。また、関連するAMED班と連携し高安動脈炎、巨細胞性動脈炎に関する多施設臨床研究(前向き、後ろ向き)研究を施行した。2)中小型血管炎臨床分科会では、各分科会と連携しANCA関連血管炎の診療ガイドラインの作成し発刊した(GRADE法による作成は本班、概説部は厚労省難治性腎疾患に関する調査研究班および厚労省難治性びまん性肺疾患に関する調査研究班との合同研究)。また、関連するAMED班と連携してANCA関連血管炎に関するリツキシマブ治療の関する臨床研究(前向き)を施行した。3)臨床病理分科会では、ウェブ版血管炎病理アトラスを作成し当班のホームぺージに掲載した。また、血管炎に関する病理診断のエキスパートオピニオンを求めることができるコンサルテーションシステムを構築し、実施を開始した。4)国際研究分科会では、ANCA関連血管炎に関する国際研究(再発性ANCA関連血管炎の寛解維持療法におけるリツキシマブとアザチオプリンのランダム化比較試験:RITAZAREM)に参加し登録作業を終了した。また、平成29年3月に本班が中心となり東京で第18回国際血管炎・ANCA学会(大会長:有村義宏)を開催した。本学会には、わが国を含め世界39ヵ国から738名が参加し、本班の成果を発信するとともに、わが国および世界の血管炎研究の基礎・臨床研究の発展に貢献した。5)横断協力分科会では、本班のホームページをWeb上に設立し(http://www.vas-mhlw.org/)し国民や医師への血管炎の概念、診断ガイドラインの普及に貢献すると共に、関連する学会で血管炎に関する発表を企画し実施した。
本研究の成果は、患者の生活の質を向上、さらに医療費の削減にも貢献できるものと期待される。また、我が国の血管炎の専門医、非専門医の双方にとって、難治性血管炎の診療の質、予後改善に有用と思われた。さらに、国際研究に参加し、本班が後援し我が国で開催された血管炎に関して世界で最も権威のある国際学会に於いて、本班の成果や我が国の最新の知見を会議で発表・討議したことは、我が国および世界の診療レベル向上に貢献できたと思われた。
結論
本研究の成果は、我が国の難治性血管炎の診療の質、予後改善に寄与するとともに、患者の生活の質を向上、さらに医療費の削減にも貢献できるものと期待される。

公開日・更新日

公開日
2017-06-06
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2017-06-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201610012B
報告書区分
総合
研究課題名
難治性血管炎に関する調査研究
課題番号
H26-難治等(難)-一般-044
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
有村 義宏(杏林大学医学部/腎臓・リウマチ膠原病内科)
研究分担者(所属機関)
  • 磯部 光章(東京医科歯科大学大学院 循環制御内科学)
  • 小室一成(東京大学大学院医学系研究科循環器内科学)
  • 赤澤 宏(東京大学大学院医学系研究科循環器内科学)
  • 中岡 良和(国立循環器病研究センター研究所血管生理学部)
  • 岡崎 貴裕(聖マリアンナ医科大学 リウマチ•膠原病•アレルギー内科)
  • 内田 治仁(岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科 CKD・CVD地域連携・心腎血管病態解析学講座)
  • 長谷川 均(愛媛大学大学院医学系研究科 血液・免疫・感染症内科学)
  • 杉原 毅彦(東京都健康長寿医療センター 膠原病リウマチ科)
  • 吉藤 元(京都大学大学院医学研究科 臨床免疫学)
  • 種本 和雄(川崎医科大学心臓血管外科)
  • 針谷 正祥(東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター リウマチ性疾患薬剤疫学研究部門)
  • 本間 栄(東邦大学医学部内科学講座呼吸器内科学分野(大森)
  • 佐田 憲映(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 腎・免疫・内分泌代謝内科)
  • 和田 隆志(金沢大学医薬保健研究域医学系 血液情報統御学)
  • 伊藤 聡(新潟県立リウマチセンターリウマチ科)
  • 土橋 浩章(香川大学血液・免疫・呼吸器内科)
  • 堀田 哲也(北海道大学大学院医学研究科免疫・代謝内科学分野)
  • 駒形 嘉紀(杏林大学医学部第一内科腎臓・リウマチ膠原病内科)
  • 中山 健夫(京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 健康情報学分野)
  • 勝又 康弘(東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センター)
  • 天野 宏一(埼玉医科大学総合医療センターリウマチ・膠原病内科)
  • 石津 明洋(北海道大学大学院保健科学研究院 病態解析学分野)
  • 宮崎 龍彦(岐阜大学医学部附属病院病理部)
  • 川上 民裕(聖マリアンナ医科大学 皮膚科)
  • 菅野 祐幸(信州大学学術研究院医学系医学部病理組織学教室)
  • 高橋 啓(東邦大学医療センター大橋病院病理診断科)
  • 土屋 尚之(筑波大学医学医療系分子遺伝疫学)
  • 藤元 昭一(宮崎大学医学部血液・血管先端医療学講座)
  • 濱野 慶朋(東京都健康長寿医療センター 腎臓内科)
  • 猪原 登志子(京都大学医学部附属病院 臨床研究総合センター 早期臨床試験部)
  • 小林 茂人(順天堂大学医学部付属順天堂越谷病院内科学)
  • 古田 俊介(千葉大学医学部附属病院アレルギー・膠原病内科)
  • 高崎 芳成(順天堂大学膠原病内科)
  • 竹内 勤(慶慶應義塾大学リウマチ内科)
  • 藤井 隆夫(和歌山県立医科大学附属病院 リウマチ膠原病科)
  • 要 伸也(杏林大学医学部第一内科腎臓・リウマチ膠原病内科)
  • 杉山 斉(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科血液浄化療法人材育成システム開発学)
  • 山田 秀裕(聖マリアンナ医科大学 リウマチ膠原病アレルギー内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
血管炎は多臓器障害性の難病で、その治療法は依然として確立していない。稀少疾患であるため、しばしば診断が遅れ、腎、肺などの重要臓器に障害を来し重篤となる。本研究班の目標は、このような難治性血管炎に関して、1)診断基準、重症度分類の策定、2)診療ガイドラインの策定、3)診療ガイドラインの検証を行い、これらを国民、医療者に広く普及し、わが国の血管炎診療の向上に貢献することである。
研究方法
本研究班の組織は、血管炎登録・ガイドライン作成・普及推進委員会のもとに、1)大型血管炎臨床分科会(分科会長:磯部)、2)中・小型血管炎臨床分科会、3)臨床病理分科会、4)国際協力分科会、5)横断協力分科会の5つの分科会で構成されている。本研究班では、全国各地域の血管炎診療に携わる主要施設の多膠原病内科医、腎臓内科医など多様な専門医が班員となり、オールジャパン体制で研究を遂行した。
結果と考察
平成26年度は、各対象血管炎9疾患の疾患概要・診断基準・重症度分類の改訂作業を行った。大型血管炎分科会では特に高安動脈炎、巨細胞性動脈炎に関して、中・小型血管炎分科会ではANCA関連血管炎に関して、ガイドライン作成の準備を行った。また、全国調査に基づくANCA関連血管炎患者データベースを解析し、日本人患者の臨床的特徴を英文誌に報告した。全国規模の血管炎データベース構築に関しては、高安動脈炎、巨細胞性動脈炎、ANCA関連血管炎に関する具体的な登録に関する事項を検討した。臨床病理分科会では、ガイドラインに反映させる血管炎病理組織学的所見などに関して、Systematic reviewを行った。また、病理診断のエキスパートオピニオンを求めることができるコンサルテーションシステム構築のための具体的依頼/回答フォームを検討した。さらに「血管炎アトラス」改定に関して掲載疾患と担当者を確定した。国際協力分科会では世界統一の原発性全身性血管炎の分類・診断基準作成のため我が国からの症例登録を行った。多発血管炎性肉芽腫症の臨床研究(英国と共同研究)ではわが国からの症例登録を完了した。再発性ANCA血管炎に対する国際研究(リツキシマブとアザチオプリンのランダム化比較試験:RITAZAREM)に参加し、国際事務局への施設登録が終了し症例登録可能な段階とした。横断協力分科会では、関連学会と本班との共同シンポジウムの開催、ホームページ作成に関する具体的検討を行った。平成27年度は、上記計画の実施を開始し、平成28年度(最終年度)は、1)循環器学会と合同研究で大型血管炎を中心とした血管炎診療ガイドラインの改訂作業を行った。また、関連するAMED班と連携し高安動脈炎、巨細胞性動脈炎に関する多施設臨床研究(前向き、後ろ向き)研究を施行した。2)中小型血管炎臨床分科会では、各分科会と連携しANCA関連血管炎の診療ガイドラインの作成し発刊した(GRADE法による作成は本班、概説部は厚労省の難治性腎疾患に関する調査研究班および難治性びまん性肺疾患に関する調査研究班との合同研究)。また、関連するAMED班と連携してANCA関連血管炎に関するリツキシマブ治療の関する臨床研究(前向き)を施行した。3)臨床病理分科会では、ウェブ版血管炎病理アトラスを作成し当班のホームぺージに掲載した。また、血管炎に関する病理診断のエキスパートオピニオンを求めることができるコンサルテーションシステムを構築し、実施を開始した。4)国際研究分科会では、RITAZAREMの登録作業を終了した。また、平成29年3月に本班が中心となり東京で第18回国際血管炎・ANCA学会(大会長:有村義宏)を開催した。本学会には、世界39ヵ国から738名が参加し、本班の成果を発信するとともに、我が国および世界の血管炎研究の発展に貢献した。5)横断協力分科会では、本班のホームページを充実させ、血管炎の概念、診断ガイドラインの普及に貢献すると共に、関連する学会で血管炎に関する発表を企画し実施した。
 本研究の成果は、患者の生活の質を向上、さらに医療費の削減にも貢献できるものと期待される。また、我が国の血管炎の専門医、非専門医の双方にとって、難治性血管炎の診療の質、予後改善に有用と思われた。
結論
本研究の成果は、我が国の難治性血管炎の診療の質、予後改善に寄与するとともに、患者の生活の質を向上、さらに医療費の削減にも貢献できるものと期待される。

公開日・更新日

公開日
2017-06-06
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201610012C

成果

専門的・学術的観点からの成果
ANCA関連血管炎の寛解導入治療の現状とその有効性と安全性に関する観察研究(RemIT-JAV)、ANCA関連血管炎の寛解維持療法に関する前向き観察研究(Co-RemIT-JAV)など施行し、我が国の血管炎の特徴を見出した。国際的には、本班が主体となり、第18回国際血管炎・ANCA学会(大会長:有村義宏)を開催した。本学会には39ヵ国から738名が参加し、わが国及び世界の血管炎に関する基礎・臨床研究の発展に貢献した。
臨床的観点からの成果
本班のホームページをWeb上に開設(http://www.vas-mhlw.org/)し、国民や医師に対する血管炎の概念や診断ガイドラインの普及に貢献した。ホームページには、血管炎病理アトラスや血管炎病理診断コンサルテーションシステムを構築・掲載し利用できるようにした。また、また、血管炎に関する多くの用語の日本語正式名称を決定し発表した。さらにANCA関連血管炎の診療ガイドライン2017を発刊し、関連する学会で血管炎、本班の活動成果を発表した。
ガイドライン等の開発
本班が主体となり、厚労省難治性腎疾患に関する調査研究班、厚労省難治性びまん性肺疾患に関する調査研究班との共同研究により、ANCA関連血管炎の診療ガイドライン2017を発刊した。本ガイドラインは、血管炎診療の専門医だけでなく、非専門医、患者を対象にしており、我が国の血管炎診療の向上、均一化に貢献できるいと思われる。また、循環器学会との共同で大型血管炎を主体とし、血管炎全般にわたる診療ガイドラインの作成を実施した。次年度には発刊の予定である。
その他行政的観点からの成果
血管炎疾患のうち指定難病である9疾患(高安動脈炎、巨細胞性動脈炎、バージャー病、結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、悪性関節リウマチ、抗リン脂質抗体症候群)の診断基準、重症度分類などに関連する臨床調査個人票の修正作業を行った。
その他のインパクト
第60回日本リウマチ学会総会・学術集会において本班と日本リウマチ学会合同シンポジウムを開催した。本会議には、リウマチ医、腎臓内科医、循環器内科医など血管炎診療に関わる各専門医が討議し、血管炎診療の質向上に関して討議が行われた。この会議の討議概略は日経メディカルWeb版で紹介された。その他、平成28年度に開催された日本腎臓学会総会、日本皮膚科学会総会、日本呼吸器学会総会に於けるシンポジウムで、本班の成果発表を行った。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
27件
その他論文(和文)
65件
その他論文(英文等)
82件
学会発表(国内学会)
17件
学会発表(国際学会等)
5件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Sada KE, Ohashi K, Asano Y, Arimura Y,et al
Treatment-related damage in elderly-onset ANCA-associated vasculitis: safety outcome analysis of two nationwide prospective cohort studies
Arthritis Res Ther . , 12 (22) , 236-  (2020)
10.1186/s13075-020-02341-6.
原著論文2
Yokoe Y, Tsuboi N, Imaizumi T, Arimura Y, et al
Clinical impact of urinary CD11b and CD163 on the renal outcomes of anti-neutrophil cytoplasmic antibody-associated glomerulonephritis
Nephrol Dial Transplant , Jul 8 (gfaa09) , Online -  (2020)
0.1093/ndt/gfaa097
原著論文3
Watanabe H, Sada KE, Arimura Y, et al
Rationale of concomitant cyclophosphamide for remission-induction in patients with antineutrophil cytoplasmic antibody-associated vasculitis: A propensity score-matched analysis of two nationwide prospective cohort studies
Mod Rheumatol , 31 (1) , 205-213  (2021)
10.1080/14397595.2019.1707997
原著論文4
Kawasaki A, Namba N, Arimura Y, et al
Association of TERT and DSP variants with microscopic polyangiitis and myeloperoxidase-ANCA positive vasculitis in a Japanese population: a genetic association study
Arthritis Res Ther . , 16 (22) , 246-  (2020)
10.1186/s13075-020-02347-0.
原著論文5
Ishizaki J, Takemori A, Arimura Y, et al
Usefulness of tissue inhibitor of metalloproteinase 1 as a predictor of sustained remission in patients with antineutrophil cytoplasmic antibody-associated vasculitis
Arthritis Res Ther . , 20 (23) , 91-  (2021)
10.1186/s13075-021-02471-5
原著論文6
Ishizaki J, Takemori A, Y Arimura et. al
Usefulness of tissue inhibitor of metalloproteinase 1 as a predictor of sustained remission in patients with antineutrophil cytoplasmic antibody-associated vasculitis
Arthritis Res Ther , 20 (23) , 91-  (2021)
10.1186/s13075-021-02471-5
原著論文7
Watanabe H, Sada KE, Arimura Y, et al
Exploratory classification of clinical phenotypes in Japanese patients with antineutrophil cytoplasmic antibody-associated vasculitis using cluster analysis
Sci Rep , 4 (11) , 5223-  (2021)
10.1038/s41598-021-84627-6.
原著論文8
Kawasaki A, Yamashita K, Arimura Y, et al
Association of ETS1 polymorphism with granulomatosis with polyangiitis and proteinase 3-anti-neutrophil cytoplasmic antibody positive vasculitis in a Japanese population.
J Hum Genet. , 63 (1) , 55-62  (2018)
10.1038/s10038-017-0362-2
原著論文9
Hara A, Wada T, Arimura Y, et al
Risk Factors for Relapse of Antineutrophil Cytoplasmic Antibody-associated Vasculitis in Japan: A Nationwide, Prospective Cohort Study.
J Rheumatol. , 45 (4) , 521-528  (2018)
10.3899/jrheum.170508
原著論文10
Watanabe H, Sada KE, Arimura Y, et al
Association Between Reappearance of Myeloperoxidase-Antineutrophil Cytoplasmic Antibody and Relapse in Antineutrophil Cytoplasmic Antibody-Associated Vasculitis: Subgroup Analysis of Nationwide Prospective Cohort Studies.
Arthritis Rheumatol. , 70 (10) , 1626-1633  (2018)
10.1002/art.40538
原著論文11
Nagasaka K, Harigai M, M, Arimura Y. et al
Systematic review and meta-analysis for 2017 clinical practice guidelines of the Japan research committee of the ministry of health, labour, and welfare for intractable vasculitis for the management of ANCA-associated vasculitis.
Mod Rheumatol. , 29 (1) , 119-129  (2018)
10.1080/14397595.2018.1500111
原著論文12
Yamagata K, Usui J, H, Arimura Y, et al
Histopathological classification of anti-neutrophil cytoplasmic antibody-associated glomerulonephritis in a nationwide Japanese prospective 2-year follow-up cohort study.
Clin Exp Nephrol. , 23 (3) , 387-394  (2018)
10.1007/s10157-018-1656-1
原著論文13
Suzuki A, Sakamoto S, K, Arimura Y, et al
Chest High-Resolution CT Findings of Microscopic Polyangiitis: A Japanese First Nationwide Prospective Cohort Study.
AJR Am J Roentgenol. , Apr ( 11) , 1-11  (2019)
10.2214/AJR.18.20967
原著論文14
Namba N, Kawasaki A,Arimura Y et al.
Association of MUC5B promoter polymorphism with interstitial lung disease in myeloperoxidase-antineutrophil cytoplasmic antibody-associated vasculitis.
Ann Rheum Dis. , Feb (14.)  (2019)
10.1136/annrheumdis-2018-214263
原著論文15
Yokoyama N, Kawasaki A, et al
Association of NCF1 Polymorphism With Systemic Lupus Erythematosus and Systemic Sclerosis but Not With ANCA-associated Vasculitis in a Japanese Population
Sci Rep. , Nov (8) , 16366-  (2019)
10.1038/s41598-019-52920-0.
原著論文16
Isobe M, Amano K, Arimura Y, et al
JCS 2017 Guideline on Management of Vasculitis Syndrome - Digest Version
Circ J. , Jan (24) , 299-359  (2020)
10.1253/circj.CJ-19-0773.
原著論文17
Ikeda T, Kawakami T, Arimura Y, et al.
Survey of Japanese Dermatological Vasculitis Specialists on Cases of Cutaneous Arteritis (Cutaneous Polyarteritis Nodosa)
J Dermatol , May (47) , 534-537  (2020)
10.1111/1346-8138.15273.
原著論文18
Watanabe H, Sada KE, Arimura Y, et al.
Rationale of Concomitant Cyclophosphamide for Remission-Induction in Patients With Antineutrophil Cytoplasmic Antibody-Associated Vasculitis: A Propensity Score-Matched Analysis of Two Nationwide Prospective Cohort Studies
Mod Rheumatol , Jan (6) , 1-9  (2020)
10.1080/14397595.2019.1707997.
原著論文19
Sugihara T, Hasegawa H, Arimura Y, et al.
Associated Factors of Poor Treatment Outcomes in Patients With Giant Cell Arteritis: Clinical Implication of Large Vessel Lesions
Arthritis Res Ther , Apr (7) , 72-  (2020)
10.1186/s13075-020-02171-6.

公開日・更新日

公開日
2021-06-08
更新日
2021-07-01

収支報告書

文献番号
201610012Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
21,703,000円
(2)補助金確定額
20,109,000円
差引額 [(1)-(2)]
1,594,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 6,332,047円
人件費・謝金 0円
旅費 3,050,010円
その他 5,719,896円
間接経費 5,008,000円
合計 20,109,953円

備考

備考
1,594,000円 返還

公開日・更新日

公開日
2018-03-09
更新日
-