文献情報
文献番号
201610009A
報告書区分
総括
研究課題名
ライソゾーム病(ファブリ病含む)に関する調査研究
課題番号
H26-難治等(難)-一般-041
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
衞藤 義勝(東京慈恵会医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 酒井規夫(大阪大学医学系研究科保健学専攻 生命育成看護科講座 成育小児科学)
- 高橋 勉(秋田大学医学系研究科・小児科学講座)
- 高柳 正樹 (帝京平成大学地域医療学部)
- 辻 省次(東京大学神経内科)
- 難波 栄二(鳥取大学生命機能研究支援センター)
- 鈴木 康之(岐阜大学医学教育開発研究センター)
- 桜庭 均(明治薬科大学臨床遺伝学研究室)
- 奥山 虎之(国立成育医療センター 臨床検査部)
- 坪井 一哉(名古屋セントラル病院 ライゾーム病センター・血液内科)
- 松田 純子(川崎医科大学・病態代謝学)
- 下澤 伸行(国立大学法人岐阜大学・岐阜大学生命科学総合研究支援センター)
- 今中 常雄(富山大学・大学院医学薬学研究部)
- 小林 博司(東京慈恵会医科大学・遺伝子治療研究部)
- 加我 牧子(東京都立東部療育センター)
- 横山 和明(帝京大学 薬学部)
- 渡邊 順子(久留米大学 GC・MS医学研究応用施設)
- 石垣 景子(東京女子医科大学・小児科)
- 成田 綾(鳥取大学脳神経小児科)
- 井田 博幸(東京慈恵会医科大学・小児科)
- 大橋 十也(東京慈恵会医科大学・遺伝子治療研究部)
- 小林 正久(東京慈恵会医科大学・小児科)
- 福田 冬季子(浜松医科大学・小児科学)
- 中村 公俊(熊本大学・生命科学研究部)
- 濱崎 考史(大阪市立大学・医学研究科発達小児医学)
- 柳澤比呂子(脳神経疾患研究所 先端医療センター&遺伝病治療研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
18,612,000円
研究者交替、所属機関変更
所属機関変更
研究者名:松田 純子
旧 川崎医科大学 医学部 特任教授
新 川崎医科大学 病態代謝学 教授(平成28年6月1日~)
研究報告書(概要版)
研究目的
ライソゾーム病並びにALDは、指定難病として2009年に指定された。その後、新しく平成26年5月に成立した「難病の患者に対する医療等に関する法律」を受け、平成27年1月1日から新たな難病医療費助成制度が実施された。指定医が診断を行うことになるわけであるが、全ての指定医がライソゾーム病、ALDの診断、治療に関して理解できるように、平成26年度、27年度に診断、治療の手引き書を作成した。更にライソゾーム病、ALD、ペルオキシソーム病のWeb上での臨床個人調査表の内容も検討してWeb登録にも貢献した。又、全国のライソゾーム病の患者数の実状調査を15年ぶりに調査研究を行った。平成28年度はマインズに基づく診療ガイドラインをムコ多糖症II型、副腎白質ジストロフィー、ポンペ病で補助金による作成・無償配布した。本ガイドラインは広く難病指定医の診療に役立つことが期待される。患者との市民公開フォーラムの開催、遺伝子治療に向けてのフォーラムの開催など含めライソゾーム病・ペルオキシソーム病に対する総合的な啓蒙活動を行った。ライソゾーム病、ALDの拠点病院の今後の対応も検討した。
研究方法
1)我が国のライソゾーム病&ALD患者数の実態調査:全国200床以上の小児科、循環器科、神経内科、神経科の4科、病床数別に選択)および全13304施設(小児科、循環器科、神経内科、神経科、整形外科、腎臓内科、血液内科、20床以上の全ての病院)にアンケート葉書を送付し、計1083名の患者数を見出しているが、現在重複などの検討をしている。さらに調査に向けての検討事項を討議している。
2)マインズの手法に基づくライソゾーム病診療ガイドラインをムコ多糖症II型(責任者:奥山虎之)、副腎白質ジストロフィー(責任者:下澤伸行)並びにポンペ病(責任者:大橋十也、石垣景子)に関して作成した。
3)ライソゾーム病、ALDの市民公開フォーラムの開催(平成29年1月15日、東京慈恵会医科大学3階講堂で開催した。
4)第7回国際協力遺伝病遺伝子治療フォーラムを開催(平成29年1月18、19日開催)ライソゾーム病の遺伝子治療啓蒙活動を行った。
5)ALD遺伝子治療推進事業開催―米国Bluebird bioとの共同治験作業を行った。
2)マインズの手法に基づくライソゾーム病診療ガイドラインをムコ多糖症II型(責任者:奥山虎之)、副腎白質ジストロフィー(責任者:下澤伸行)並びにポンペ病(責任者:大橋十也、石垣景子)に関して作成した。
3)ライソゾーム病、ALDの市民公開フォーラムの開催(平成29年1月15日、東京慈恵会医科大学3階講堂で開催した。
4)第7回国際協力遺伝病遺伝子治療フォーラムを開催(平成29年1月18、19日開催)ライソゾーム病の遺伝子治療啓蒙活動を行った。
5)ALD遺伝子治療推進事業開催―米国Bluebird bioとの共同治験作業を行った。
結果と考察
1.ライソゾーム病、ALD,ペルオキシソーム病の全国患者実態調査の一次調査を行い、
我が国のライソゾーム病、ペルオキシソーム病の現在の実態を明らかにした。調査方法は名古屋大学公衆衛生の鈴木教授の指導を受けながら調査研究 方法を検討し、二次調査の内容を検討した。今後ライソゾーム病患者などのQOLを明らかにすることを目指す為の基礎データとなる。
2.ライソゾーム病・ペルオキシソーム病の内、ムコ多糖症の診療手引書の作成並びにエビデンスに基づくALDの診療ガイドライン作成には、いくつかのCQを作成するマインズを用いた作成法を用いた。マインズの作成法に関しては数回に渡り日本医療能評価機構 森實敏夫先生に指導を受けた。MPSII型、ALD、ポンペ病の診療ガイドラインを作成し、日本先天代謝異常症学会会員、全国小児科教授など関係部署に補助金による無償配布を行い、更にホームページにも掲載した。本ガイドラインが広く難病指定に利用されることを期待する。
3.ライソゾーム病を中心に市民公開フォーラムを開催し、ライソゾーム病患者への啓蒙活動、国民への情報発信を行った。今後の難病調査研究の参考資料とした。
4.ライソゾーム病、特にMPSII型をはじめALDなど遺伝子治療が国際的に開始され始めたことから、国際協力遺伝病遺伝子治療を平成29年1月19日東京で開催し、患者にも啓蒙活動を行った。
我が国のライソゾーム病、ペルオキシソーム病の現在の実態を明らかにした。調査方法は名古屋大学公衆衛生の鈴木教授の指導を受けながら調査研究 方法を検討し、二次調査の内容を検討した。今後ライソゾーム病患者などのQOLを明らかにすることを目指す為の基礎データとなる。
2.ライソゾーム病・ペルオキシソーム病の内、ムコ多糖症の診療手引書の作成並びにエビデンスに基づくALDの診療ガイドライン作成には、いくつかのCQを作成するマインズを用いた作成法を用いた。マインズの作成法に関しては数回に渡り日本医療能評価機構 森實敏夫先生に指導を受けた。MPSII型、ALD、ポンペ病の診療ガイドラインを作成し、日本先天代謝異常症学会会員、全国小児科教授など関係部署に補助金による無償配布を行い、更にホームページにも掲載した。本ガイドラインが広く難病指定に利用されることを期待する。
3.ライソゾーム病を中心に市民公開フォーラムを開催し、ライソゾーム病患者への啓蒙活動、国民への情報発信を行った。今後の難病調査研究の参考資料とした。
4.ライソゾーム病、特にMPSII型をはじめALDなど遺伝子治療が国際的に開始され始めたことから、国際協力遺伝病遺伝子治療を平成29年1月19日東京で開催し、患者にも啓蒙活動を行った。
結論
「ライソゾーム病・ペルオキシソーム病の診断、治療にむけて活動し、わが国のライソゾーム病、ALD,ペルオキシソーム病患者のQOL向上並びに行政的に更なる貢献を目指して本研究班は活動した。
公開日・更新日
公開日
2017-05-25
更新日
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